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風疹の流行拡大が続いている

風疹の流行拡大が続き、収束する気配が見られない。今年の累計患者数2032人(11/11現在)。昨年1年間の20倍に上る。ワクチンの在庫がないとの情報が流れ、厚生労働省は「元々流通量が少ない風疹単独ワクチンの供給は不安定で、麻疹風疹混合(MR)ワクチンは、地域によっては不足しているとも聞くが、混乱が生じるほどとは承知していない」としている。日本医師会は、国に風疹対策を求める要望書の中に「地域医師会からはMRワクチンの不足を指摘する声も出ている」としている。一般に、国内ではMRワクチンを一から製造すると約1年半かかり、使用期限は市場に出てから約1年。ワクチン製造販売業者などが多量に在庫を確保しておくのは難しく、子どもの定期接種分を除くと、任意接種や緊急時の在庫としては年間数10万本分だという。

成人には、海外で広く使われる安全性と有効性が確認されている麻疹風疹おたふくかぜ混合(MMR)ワクチンを勧めている医療機関もある。だが国内未承認の輸入ワクチンのため、まれに重篤な副反応が起こった場合、公的な保障はない。一方で、おたふくかぜの予防も一緒にできるメリットがあり、流行の度に供給が不安定になるMRワクチンに代わる選択肢として接種されているようだ。

現在の流行の中心は30~50代男性。風疹は、発疹などの症状が出る1週間前から周囲への感染力を持つ。また症状が出ない不顕性感染も15~30%の割合である。一方、先天性風疹症候群の発生頻度は、妊娠に気づいていない人が多い妊娠初期ほど高く、妊娠20週ごろまでの女性が風疹ウイルスに感染すると、生まれてくる赤ちゃんが、心臓病や難聴、白内障などの「先天性風疹症候群」という病気を発症する恐れがある。感染したことに気づかない男性が通勤中や外出中に、妊娠初期の女性にうつす恐れがあるため予防接種の必要性がある。


(2018.11.24.)



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