ドクターズガイド

清水徹男 医師 (しみずてつお)

清水徹男 (しみずてつお) 医師

秋田大学医学部附属病院(秋田県)8病院のクチコミ
精神科
科長 教授

専門

睡眠障害、不眠症

医師の紹介

2007年から2013年に至るまで日本睡眠学会で理事長を務める、睡眠医学・医療のエキスパートである。睡眠障害のなかでも、とりわけ不眠症の診療・治療を専門として、長年にわたり患者と向き合ってきた。不眠が引き金となって起こるうつ病や、糖尿病、高血圧症などの生活習慣病の治療についても詳しい。医学部精神科学講座科長としてのモットーは「若さ・対等・自由」。睡眠の「量」だけでなく「質」を加味し、その両面から現代人の睡眠環境改善の必要性を訴えている。

診療内容

「お父さん、眠れてる?」のセリフを覚えている人も多いだろう。これは2010年に内閣府が取り組んだ「睡眠キャンペーン」で使われたキャッチフレーズである。清水医師は当時、本キャンペーンに際して次のように語っている。「“お父さん、眠れてる?”の妙味は、家族の不眠への気づきを手がかりにして、眠れない中年男性をかかりつけの医師への受診につなげる点にあります」
清水医師は、中年男性に不眠のもたらす影響の一つに「うつ病」をあげる。典型的なうつ病の最も頻度の高い症状の一つが不眠であり、中年男性のうつ病では、食欲低下と同様に約9割の患者にみられる症状だからである。不眠と食欲低下、その他の体の不調がある中年男性の場合、身体の異常がない時にはうつ病が潜む可能性が極めて高いという。
うつ病特有の気分の落ち込みや、興味・関心の低下などは本人にも家族や周りの人にとっても気づきにくいが、不眠や食欲低下は気づきやすい。また、不眠はかかりつけ医に相談しやすい症状でもある。
中年男性では「たかが不眠」と、受診への抵抗感を抱く人が少なくない。そこで家族、とりわけ愛娘が父親の不眠に気づき、受診へと促すことは大きな効力を持つ訳だ。受診さえすればかかりつけ医が専門医と連携し、うつ病の発見・治療、ひいては自殺予防に結びつくという効果が発揮できるからである。うつ病の中でも、不眠が強いものほど自殺につながる危険性が高く、早期発見が要である。
清水医師は、睡眠障害はうつ病以外にも様々な問題を引き起こすと指摘する。健康な人であっても、睡眠不足に陥れば空腹感を高めるホルモンが増え、満腹感をもたらすホルモンが減ってしまうという。その結果、空腹感と食欲が亢進し、日常の睡眠時間が短い人には肥満が多く見られる。さらに糖尿病、高血圧などの生活習慣病になりやすいことも明らかになっている。また、睡眠不足は当然ながら精神面にも影響を及ぼす。集中力が低下するばかりではなく、良いことを忘れる一方、悪いことは覚えているなどネガテイブ思考に陥りやすくなるのである。
「眠れないくらいでは死ぬことはない、と言われることもありますが、それは睡眠を軽く受け止めすぎているのではないでしょうか。不眠が長く続けば心身両面の健康上、様々なリスクが高まるのです」と清水医師は語る。
現代病ともいえる不眠症「たかが睡眠」「眠れないくらいで」と侮らず、睡眠を犠牲にしないライフスタイルの大切さを強調する所以である。

診療を受けるには

精神科外来は月~金曜の8:30~10:30(10:30以降は予約した人のみ受診可能)。木曜の午前は睡眠覚醒リズム外来も開いている。

医師のプロフィール

経歴
1977年3月 大阪大学医学部卒業
1997年 秋田大学医学部精神科学教授、秋田大学大学院医学研究科医学専攻病態制御医学系精神科学講座教授
所属学会・認定・資格

日本睡眠学会理事、精神保健指定医、精神神経学会代議員・専門医・指導医、老年精神医学会認定医・指導医、臨床精神神経薬理学会評議員・指導医

予防に心がけたいこと

8時間睡眠にこだわらない、刺激物を避ける、就寝前は自分なりのリラックス法をもつ、眠くなってから床に就く、就床時刻が変わっても、毎日同じ時間に起床して生体リズムを整える、起床後は日光を取り入れる、規則正しい食事や運動習慣、昼寝は15時前の20~30分とする、眠りが浅い時こそ遅寝・早起きにする、睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意、十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医にかかる、睡眠薬代わりの寝酒は不眠の元となるので注意する、睡眠薬は医師の指示で正しく使う、などを心がけたい。睡眠の問題は周りの人も気づきやすいため、まずは「眠れてますか?」の一言を身近な人へ声かけすることが有効である。「たかが眠れないくらい」と思わず、疲れていても眠れない日が続くなら早めにかかりつけ医や専門機関へ相談されたい。

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