ドクターズガイド

病気の解説

不眠症

病気・症状

寝床に入ってもなかなか眠れず、それが原因で、日中の倦怠感、疲労感、集中力の低下などが現れ、日常生活に支障を来している状態を「不眠症」と呼ぶ。不眠の症状には主に、入眠障害、中途覚醒、早期郭清、熟眠障害があり、対処の仕方や治療法はそれぞれ異なる。

近年、不眠症があると、日中に不調感が出るだけでなく糖尿病や高血圧,さらにうつ病など心の病にかかりやすくなることがわかってきた。「ストレス社会のせいで不眠が増えている」とよく言われるが、最も大きな原因は「高齢化」。ほか「要因となる病気がある」「ストレス」「生活習慣の乱れ」等が続く。健康な人であれば、加齢とともに必要とする睡眠時間は減っていく。45歳で6.5時間、65歳で6時間ぐらいが普通で、長い時間寝床で過ごしても若い頃と同じように長く眠ることはできない。睡眠時間は、6時間から8時間が最適で、これより長くても短くても病気や死亡のリスクは高くなる。

検査・治療

診断は問診に加え、「終夜睡眠ポリグラフ検査」「反復睡眠潜時検査」「簡易モニター」「アクチアグラフ」など、睡眠について調べる検査を行う。パーキンソン病、高血圧等の治療薬が不眠を引き起こしている場合もあるので、服用している薬についても確認が必要。認知症、脳卒中、不安障害、女性ホルモンの変調等、不眠の原因となる疾病の有無も調べる。「概日リズム睡眠障害」「睡眠時無呼吸症候群」「むずむず脚症候群」等、他の睡眠障害との鑑別を行うことも重要だ。

治療では、「不眠の原因となっている疾病を治す」「生活習慣の改善」「認知行動療法」等を行う。「8時間眠らなければ」というこだわりを捨て、眠くなってから床に入る、眠れなければ床を出る等意識・行動の改革は効果があるという。ベンゾジアゼピン受容体作動薬、メラトニン受容体作動薬等の睡眠薬を使用する場合もあるが、専門医の指導のもとで服用することが大切だ。

ドクター・病院選びのポイント

不眠の症状が一か月以上続いた場合は、医療機関を受診しよう。間違った診断による治療で、症状を悪化させないためにも、日本睡眠学会認定の専門医がおススメだ。正しい診断には、各種検査が必要だが、専門医以外ては、行われない場合が多い。


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監修

内山 真医師: 日本大学医学部附属板橋病院 精神神経科 睡眠センター 部長 
日本大学医学部精神医学系 主任教授