ドクターズガイド

正田純一 医師 (しょうだじゅんいち)

正田純一 (しょうだじゅんいち) 医師

筑波大学附属病院(茨城県)7病院のクチコミ
消化器内科外来、肝臓生活習慣病外来、健康増進・未病予防外来、つくばスポーツ医学・健康科学センター 健康増進部門担当
教授

専門

肝疾患、胆道疾患、膵疾患、スポーツ医学、生活習慣病学、非アルコール性脂肪性肝疾患、腫瘍生物学、糖鎖医学

医師の紹介

 脂肪肝には、運動による体重の減量が良いとされているが、高齢化により運動の難しい患者も増加してきた、正田純一医師は、2008年より共同研究しているパワープレート(3次元加速度トレーニングマシン)を活用したトレーニングを用いた実験で、肝脂肪化の改善に効果があるとする研究論文を発表。
 2016年筑波大学附属病院内に「つくばスポーツ医学・健康科学センター」を設置し、脂肪肝患者のための減量教室を開催。筑波大学体育系学部との連携で、肥満治療にスポーツ医学を取り入れ脂肪肝の治療・予防に関する運動療法プログラムを作成、筋肉を鍛えれば、肝臓の機能がアップし脂肪肝は確実に改善されていく。実践した患者さんの中には3カ月で20kgの減量に成功した人もいるとか。
生活習慣病による肝疾患の治療の中心に運動療法をおき、効果的な改善を図るためのプログラムを研究・開発し、医学的エビデンスにもとづいた治療を行なっている。

診療内容

 脂肪肝とは、飲み過ぎや食べ過ぎ・運動不足などにより、肝臓に中性脂肪やコレステロールが蓄積されフォアグラのような状態になったこと。進行すると、肝硬変や肝臓がんになる可能性もあり、さまざまな生活習慣病のリスクが高まることが明らかになってきた。
健康診断や人間ドックで脂肪肝と診断される人は、受診者の3割を占めると言う。脂肪肝と言うと、大量飲酒による「アルコール性脂肪肝」のイメージが強いのだが、最近ではお酒を飲まない人が脂肪肝となり、さらには肝硬変や肝がんになるケースも少なくないと言う。脂肪肝全体の半数以上がお酒を飲まない、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者で推定有病者数は1500~2000万人にも上る。NAFLDの主な原因は、メタボリックシンドローム、特に内臓肥満の蓄積だ。NAFLDをそのまま放置すると、約1~2割程の人に肝細胞の炎症が起こり線維化して、肝硬変や肝がんへと進行する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)となる。NASHになると5〜10年後には約3~4割程の人が肝硬変に進行すると言われている。将来的にはNASHから肝硬変や肝がんを発症する割合が増加していくと思われる。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われ自覚症状はほとんどないか、まれに倦怠感や右上腹部に不快感を覚える程度。身体がつらいと感じる自覚症状が現れたらNASHが進行し肝炎や肝硬変が発症している可能性も考えられる。定期健診や血液検査などで、肝機能の数値や血小板が少ないなどの異常が見つかった場合は、肝臓専門医による再検査を受けるようお勧めする。
最近の検査には、肝臓の硬さを評価する「エラストグラフィ」という新しい方法があり、痛みもなく服をめくり患部に当てて2分ほどで結果がわかる。何度も反復可能で、治療経過を追うこともでき2011年から保険適用となっている。まだ、導入している医療機関は少なく、大学病院や一部の肝臓専門施設に限られており事前に要確認しよう。

日常生活において、運動を含めた身体活動を行っていくことは、肥満、糖尿病、動脈硬化、脂肪肝などの生活習慣病や悪性腫瘍など多くの疾病を予防することができる。無理のない範囲で体を動かすよう心がけよう。

診療を受けるには

正田医師の外来は、月曜の午後、木曜、金曜の午前/午後は肝臓病相談を行っている。

累積症例数または患者数

正田医師が担当してきた消化器内科外来、肝臓生活習慣病外来、健康増進・未病予防外来に通院されてこられた累積患者数は約2,000人。

年間症例数

正田医師が担当している消化器内科外来、肝臓生活習慣病外来、健康増進・未病予防外来に通院している年間患者数は約400人。

医師のプロフィール

経歴
1982年3月 筑波大学 医学専門学群 卒業
1986年3月 筑波大学大学院医学研究科 医学研究科 生化学 修了
1986年4月~1988年12月 筑波大学附属病院 医員
1989年1月~1989年3月 東海村立東海病院 内科 医師
1989年12月~1990年1月 医療法人社団相川会相川内科病院 内科 医師
1990年2月~1992年5月 スウエーデン王立カロリンスカ医科学研究所 生理生化学部門 客員研
1992年6月~1992年7月 医療法人尽誠会宮本病院 内科 医師
2004年4月~2008年6月 筑波大学 大学院人間総合科学研究科(病態制御医学専攻) 講師
2009年7月~2012年6月 筑波大学 大学院人間総合科学研究科(スポーツ医学専攻) 教授
2012年7月 筑波大学大医学医療系 医療科学 教授
所属学会・認定・資格

日本内科学会認定医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本肝臓学会専門医・指導医、日本胆道学会専門医

日本内科学会、日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本胆道学会、日本体力医学会、日本臨床運動療法学会、日本リハビリテーション医学会、American Association for the Study of Liver Diseases、American Gastroenterological Association、European Association for the Study of the Liver、

受賞歴:国際肝臓病学会「SHEILA SHERLOCK PRIZE」、日本肝臓学会「HEPATOLOGY RESEARCH 賞」、富山大正アワード「肝臓フォーラム奨励賞」、臨床胆汁酸研究会「ウルソ賞」

主な著書(編集・共著含む)

『別冊「医学のあゆみ」疾病予防・健康増進のための分子スポーツ医学』(2013年 医歯薬出版) amazonでみる ⇒
胆汁酸とその分画 新・検査値のみかた/pp.218-219, 2015-10
生活習慣と胆道癌-胆管癌集団発症への対策も含めて Annual Review 消化器 2014, 2014
Epidemiology and Pathogenesis of Hepatocellular Carcinoma Hepatocellular Carcinoma, 2014
肝内胆管癌の新規バイオマーカー Hepatology Practice , 2014-05
原発性硬化性胆管炎 内科学書第8版 Vol.4 肝・胆道・膵疾患/pp.352-353, 2013
疾病予防・健康増進のための分子スポーツ医学 2013-06
胆管癌を標的とするハイブリッドペプチドによる新しいビオ療法の開発 一
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」平成24年度総括・分担研究報告書/pp.184-186, 2013-06
胆管癌を標的とするハイブリッドペプチドによる新しいビオ療法の開発 正田 純一
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」平成23年度総括・分担研究報告書/pp.185-186, 2012-06年
肝内胆管癌に対する分子標的治療-マルチターゲット阻害剤Sorafenibの有用性 正田 純一
加速度トレーニングを含む減量介入が肥満者の健康・体力に及ぼす影響 臨床スポーツ医学/pp.565-569, 2013-05年
肝疾患と分子スポーツ医学 分子スポーツ医学, 2013-06年
厚生労働省科学研究費事業 日本伝統医学テキスト 2012-03年
Gallbladder Cancer Pathogenesis and Molecular Targeting Strategies for Therapeutic Options.
Shoda Junichi
Horizons in Cancer Research/pp.1-24, 2012-01年
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」平成22年度総括・分担研究報告書/pp.167-169, 2011-06年
肝内胆管癌に対する分子標的治療-IL-4受容体標的サイトトキシンの有用性について 正田 純一
厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」平成21年度総括・分担研究報告書, 2010-06年
内科学書第7版 Vol.4 肝・胆道・膵疾患 中山書店 2008年
内科学書第7版 Vol.4 肝・胆道・膵疾患 中山書店 2008年
The Proceedings of Falk Symposium 139 Gallstones: Pathogenesis and Treatment, Paumgartner G, Keppler D, Leuschner U, Stiehl A, eds.
14.Shoda; J.; Tanaka; N.; Osuga; T.; +正田 純一
2005-02年 小児疾患と漢方
2005-03年 講義録 消化器病学,上西紀夫,菅野健太郎,田中雅夫,滝川 一編集 正田純一
2005-03年 内科レビュー2005 肝胆膵「胆道疾患」 
2005-04年 胆管系と自然免疫:生体防御と病態形成への関与 肝内結石症と胆汁中リン脂質異常 正田純一; 稲田洋一
2005-10年 動脈硬化疾患治療の新たなストラテジー フィブラートの肝臓における作用を探る,寺本民生編集 正田純一
2005-10年 消化器疾患 最新の治療 2005-2006,戸田剛太郎,菅野健太郎,上西紀夫編集 正田純一
2004-12年 消化器疾患診療実践ガイド「胆石症」
1986-03年 肝疾患における胆汁酸代謝異常に関する研究

予防に心がけたいこと

総カロリー、炭水化物,脂肪を抑えながら、生活活動量や有酸素運動を主体に運動量を増やし体重を減らすこと。たとえ十分に体重が減らなくとも、運動を継続することで脂肪肝は改善する。

費用のめやす

初診時にかかる費用は5,000~10,000円程度

発信メディア(ホームページ、ブログ、Twitter、facebook等)

注目の研究(体重が減らなくても運動で肝脂肪が減る):