ドクターズガイド

梅村 敏 医師 (うめむらさとし)

梅村 敏 (うめむらさとし) 医師

労働者健康安全機構 横浜労災病院(神奈川県)
院長
横浜市立大学 名誉教授

専門

高血圧症

医師の紹介

元教授が日本高血圧学会を創設した横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学教室の教授として、梅村敏医師も2014年に横浜パシフィコで同学会を主催するなど高血圧診療・研究分野で活躍してきた。日本に約4,300万人いる高血圧症は優れた降圧薬により多くの患者ではコントロール可能となり、動脈硬化性疾患(脳卒中,心筋梗塞等)の抑制に貢献している。近年、全世界約26万人を対象とした国際共同研究の一員として高血圧に関与する遺伝子も解明。これらの成果も含め、重症高血圧の治療や、二次性高血圧の診断治療、24時間血圧測定などを用いた治療や教育入院も行っている。循環器・腎臓内科学教室の主任教授として同院循環器内科、同腎臓・高血圧内科、横浜市立大学市民医療総合医療センター心臓血管センター内科、同腎臓・高血圧内科が一体となって機能すべく運営に努力してきた。特に合併することが多い腎臓・心臓疾患も同時に診療する内科として、患者の立場に立った医療の実践をモットーとした。
2016年3月に定年退職後、現在は二次性高血圧診療で有名な横浜労災病院院長として勤務、また元日本高血圧学会理事長、現日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員長を務めている。

診療内容

梅村敏医師は、2016年3月まで横浜市立大学附属病院の腎臓・高血圧内科部長を務め、重症高血圧、二次性高血圧の診断・治療・研究に関しては全国でも有数であり、他病院からの紹介も多い。同年4月より横浜労災病院の病院長になる。

梅村医師も含む全世界の高血圧研究グループは、世界規模の研究で高血圧症に関与する遺伝子を解明した。一連の研究結果は、高血圧の病因解明と新たな治療方法・予防の可能性を大きく広げる可能性を示した。現在はこれらの結果を予防・治療を取り入れるべく検討を進めている。降圧薬は、二次性高血圧を鑑別後、臓器合併症の有無、併存疾患、24時間の血圧変動などを考慮し、最善の組み合わせを選択するものである。
上記のような深い専門性を有すると同時に、内科学全般から総合的に患者を診る姿勢も保たれている。
同内科学教室は、腎臓高血圧内科と血液浄化センターは一体となって運営されており、急性・慢性腎炎,ネフローゼ,糖尿病性腎症,膠原病性腎症,急性・慢性腎不全,維持透析合併症,動脈硬化性疾患等と対症疾患も多い。
県内に有する多数の協力施設からの難治性疾患や合併症を抱えた困難例の紹介も多く、同じ教室に属する循環器内科および病院内の関連各科や横浜市立大学附属市民総合医療センター腎臓・高血圧内科、血液浄化室、心血管センター内科などとも密接な連携のうえ、総合的視点で患者中心の医療を遂行するものである。

高血圧について 詳しくは【⇒ドクターズインタビューを読む⇒】

診療を受けるには

予約制、予約受付時間は、平日 8時15分~17時00分

年間症例数

腎臓高血圧内科の年間のべ外来患者は約15,000人。同入院患者数は約5,000人(横浜市立大学附属病院の腎臓・高血圧内科)

医師のプロフィール

経歴
1975年 横浜市立大学医学部 卒業
1977年 横浜市立大学医学部第2内科入局
1979年 横浜市立大学医学部生化学講座・助手
1982年 医学博士・テキサス大学内科・薬理学教室留学
1985年 横浜市立大学内科学第2内科・助手
1989年 米国クレイトン大学医学部高血圧研究所・助教授
1991年 横浜市立大学内科学第二講座・講師
1993年 横浜市立大学内科学第二講座・助教授
1998年 横浜市立大学内科学第二講座・教授
2003年 横浜市立大学大学院医学研究科病態制御内科学・教授
2008年 横浜市立大学医学部・医学部長
2010年 横浜市立大学附属病院・病院長
2012年 横浜市立大学学術院・医学群長
2016年4月 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院 院長
所属学会・認定・資格

【主な学会資格】…日本内科学会認定内科医・指導医、日本循環器学会認定循環器専門医、日本高血圧学会認定高血圧専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科(内科)専門医・指導医、日本腎臓学会認定専門医・指導医、日本老年医学会認定指導医
【元理事・評議員等】…International Fellow of the Council for High Blood Pressure of American Heart Association、日本内科学会、日本循環器学会、日本高血圧学会理事長(元)、日本心臓学会、日本内分泌学会、日本腎臓学会、日本脈管学会、日本心血管内分泌代謝学会、日本循環制御医学会、日本循環器心身医学会、日本心不全学会など

予防に心がけたいこと

高血圧症は、生活習慣病の代表的疾患であり、日本に約4,000万人存在し、50歳以上では二人に一人が高血圧症です。これを放置すると、心筋梗塞や脳卒中という本邦の死亡原因2位4位にかかわる動脈硬化が進行します。したがって、その予防と治療について知り「高血圧と上手に付き合う」ことは「元気で長生き」するためにもきわめて重要です。
高血圧のうち、約9割を占める本態性高血圧症は原因が不明です。成因には遺伝と環境因子の両者が関与すると考えられています。関与すると考えられている遺伝子の一つには塩分を身体に蓄えやすくし、血管を収縮しやすくする働きのものも考えられています。これは人類の約20万年の歴史の多くの部分がアフリカのサバンナという高温で塩分の少ない環境で過ごしたため、そこで血圧を維持するためにこの遺伝子が有利に働いていたためと考えられます。しかし、その後アフリカから出て、気温も低い地域に住み食塩も好きなだけ食べられる文明社会になると血圧は必要以上に上昇し、高血圧(140/90mmHg)が生じたという仮説も考えられています。これが高血圧の予防や治療において食塩の摂取制限が重要な理由とも考えられます。さらに、食塩とは逆に野菜・果物は血圧を下げる方向に作用します。また、運動不足や肥満、アルコール摂取過多、喫煙という昔にはなかったことも血圧上昇の原因となっています。さらに、生活習慣の改善だけでは血圧が正常化しない場合の降圧薬との上手な付き合い方も重要です。そのためにも家庭血圧計、体重計、歩数計も含めた“三種の神器”をうまく使うことも“元気で長生き”のために重要です。