ドクターズガイド

椿 秀三千 医師 (つばきひでみち)

椿 秀三千 (つばきひでみち) 医師

大須診療所(愛知県)1病院のクチコミ
院長 甲状腺疾患専門外来

専門

甲状腺疾患、バセドウ病、橋本病、甲状腺腫瘍

医師の紹介

東海地区における甲状腺疾患治療のパイオニアである。東京都・伊藤病院の連携施設として大須診療所を開設して以来、電子カルテ、迅速検査システムなどの新しい取り組みを早くから導入し、成功させてきた。なかでも特筆すべきは、甲状腺分化がん摘出手術後のアブレーション治療やアイソトープ検査・治療など専門性の高い治療を提供している点である。東海地方に限らず、関西、北陸地方からも、バセドウ病や橋本病、甲状腺腫瘍に悩む多くの患者が椿医師の存在を知り受診に訪れている。

診療内容

甲状腺は喉ぼとけの下(気管の前)に位置し、血液中にホルモンを分泌して代謝を正常に保つという大切な役割を担う器官である。しかし甲状腺の病気は一般的に認知度が低く、なかなか発見しにくい特性をもつ。甲状腺の機能異常で甲状腺の働きが亢進すると、喉ぼとけの下が腫れる、眼球が突出する、安静時もドキドキする、手指が震える、汗が多く喉が渇く、食べているのに痩せる、イライラするなどの症状があり、甲状腺機能が低下すると寒がる、肌がカサつく、体がだるい、食欲がないのに太る、起床時に顔や手がむくむ、便秘しやすい、居眠りをする、脈がゆっくりになる、月経不順、首にしこりがある…等々、その症状は実に多岐にわたる。
甲状腺疾患の治療においては、東京都渋谷区の伊藤病院が日本有数の専門病院として有名である。伊藤病院で75年(2012年現在)にわたり培われてきた専門診療技術を役立て、その診療連携施設として誕生したのが同院である。同院では当初から待ち時間短縮のために電子カルテを導入し、優先予約制度を実施するなど患者の利便を図ってきたが、さらに開設7年目の移転を機に、検査・治療体制を大幅に強化した。アイソトープ設備の導入で、外来における診療範囲が大幅に広がった。
バセドウ病に対するアイソトープ治療を外来通院で行う点は同院の特徴の一つである。アイソトープの管理には特別な設備が必要であるため、使用できる施設は全国でも限られる。アイソトープは「放射性同位元素(ラジオアイソトープ:RI)」を指し、同院ではアイソトープの中でも主に「放射性ヨード」を使用している。甲状腺はヨードを原料にしてホルモンを作るが、放射性ヨードも普通のヨードと同様に取り込む性質がある。この性質を利用し、カプセルを服用して検査や治療を行うという。アイソトープ検査・治療には2日連続して通院する必要があり、副作用はないが、正確な診断や効果的な治療のため、事前に薬の変更・中止やヨードの摂取制限(食事制限)などが必要である。
アブレーションとは「焼灼」の意。甲状腺分化がん摘出手術後、放射性ヨードを用いる治療である。「移転に伴い、甲状腺がん手術後に行う外来アブレーションと呼ばれる治療も可能になりました。外来で可能な診療はほぼ網羅しています」と椿医師は語る。
さらに同院ではアイソトープ検査のほか、血液検査、超音波検査(エコー)、エコー下穿刺吸引細胞診検査、心電図検査、CT検査なども行っている。また、「迅速検査」(採血後ほぼ1時間で結果を出すもの)を導入しているため、甲状腺に関連する血液検査項目であれば受診当日のうちに治療方針を確立して、治療開始が可能である。午前の部9:30~11:30あるいは午後の部14:00~16:30に予約にて受付を済ませれば、当日の検査結果をもとに診察する。仕事の都合で受診回数を増やしたくない人や、遠くから通院する人も安心して治療を受けやすいというメリットがある。
最後に、今後の自らの取り組みについて椿医師はこう語る。「地域医療機関との関係をさらに深めつつ、甲状腺専門医療施設として、質の高い医療サービスを提供できるよう努力していきます」。東京・伊藤病院の専門診療技術に基づき、東海地区で患者一人ひとりに合った正確で優しい医療を実践すること―甲状腺疾患に悩む患者にとって心強い診療所と言えよう。

診療を受けるには

診療は10:00~13:00、15:00~18:00。優先予約システムあり。他院での検査結果や紹介状があれば持参のこと。医師の指名は可能。

年間症例数

年間外来患者はおよそ20,000人程度。手術件数は年間70例程。

医師のプロフィール

経歴
1981年3月 東邦大学医学部卒業
1985年 東邦大学外科系大学院、その後、東京女子医科大学内分泌外科、獨協医科大学越谷病院などを経て、
2006年 大須診療所院長
2011年7月 同院移転により設備面の大幅な拡充を図る
所属学会・認定・資格

日本甲状腺外科学会、日本外科学会、日本臨床外科学会

予防に心がけたいこと

バセドウ病で甲状腺の機能亢進状態が続いている間は、心臓にも負担がかかるため、ある程度の活動制限が必要である。しかし、治療によって甲状腺ホルモン濃度が正常になり、定期的な通院・検査を行っていれば普通の人と同じ生活でよい。スポーツや趣味、食事も普通に楽しめる(ヨード摂取も極端でなければ心配ない)。
橋本病では、甲状腺機能低下症が著しい場合は、回復するまである程度の安静を要する。甲状腺機能に異常のない人や、薬で甲状腺ホルモン濃度が正常になった人は、日常生活上の制限はない。しかし、橋本病の人が大量に昆布をとり続けると、甲状腺機能が低下して甲状腺が大きくなることがあるので注意したい。ヨードはある程度の量は誰でも必要だが、日本人の普段の食事では特にヨード不足を心配することはない。また、橋本病であっても甲状腺ホルモン薬により甲状腺ホルモン濃度が正常になっていれば、妊娠・出産・授乳も問題ない。