ドクターズガイド

林田健一 医師 (はやしだけんいち)

林田健一 (はやしだけんいち) 医師

スリープ&ストレス クリニック(東京都)
院長 精神科

専門

睡眠医療(不眠症)、精神医学

医師の紹介

林田健一医師の臨床研究のテーマは睡眠時無呼吸症候群・不眠症・時差ぼけ・ナルコレプシーなど。慈恵医大附属病院や神経研究所附属代々木睡眠クリニックで睡眠障害の専門治療に幅広く取り組んだ後、同クリニックを開設。日々の診療に加え、公益財団法人神経研究所附属睡眠学センターでの研究活動、企業の産業医他、講演やメディアを通じて睡眠医療の啓発を精力的に行う。「恐ろしいのは、最近増えている自覚症状のない“かくれ不眠”と、不眠の症状の裏に隠れている病気」と警鐘を鳴らす。

診療内容

不眠症とひと口に言っても「入眠障害(寝付けない)」「中途覚醒(夜中によく目が覚める)」「早朝覚醒(朝早く起きてしまう)」「熟眠障害(ぐっすり眠れない)」といったさまざまなタイプがある。このような状態が週3回以上1ヵ月以上続き、そのため日中に苦痛を感じて、社会生活・職業機能が妨げられるなどの状態になって初めて「不眠症」という病名がつくそうだ。
「近年は、ストレスや生活の夜型化による不眠症状に悩む方が増えています」と、自身が院長を務める同クリニックで月に500人以上の不眠症患者を診る林田医師は語る。
病院名が示すとおり「睡眠」と「ストレス」に悩んでいる患者をより広い視野で総合的に診療できるところが同クリニックの特徴である。
治療は、睡眠衛生を整えた上で、必要に応じて投薬を行う。睡眠衛生とは「眠りにとって良い生活を送る」ことだ。「具体的には、夜に明るい光を浴びて仕事をしないこと。そうした夜に明るい光を浴びる生活をしていると、体内時計がどんどん遅くなって眠れなくなります。また、寝る前にカフェインやアルコールを飲まないよう心がける必要もあります。さらに、毎朝決まった時間に起きて朝日を浴びる。これも、体内時計を整えるのに欠かせないことです」(林田医師)
昼間に運動をしたり、日中にしっかり活動をすれば、夜には自然と疲れて眠くなるというわけだ。「昼夜のメリハリをつける。そうしたことを、人それぞれに合った方法で修正していくことが必要です」(林田医師)
ちなみに「アルコールはダメ」と知って、意外に思った方もいるかもしれない。林田医師も「寝つきに関しては良くなる」と一部だけその効果を認めた。
「ただし、寝ている間にアルコールは醒めてきます。酒が醒めると、目も覚めてきます。アルコールは一般的に4時間程度で分解されますので、寝る前にお酒を飲むと、夜中に目が覚めてしまうのです。また、お酒で寝ると睡眠の質が悪くなります。さらに“眠るためにお酒を”と頼ることで、酒量がだんだん増えて体を壊してしまう可能性があります。不眠時のお酒は“百害あって一利なし”なのです」(林田医師)
眠れないときには酒に頼らず、むしろ睡眠導入剤を服用することが適切なのだという。
「睡眠導入剤や睡眠薬というと“飲むのが怖い”“なるべくなら使わないほうが良い”と敬遠されがちですが、最近の睡眠導入剤は正しく服用すれば、体にとって悪いことはほとんどないと言って過言でありません」と林田医師
睡眠導入剤には
1)ベンゾジアゼピン系(従来使われてきた薬剤:レンドルミン、ハルシオン、サイレース、ロヒプノール、ベンザリン、デパスなど)
2)非ベンゾジアゼピン系(さらに副作用が少なく進化した薬剤):マイスリー、アモバン、ルネスタなど)
3)メラトニン受容体作動薬(睡眠リズムの修正作用あり):ロゼレム
の3種類がある。
全体的に睡眠導入剤の副作用が少なくなっているとはいえ、ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤はやめるとかえってリバウンドを起こす反跳性不眠になることも。その点、最近主流になりつつある非ベンゾジアゼピン系のものは、より自然睡眠に近い効果を得られる。
「薬剤の選択の際は、半減期をバロメーターにしています。具体的には、超短時間型といって、半減期が6時間未満まで短く、その中で副作用が少ないという薬剤から選んでいきます。『今使っている薬剤では朝まで効果が続かず、どうしても早く目覚めてしまう』という際には、少しずつ半減期の長い薬剤に変えていくというのが一般的な使い方、正しい使い方だといえます」(林田医師)
適切に1種類の睡眠導入剤を正しく使っていれば、まず心配はいらないという。
最後に林田医師に、診療のポリシーを聞いた「睡眠障害とストレスは切っても切れない関係にありますが、別々の科で診療されていることも多く、症状が重なっている場合には、どの科で治療を受ければよいのか迷うこともあります。そこで心療内科あるいは精神科の視点も含め、睡眠とストレスの両者を同時にマネジメントする姿勢で診療に取り組んでいます」

 

診療を受けるには

予約制(初診受付は平日17時まで)。林田医師は月曜、火曜、金曜を担当。

累積症例数または患者数

10,000名以上

年間症例数

1,000名以上

医師のプロフィール

経歴
1996年 東京慈恵会医科大学 卒業、東京慈恵会医科大学精神医学講座入局、東京慈恵会医科大学附属病院(本院)
2001年 東京慈恵会医科大学附属青戸病院
2003年 神経研究所附属代々木睡眠クリニック非常勤
2007年 スリープ&ストレス クリニック開設
2013年 医療法人社団SSC 理事長
所属学会・認定・資格

医学博士、日本睡眠学会評議員・認定医、精神保健指定医、日本医師会認定産業医、日本精神神経学会専門医

予防に心がけたいこと

質の良い眠りのためにするべきことは、1)朝日を浴びて体内時計をリセット。2)適度な運動。3)健康的な規則正しい食事。また、喫煙や寝酒、テレビやパソコンなど寝る前に強い光を浴びることなどは避けたい。
不眠症の自己診断としては「朝起きたときに疲れがとれない」または「夜中に何度も目が覚めている」または「ぐっすり眠れない」または「寝つきに時間がかかる」というような症状に加え「昼間元気に過ごせているか」「体調は良いか」「血圧や血糖は変わっていないか」などをバロメーターとするとよい。

費用のめやす

保険診療の場合、初診約2,500円、再診約1,400円

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