ドクターズガイド

病気の解説

冷え症

病気・症状

「手足が冷えて眠れない」「体が温まりにくい」などの症状を冷え症と呼ぶ。冷えだけでなく、むくみ、肌荒れ、腹痛、頭痛、生理不順、抑うつ感など、さまざまな身体や精神面のトラブルを伴う場合が多い。がんの要因になるとも言われる。女性の病気と言われてきたが、近年中高年の男性にも多いことが分かってきた。たとえば「夜間の頻尿」も冷えが関係しているという。冷え症は、漢方の病気だ。西洋医学では、手足が冷たく、腹痛や下痢、生理痛、低血圧などの症状があっても「冷え症」という病気とは診断せず、治療の対象としない。一方漢方では、治療の対象となる。

検査・治療

漢方ではまず「四診」という独特の診察法によって、自覚症状だけではなく、体質や心の状態まで細かく把握する。「四診」には、患者の話を聞いて質問していく「問診」、目で顔色や動作等を見る「望診」、声の大きさや呼吸音を聞いたり体臭を嗅ぐなどする「聞診」、お腹に触れたり脈を診たりする「切診」がある。単に病気を見つけて治すのではなく、全身を診て不調の原因や対応法を探り、治療するのが漢方の診察の特徴だ。さらに漢方では診察でわかった身体の状態をあらわすいくつかの概念がある。代表的なものが「気血水」。「気」は循環して生命を支える目に見えないエネルギー。「血」は主に血液や体を構成するもととなるもの。「水」は体の水分を指し,リンパ液や汗などにあたる。何か不調が起きている場合、多くは「気血水」の病因と体力の状態、病気の進行具合などを考え合わせて、その人にあった漢方薬を処方する。「冷え」が、お血(古血の鬱滞)や血虚(皮膚の乾燥)など「血」の異常から起きていると考えられる場合、冷えはあるが手足などの末端だけでむくみが強い場合、気分の落ち込みがある場合等で処方が変わる。また、漢方薬の服用以外にも、身体を冷やさない食事や服装など、日常生活のうえでの細かな指導も、漢方治療における重要なポイントだ。

ドクター・病院選びのポイント

漢方では「気血水」のほかにもうひとつ、病気を太陽・陽明・少陽・太陰・少陰・厥陰(けっちん)の6つの病期にわける概念もある。体質や病期にあわせ、最適な処方をしてくれる漢方医を選びたい。また、薬の処方以外にも、生活指導をきちんとしてくれることも重要だ。


監修

石川友章医師: 石川クリニック 院長