ドクターズガイド

村上信五 医師 (むらかみしんご)

村上信五 (むらかみしんご) 医師

名古屋市立東部医療センター(愛知県)
病院長 耳鼻咽喉科

専門

顔面神経麻痺の基礎と臨床,聴神経腫瘍に対する手術治療,頭蓋底外科,耳科手術全般

医師の紹介

村上信五医師は、真珠腫性中耳炎、耳管機能障害、顔面神経麻痺、聴神経腫瘍などのスペシャリストとして、これらの疾患の診断・治療を行うほか、名古屋市立東部医療センターの病院長も務めている。真珠腫性中耳炎は鼓室形成術を中心に聴力改善に努めている。顔面神経麻痺は薬物治療と重症例に対しては顔面神経減荷術を行っており、聴神経腫瘍は脳神経外科や放射線科と連携して、聴力や顔面神経機能を保存する手術に力を入れ、国内有数の実績を誇っている。そのため、全国から多くの紹介患者が来院する。

診療内容

村上医師の専門分野は真珠腫性中耳炎、耳管機能障害、顔面神経麻痺、聴神経腫瘍などであり、同科では、これらの疾患に対して専門外来を設けている。
難治性の慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎に対しては、手術治療を専門に実施。同科の手術の術式の特徴は外耳道を保存する鼓室形成術で、正常の外耳道を残すことにより聴力の改善や術後のケアが容易となる。年間の手術件数は約110件。鼓膜にあなが空く単純穿孔性中耳炎には数日の短期入院治療を行っている。
耳管機能障害は閉鎖症と開放症があり、開放症は一般診療では見逃されやすく治療も難しい疾患である。耳がポーンとする、自分の声が大きく反響する、自分の呼吸している音が気になるなどの症状があり、妊娠中の女性や急に体重が減少した場合などにみられることが多い。同科では、最新の診断機器を整備するとともに、鼓膜にテープを貼る簡易治療法を独自に開発して好成績を得ている。難治性開放症に対する鼓膜や耳管に対する手術治療も積極的に行っている。
顔面の動きが悪くなる顔面神経麻痺に対しては、急性麻痺から1年以上経過した陳旧例まですべての麻痺を治療。急性麻痺には、抗ウィルス薬やステロイドを使用した2週間以内の薬物治療を行い、電気生理学的検査にて早期に予後を診断し、重症で手術治療が必要な症例には減荷手術を施行している。また、完治せず後遺症の残った症例には顔面の形成手術を施行。顔面痙攣などの異常顔面運動に対してもボトックスなどの治療を行う。年間患者数は約100例。
聴神経腫瘍は内耳と脳の間に存在する神経に発生する腫瘍で、めまい、ふらつき、難聴、耳鳴などの症状を伴う。MRIの普及で早期診断される場合が増えており、手術治療、放射線治療が行われている。小さな腫瘍で聴力の良好な患者には、術中モニタリング装置を使用して、聴力と顔面神経の機能保存手術を施行。年間手術件数は20~30件で、これまでに250例を越える手術実績があり、術後成績も顔面神経の保存率は95%、聴力保存率は70%という全国屈指の成績をあげている。

診療を受けるには

村上医師の診察:木曜の午前(要予約)。待ち時間約30分、手術待ち2~4ヵ月(疾患によ
る)

累積症例数または患者数

慢性中耳炎手術350件、真珠腫性中耳炎手術650件、顔面神経減荷術120件、顔面形成術180件、顔面神経麻痺患者外来受診者1,100名、聴神経腫瘍外来受診者550名(手術施行例は270件、残りの280名は、MRIと聴力検査を定期的に行い腫瘍の大きさや聴力の変化を経過観察している。聴神経腫瘍は良性であることから、手術や放射線治療を行うのは治療が必要な全症例のうちの約4割で、すべての症例に必要なわけではない)。

年間症例数

年間手術件数:慢性中耳炎40件、真珠腫性中耳炎60件、顔面神経麻痺減荷術15件、顔面形成術20件、聴神経腫瘍20件。

医師のプロフィール

経歴
1980年3月 愛媛大学医学部 卒業
1980年6月 愛媛大学医学部附属病院
1980年12月 愛媛県立中央病院
1981年10月 愛媛大学医学部教員
1983年2月 積善会附属十全総合病院
1987年10月 愛媛県立中央病院
1988年4月 愛媛大学博士号(医学)取得
1989年6月 米国スタンフォード大学研究員
1991年4月 愛媛大学医学部教員
1998年10月 名古屋市立大学医学部教授
2002年4月 名古屋市立大学大学院医学研究科教授
2012年6月 名古屋市立大学学長補佐(兼任)
2014年4月 名古屋市立大学病院 副病院長
2018年4月 名古屋市立東部医療センター病院 病院長
所属学会・認定・資格

日本耳鼻咽喉科学会 副理事長、日本耳科学会 理事長、日本頭蓋底外科学会 理事、日本口腔咽頭科学会 理事、日本顔面神経研究会 監事、日本めまい平衡医学会 評議員、日本聴覚医学会、日本鼻科学会、耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会、耳鼻咽喉科臨床学会、日本頭頸部癌学会

費用のめやす

慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎、顔面神経減荷術、聴神経腫瘍のいずれの手術にも保険が適用される。手術料、入院料は、3割負担者で合わせて25万円から50万円だが、高額医療で還付されるため、実際の支払費用は高額所得者で25万円弱、低所得社で10万円程度になる。