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秋に起こるアレルギー  天候・花粉・ダニ

やっと過ごしやすい気候になってきましたが、そのいっぽう微熱や鼻水が出たり、喉の調子が悪かったり、「油断して風邪をひいたかな?」という人も多くなっています。しかし1週間以上よくならなかったら、それは風邪でなくアレルギーかもしれません。

■風邪かアレルギーか

アレルギーで起こる症状の多くは、風邪の初期のものとよく似ています。そして秋のはじまりに同じような症状を感じると、ごく自然に「そろそろ冷えてきたから、うっかり風邪をひいたかな?」と考えます。しかし風邪は通常1週間程度でよくなるはずですから、2週間以上症状が続いたら、それはアレルギーによる症状の可能性があります。春だけでなく、秋も花粉症をはじめとするアレルギーの発症がおこりやすい時期なのです。

■秋に起こるアレルギー

以前の特集で気圧の低下を外部刺激ととらえて反応し、体内ヒスタミンが増えることでアレルギー症状を起こす仕組みを書きましたが、同じことは秋全般の天候にもいえます。頻繁に変わる天候を外部刺激ととらえて同じ反応を起こす可能性です。

これに加えて、秋に花粉を飛ばす植物、またダニの死骸が問題となりやすいタイミングでもあります。

秋に花粉を飛ばす植物

秋にアレルゲンとなりやすい花粉を飛ばす植物の多くは、ブタクサ、カモガヤといった、「草」の類です。また、秋咲きのスギ花粉も報告されていますので、これも要注意でしょう。

秋の始まりに増えるダニの死骸

梅雨時から始まって7月に発生のピークを迎えるダニの寿命は約3か月です。9月の下旬から10月上旬にかけて、秋の始まりのころには、室内に寿命をむかえたダニの死骸が増えます。それらが干からびて粉々に砕け、目に見えないほどのタンパク質のチリとなって空中に浮遊すると、花粉と同じように呼吸器などから人体に入り込んで、アレルゲンとなってしまうことがあります。

■発症のきっかけ

アウトドアブーム

行楽の秋は、自然に親しみたいもの。特に近年はアウトドアブームの高まりで、森や山へ出かける人が増えていますが、そういった環境に行けば、慣れない種類や量の花粉にさらされることになります。アレルギーは、原因物質によって体内に作られる抗体の蓄積がある量に達すると発症します。その量は人によって違いますが、数年前あたりから山に行く機会が増えた人のなかに、今まで大丈夫だったのに今年から発症した、ということが増える可能性があるのです。

時期的、日常的な接触

ダニについても抗体の蓄積による発症のメカニズムは同様ですが、こちらのアレルゲンへの接触は、この時期、日常生活で気づかないうちに起こるものです。従って、発症の可能性や時期は予想がつきません。(あえていうなら、衣替えや押入れなどの整理の際に危険は増すといえますが。)

■対処

可能なら避ける。行くなら防ぐ。

何よりの対策は、アレルゲンとの接触を避けることです。花粉症の場合は、植物の多い場所へ行くのを避けるのがベストですが、行楽シーズンに完全に避けるというのは難しいこともあるでしょう。必要なのはできるだけ花粉を体内に入れないことですから、マスクやゴーグルを使うなど、できる工夫をする以外にありません。耳鼻咽喉科で症状を軽減する薬を処方してもらうのも手です。

換気・掃除機・空気清浄機

ダニの死骸については、室内の清掃が第一。少しだけ気をつけてまめに空気を入れ替え、掃除機を念入りにかけてハウスダストを極力取り去るだけでもかなり違います。また、最近は性能のいい空気清浄機が販売されていますので、こういった機器を利用するのも効果的でしょう。しかしアレルギー対策も考えるなら、手軽で安価なものよりも、少々高額でも高性能な機種を念入りに選ぶほうがよいようです。

サプリメント、食べ物・飲み物

「アレルギーによい」とうたっているサプリメントはいろいろありますが、きちんと自分が理屈を納得しているものを選びましょう。宣伝の言葉だけで試したあげく効かないからと投げ出してしまうのでは、時間も費用も、その間の自分の我慢もムダになります。体質によってはかえって体に悪いという可能性もあります。含まれる成分やなぜ効くとされているかを自分で把握するべきですし、そういった説明が十分でないものは避けるという選択も検討しましょう。

食べ物に関しては、抗アレルギーの効果が確認されているものを日常的に取り入れられれば、負担の少ない対策になります。
下記は強い抗アレルギー効果をもつルテオリン(※1)という物質を多く含み、日常で摂取しやすい食物の一例です。(※1.ルテオリン:体内で“ロイコトリエン”という炎症を引き起こす物質が作られるさいに、これを阻害する働きをもつ成分。)

シソ 、エゴマ(荏胡麻) 、春菊、ピーマン、ミント、ローズマリー、カモミール

あまり知られていないエゴマ

このうちエゴマは特に優秀で、同じシソ科でありながら普通のシソの100倍ものルテオリンを含みます。ふりかけや調理油など、使いやすい形態のものが市販されていますので、普段の食事での摂取もしやすいでしょう。

ハーブティー

ハーブとして一般的なミント、ローズマリー、カモミールも、成分としてルテオリンを含み、しかもある程度気分をコントロールする効用もあります。朝はミントティーで眠気をすっきりさせ、仕事中はハンカチにつけたローズマリーの香りで集中力を高め、寝る前のカモミールティーですんなり睡眠にはいる、などという工夫もできるのです。


アレルギーというのは発症するととても辛いものですし、その後ほぼ一生にわたって付き合って行く可能性の高いものです。可能な限り予防し、また万一発症してもうまく付き合って快適な生活を送るには、医師の協力のもと、自分自身の責任で工夫しなければなりません。

(2013.9.13.)


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