ドクターズガイド

濵岡建城 医師 (はまおかけんじ)

濵岡建城 (はまおかけんじ) 医師

医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院(京都府)
顧問 小児循環器・川崎病センター
センター長 京都府立医科大学名誉教授
同志社大学生命医科学部客員教授

専門

小児科学、小児循環器病、川崎病、血管生物学、小児冠循環・心筋代謝、カテーテルインターベンション(カテーテル治療)、小児スポーツ医学、心血管系の画像処理、画像診断

医師の紹介

濵岡建城医師は、川崎病の病因解明と血管障害の長期的動態を研究テーマとし「酸化ストレスと血管特異的biomakerの測定が乳児期の治療と成人期の管理に優れた指標となる」との見解をもつ。難治性川崎病の治療ガイドライン作成に携わるほか、2009年には日本川崎病学会会長に就任。「川崎病の病因解明と心血管後遺症ゼロに・・・」を合言葉に、臨床的および基礎的研究促進のための積極的な学術活動を展開する。さらに、小児スポーツ医学の第一線でも活躍しており、多数の講演をこなす。

診療内容

「医学・医療の進歩は、一般医療と専門的先進医療の両輪が相まって発展することによって支えられています。小児医療は成人領域以上に担当範囲が広く、近年、その細分化と専門化への需要は急速に進みつつあります」そう語るのは、同院で小児循環器・腎臓科部長を務める濵岡医師。同科では川崎病を含めた「小児循環器疾患」領域と「小児腎臓疾患」領域、さらに「小児集中医療」を対象とした診療を行っている。
「診療面では、小児循環器科とともに、心臓血管外科・麻酔科・集中治療部・看護部が一体化し、横のつながりを持って同時に治療にあたるという、大学の診療体制としては先駆的なスタイルをとっています。毎朝開かれるベッドサイド・カンファレンスや、毎週開催される合同カンファレンス・症例検討会では、一人ひとりの患者さんに対しそれぞれの見地から専門的で高度な意見が活発に交わされ、基本的な治療方針が決まっていきます。このような共同診療体制と小児専用の集中治療・周術管理施設の活用により、先天性心疾患の診療において世界的にもトップクラスの治療成績を挙げています」と自信をのぞかせる。同科には近畿圏はもちろん、全国、さらに海外からも患者が訪れるそうだ。  
「小児循環器疾患」とは、先天性心疾患・川崎病(虚血性心疾患)・不整脈・心筋疾患・膠原病・自律神経機能異常などをさす。なかでも、川崎病は感染免疫・血管炎・虚血性心疾患などの領域にわたる疾患で、独立して扱う必要があるため専門外来を設けて診療にあたる。ここは治療・管理ガイドライン作成を含め、全国の臨床研究の活動拠点ともなっているほか、小児の冠循環に関する研究では世界をリードしている。
治療では生活指導(食事・運動等)にも重きを置き、心電図・心臓超音波・血管エコーなどはもとより、血管機能検査や酸化ストレスなど血管障害関連因子の測定、などにより、川崎病血管炎後の動脈硬化性変化に対する検査も行うことで、患者の長期の予後の改善にも取り組んでいる。
「小児腎臓疾患」とは、腎炎・ネフローゼ・尿路奇形が中心。腎生検により治療方針を決定し、小児集中治療における透析から在宅腹膜透析までを管理している。
「小児集中治療(PICU)」では、周産期部門の新生児集中治療(NICU)との有機的な連携を重視。重症小児(特に循環器・呼吸器・腎不全関係)の内科的集中管理と、術前術後小児の管理と高度先進・救命医療の実践を行う。
濵岡医師および同科の実績は、診療実績や患者数だけにとどまらない。闘病中や病後の子どもやその親からは「激しいスポーツは禁止されているが、どの程度のスポーツなら可能なのか?」「手術後にどのようなスポーツから始めたらいいのか?」などの疑問や不安が多く寄せられることから2004年より小児スポーツ外来を開設。身体的な診察・運動時の心肺機能や代謝・筋力測定などの評価をもとに、各種のスポーツの特性に合わせた適切な運動の指導を行っている。さらに2010年からは府内5つの病院で撮像された新生児の心臓超音波画像を同科に送り、濵岡医師ら小児循環器・腎臓科の医師がリアル・タイムでデータを見て診断・助言を行える遠隔診断システムを導入。「今後は各地の診療所を含めてネットワーク網を広げていきたい」と、地域医療の向上を図る取り組みへの意欲を語る。
「専門性の高い小児循環器医の診療を要する小児例は全国で毎年3~5万人ずつ増え、成人年齢に達している患者数は約50万人と推定されています。さらには、毎年1万人以上の新たな川崎病患者の発生や、学校検診の充実による心筋症・不整脈患者の増加も見られています。専門医の需要がますます高くなっているにもかかわらず、それに応えられる専門医が極めて不足しているのが現状」と濵岡医師。
「日本初で唯一の小児循環器系専門医育成講座をもつ大学」である京都府立医科大学の教授を兼任する濵岡医師は「早急な専門医の育成」という教育者としての使命も背負っている。

診療を受けるには

小児循環器・川崎病の診察は完全予約制。成人期循環器・川崎病外来を開設。

医師のプロフィール

経歴
1976年 京都府立医科大学卒業、同大学小児科学教室入局
1978年 医療法人福井愛育病院小児科
1979年 京都府立医科大学大学院医学部研究科博士課程入学
1983年 福井心臓血圧センター福井循環器病院小児科
1986年 京都府立医科大学小児疾患研究施設内科部門助手
1994年 文部省在外研究員として米国セントルイス大学・英国ガイズ&セント トーマス病院へ留学
1999年 京都府立医科大学教授(小児疾患研究施設内科部門)
2003年 京都府立医科大学大学院医学研究科教授(発達循環病態学)
2016年3月 定年退職
2017年 宇治徳洲会病院小児循環器・川崎病センター長
所属学会・認定・資格

日本小児科学会専門医・代議員、日本循環器学会認定循環器専門医・元評議員、日本小児循環器学会指導医・元理事、日本Pediatric Interventional Cardiology研究会幹事、日本川崎病学会顧問・前会長、若年者心疾患対策協議会評議員・研究委員会委員、川崎病治療懇話会代表世話人、近畿川崎病研究会顧問・前運営委員長、日本体育協会公認スポーツドクター、日本医師会認定健康スポーツ医、日本医師会認定産業医、日本障がい者スポーツ協会認定障がい者スポーツ医など

予防に心がけたいこと

川崎病の場合、そのリスクを長期的に考え、生活習慣病の根源となる要素を早いうちから取り除く試みが必要。親も一緒になって、食生活や生活環境を見直す必要がある。
小児スポーツに関しては、生活環境の変化に伴って運動不足の子どもが増えている一方、激しいトレーニングによる運動過多も問題になっている。個々の子どもの成長や性格を考慮したうえで、成果や結果にこだわり過ぎず、多くの種類のスポーツを楽しみながらすることが大切。また、練習中の水分補給や適度な休養、心臓検診などのメディカルチェックも重要である。

費用のめやす

小児慢性特定疾患(血液疾患・心疾患・内分泌疾患・代謝異常疾患)、育成医療(心臓疾患・ヘルニア・停留睾丸、鎖肛などの病気で手術のために入院を必要とする児童)、特定疾患(国あるいは自治体が認めている難病)、乳児医療など――病気の内容によっては公費負担医療制度の適用を受けることができるため、主治医または医療相談係に相談を。