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てんかん治療の課題と今後の展望

「てんかん」は発作を繰り返す脳の病気で、現在、日本には約100万人のてんかん患者がいると言われています。患者の多くが小児期で、発病は1歳未満が非常に高く、多くは10歳までに発病し、10歳を超えると発病率は徐々に減少しますが、また50歳代より増加傾向となります。老齢期では、脳血管障害や脳腫瘍などによって発病しやすくなります。有病率1%と決して稀な病気ではありません。

てんかんの原因は、世代によって異なりますが、大きくは「症候性てんかん」と「特発性てんかん」に分けられます。症候性てんかんとは、脳に何らかの障害や傷があることによって起こるてんかんで、例えば、生まれたときの仮死状態や低酸素、脳炎、髄膜炎、脳出血、脳梗塞、脳外傷などです。特発性てんかんとは、様々な検査をしても異常が見つからない原因不明のてんかんのことです。薬に対する反応性が良く、予後が良好なてんかんと言われます。
薬物治療や外科治療など適切な治療を受ければ、70~80%の人が発作をコントロールできるため、ほとんどの人が普通に社会生活を送ることができますが、2割の人が薬を飲んでも発作をコントロールできない「難治性てんかん」となります。

かつて、てんかんの薬は副作用の頻度も高く長期にわたるため患者の身体的な負担はとても大きなものでした。2006年以降、副作用の少ない新薬が発売されましたが、いずれも併用療法でしか使用できませんでした。2008年10月に承認された、新規抗てんかん薬「ラミクタール」は2014年8月に単剤使用についても承認されました。今回のラミクタール単剤療法の承認は新世代薬では初となり、注目されています。てんかん治療は副作用、薬物相互作用、経済的負担の軽減、患者が主体的に服薬を選択するという観点からも、単剤療法の方が併用療法よりも利点があると考えられています。特に妊娠や出産に与える影響についても、ほかの抗てんかん薬に比べて催奇形性が低いというデータ結果も出ています。 てんかん治療の開発は日進月歩で進んでいて、発作を抑えるだけでなく、副作用を最小限にし、さらには治療の長期的なリスクを抑えて不安のない状態にする事が可能となってきています。

(2014.10.17.)



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