ドクターズガイド

病気の解説

てんかん

病気・症状

てんかんは、脳の神経細胞が過剰に興奮するために、発作が繰り返し(2回以上)起きる病気の総称。日本における患者数は100万人と推定されている。てんかん発作は突然起こり、短時間で突然消失することがほとんどで、通常は数十秒から数分以内で消失する。よく見られる症状は、強直・間代痙攣や瞬時に意識を失う全般発作(最初から脳全体が発作に巻き込まれる)と部分発作(脳の一部分から発作がおこる)の2種類に大別されるが、ほかにも多彩な症状がある。昔は子どもの病気だったが、昨今は高齢者にも増えており、発症年代には2つのピークがある。原因は、遺伝、外傷、脳の病気、分娩時の脳の損傷、日本脳炎の感染症など多々あるが、不明な場合も多い。

検査・治療

診断で一番大切なのは発作症状の確認。てんかん診療の中でもっともむずかしいのは、てんかんかそうでないかの鑑別で、それには発作時の様子を知ることが欠かせない。しかしほとんどの場合、患者が病院に着く頃には発作は終わっているため、医師は発作の目撃情報を頼りに診断することになる。目撃情報は重要で、発作を動画で撮ることが出来ればとても参考になる。そのほかの検査、たとえば脳波の検査は補助的なもので、なぜなら脳波の異常はてんかん患者の80%にしか出ないからだ。またMRI検査は、脳波に異常があった場合に、他の脳疾患の有無を調べるために行う。

治療の中心は薬物療法だ。診断が正しく、薬剤の選定も適切で、きちんと内服すれば、てんかん患者の7割は発作を止めることができる。だが残りの3割は、発作を減らすことはできても止められないため、脳外科手術や迷走神経刺激術を行う。ただし、実際にこれらの治療を受けている患者はまだまだ少ない。

ドクター・病院選びのポイント

診断はむずかしい。難治性と診断された患者の中には、ほかの病気なのにてんかんと誤診され、抗てんかん薬を投与されているケースが多々あると言う。また部分発作型なのに全般発作型の薬を処方され、重大な事故を起こしてしまったケースもある。厚生労働省の研究費で「てんかん診療ネットワーク」が立ち上がり、てんかん治療に前向きな医師のリストを公開し、かつ地域の医療連携の構築に努めている。てんかんの治療を受ける場合には、このリストで地域の登録医を探し、受診することをお勧めする。


てんかん診療ネットワーク →

監修

兼子 直医師: 湊病院 名誉院長 北東北てんかんセンター長