ドクターズガイド

樋口和秀 医師 (ひぐちかずひで)

樋口和秀 (ひぐちかずひで) 医師

大阪医科大学附属病院(大阪府)
消化器内科(胃腸科)
教授 科長

専門

消化器疾患一般(胃潰瘍・十二指腸潰瘍)、逆流性食道炎の内視鏡治療、カプセル内視鏡

医師の紹介

樋口和秀医師は、日本で初めて逆流性食道炎の内視鏡治療を行い、2011年には遠隔操作できる「泳ぐ内視鏡カプセル」を開発し、人の胃と大腸の撮影に成功した。またヘリコバクターピロリ菌による胃・十二指腸潰瘍に対する除菌療法、あるいは原因不明の免疫異常によると思われる潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患についても、白血球除去療法や抗TNF-α抗体療法などの新しい治療法を積極的に導入している。さらに世界へ羽ばたくことを目標に掲げ、研究に邁進している。

診療内容

現在日本では、胃がんが【がん】死の第1位となっているが、生活の欧米化により大腸がんの死亡率が高まり、今や胃がんを抜く勢いとなっている。そういった状況の中、同院では消化器がんの早期発見、治療のため、内視鏡を使った最新の診断法や治療法を実施している。「泳ぐカプセル内視鏡」はその最先端をいく技術である。開発に関わった樋口医師は「これまでのカプセル内視鏡は体内に入った後の移動は消化管の蠕動運動(食べ物を運ぶ運動)に頼っていましたが、この自走式のカプセルは遠隔操作で動かせるので、検査に必要な領域の写真を正確に撮影することができます。患者さんの負担を減らせる上、がんの早期発見にもつながるでしょう」と説明する。
逆流性食道炎の治療にも内視鏡は活躍している。薬物療法は有効であるものの、半永久的に内服し続けなければならない。「そこで考え出されたのが内視鏡を使った治療で、縫合法、焼灼法、局注法の3種類があります。日本では縫合法、焼灼法が導入されており、手術に比べ、患者さんに傷をつけずにすみ、再治療も可能です。現在患者さんの50~70%は薬物療法から離脱できている。画期的なことです」と樋口医師は話す。
またピロリ菌陽性の胃潰瘍患者に対する治療については1週間のピロリ菌除菌療法だけで十分であると欧米ではコンセンサスが得られていた。しかし、日本人の胃潰瘍はそうではなく、樋口医師らの臨床成績から1週間の除菌だけでは治らないことが判明。除菌療法の後7~8週間プロトンポンプ阻害剤(酸を抑える潰瘍の薬)を投与する方法が理にかなっていることを証明した。「とくに1cm以上の潰瘍については除菌に何らかの治療をプラスすることが必要です」と言い、さまざまな療法を組み合わせ行っている。
また、近年カプセル内視鏡が臨床で使用できるようになり、小腸の疾患をスクリーニングすることが可能になった。これまで、暗黒大陸と言われていた小腸が内視鏡医の目で観察できるようになり、いろんな疾患が明らかになってきた。特に消炎鎮痛剤内服の患者やアスピリン内服の患者の小腸粘膜が傷害を受けていることが明らかになってきた。それらに関しても、いち早く対応策を練り、全国にその情報を発信している。
最近増加の一途をたどっている炎症性腸疾患、クローン病や潰瘍性大腸炎であるが、炎症性腸疾患治療チームを作り、それを専門に見る先生たちを育てている。地域の医療機関からは、難治性疾患が紹介されてくる。入院治療が必要な場合は、すぐに入院して軽快すれば、外来で維持療法を行っている。
当科の特徴は、胃腸内科、肝・胆・膵内科、化学療法センター、内視鏡センターがあり、検査~治療、良性疾患~悪性疾患、薬物治療、内視鏡治療、放射線治療、カテーテル治療などすべてができるようになっている。

診療を受けるには

樋口医師の診療は、木曜の午前、医療機関からの紹介であれば、連携室を通じて予約可能。できるだけ紹介状をもっての受診を希望。紹介状のない場合は保険外併用療養費が必要。予約がない場合は、約2時間待ち。初診受付午前8:30~午前11:00

累積症例数または患者数

消化器内科として、年間7~8千人の患者が外来診察に訪れている。入院患者数は、年間約1,500人。

年間症例数

樋口医師個人としては、年間延べ2,000人の患者を診察している。入院患者は、週1回同科に入院している患者を教授回診している。

医師のプロフィール

経歴
1982年 大阪市立大学医学部 卒業
1989年 大阪市立大学 助手
1998年 大阪市立大学 講師
2002年 大阪市立大学医学部助教授、内視鏡部助教授
2004年 米国カリフォルニア大学アーバイン校客員助教授
2006年 大阪市立大学医学部准教授、内視鏡部准教授
2007年 大阪医科大学第二内科教授
所属学会・認定・資格

消化器専門医、消化器内視鏡専門医。
日本内科学会理事、日本消化器内視鏡学会理事、日本消化器病学会執行評議員、日本
消化管学会理事、日本潰瘍学会理事長、日本カプセル内視鏡学会理事、
日本ヘリコバクタ―学会理事、米国消化器病学会国際会員、米国消化器内視鏡学会
フェロー、日本食道学会評議員、日本癌学会、日本癌治療学会

主な著書(編集・共著含む)

『炎症免疫応答とプロトンポンプインヒビター』(2009年 診断と治療社)

予防に心がけたいこと

バランスの良い食事、ストレスをうまく回避する工夫をする、適度な運動も重要。

費用のめやす

ほとんどが保険診療。薬剤や内視鏡により費用は異なる。臨床試験や高度先進医療は、別。