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舌苔が原因で口臭に

あなたはどのぐらいお口のケアをしていますか?舌苔(ぜったい)とは、歯につく歯垢(しこう)と同様、舌についた白い苔のような汚れのこと。口の中に残っている食べ物のカスや舌からはがれた細胞などが口内の細菌と結びつき、舌の表面に付着します。通常、口の中は唾液の洗浄作用によって自然にキレイに掃除されるはずですが、胃腸の病気やストレスなどから口の中が乾き(ドライマウス)やすくなり、汚れが付着したままの状態になっていることがあります。舌苔は口臭の原因や味覚障害になるという報告もあり、こまめなお口のケアをすることが大切です。

舌には、口の中に入れた食べ物を唾液と混ぜ合わせて飲みこませるという働きがあります。また、味覚を感じる上でも重要な役割を果たしています。味覚を感じる感覚器「味蕾(みらい)」の半分以上は舌の表面の舌乳頭部分にあるため、汚れが付着すれば感覚が鈍くなり、味を感じにくくなると考えられます。実際、大阪のある研究所でおこなわれた研究調査の結果、たんぱく質を除去するタブレットで舌のケアをした後には、舌に付着した舌苔の量が半減し、それに伴い味覚の「塩味・酸味・苦味」をより強く感じられるようになったというデータが得られました。また、ふだんの食生活における味覚の変化も調査したところ、舌の掃除をする前と後とでは、甘いもの、しょっぱいもの、どちらも後のほうが「濃度の薄いものをおいしいと感じた」という結果が得られています。舌のケアをすることで、食生活における塩分や糖分の摂取量を抑えられるのではないかと考えられています。歯と同様、舌のケアもすることをお勧めしします。

舌のケアはどのようにすればいいのでしょうか。簡単な方法は、食後にお茶を飲むことです。お茶に含まれるカテキンには口内の汚れをきれいにしてくれる作用があります。また、果物を食べることも良いとされており、特に、たんぱく質分解酵素「プロテアーゼ」を含むキウイ、パイナップル、イチジク、パパイヤなどが効果的と言われています。洗口液や歯磨き粉、たんぱく質分解酵素を配合したキャンディーやタブレットのほか、舌苔対策のためのグッズもさまざまなものが市販されています。最近では舌専用のブラシやヘラ、ワイヤーなどもあるため、試してみてはいかがでしょうか。ただし、舌には毛細血管がたくさん通っていてぎゅぎゅと力を入れ過ぎると刺激で内出血を起こしたり、舌を痛めてしまう可能性も、あまりゴシゴシ強くこすらず、舌の奥から手前にやさしくなでるようにしてあげましょう。

余談ですが、昔はご飯を食べた後に、お茶(緑茶)を飲んだものです。お茶に含まれるカテキンは口の中の汚れを取ってくれるので、理にかなった食習慣だったと言えます。現代人は、脂っこい食事が多く仕事の合間に駆け込むような食事、食後に1杯のお茶も忘れがち、食後に”1杯”の余裕を習慣付けることも体にとって大事かもしれません。


(2016.02.23.)



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