ドクターズガイド

杉山 徹 医師 (すぎやまとおる)

杉山 徹 (すぎやまとおる) 医師

岩手医科大学附属病院(岩手県)12病院のクチコミ
産婦人科
主任教授、診療科部長

専門

婦人科腫瘍(婦人科がん)、中高年医療、婦人科腫瘍手術、化学療法

医師の紹介

杉山徹医師は女性の一生を通じた医療を提供する産婦人科を率いる。婦人科がんに関しては、関係機関と協力した化学療法を実施し、新しい薬剤を導入するなど最先端の治療を行っている。中でも杉山医師の卵巣がん治療には定評がある。自身も肺がんを患った体験から、患者にやさしく接することを心がけ、患者が参加する医療、患者中心の医療を提唱している。産科においては、最新の超音波断層装置を用いた検査を行い、MFICU(岩手県総合周産期母子医療センター)と連携して治療を行っている。

診療内容

主な婦人科がんは子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんであり、稀に外陰がん、膣がんがある。
「子宮頸がんの症状としては不正出血がみられ、岩手県の場合30~39歳の患者さんが一番多い。ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが発症の原因と考えられていますが、ウイルス自体には性交渉の経験がある9割の女性が感染しています。そのうち約5%で持続感染がおこり、発症につながります。このように性交渉によって感染するため、近年は発症が若年化しています。約70%は予防できますので性交渉開始前の予防ワクチン接種が重要です」と杉山医師は話す。「細胞診を用いた集団検診で早期に発見することが可能です。HPV検査も可能になりつつあります」。治療法としては、まず手術が行われる。
「進行度が0期であれば、子宮を温存する円錐切除を行います。これは15分程度の手術で100%治癒が可能で、術後の妊娠も可能です。Ib1~IIb期になると、広汎子宮全摘出術で対応します。排尿障害などQOLの低下が起こる可能性があり、その意味からも若いときからの定期的な検診による早期発見をお薦めします」と杉山医師は言う。術後は抗がん薬を使用するのが一般的である。 
子宮体がんの多くは閉経後に発症する。「ライフスタイルが変化し、エストロゲンという女性ホルモンにさらされている期間が長くなったことも発症要因のひとつになり、近年増加の傾向にあります。閉経後に性器出血があったら、ぜひ検査を行ってください」。初回治療としては手術を行い、術後化学療法(抗がん薬)、放射線療法を行う。
卵巣がんは早期にはほとんど自覚症状がなく、発見されたとき、その7割はすでに転移の認められる進行がんである。「治療方法は、手術と化学療法を組み合わせて行うのが一般的です」と杉山医師。「基本の手術は子宮全摘術+両側付属器(卵巣、卵管)切除術+大網(大腸、小腸を覆っている脂肪組織)切除術と、リンパ節郭清術です。手術を行うことで、術前に推定された診断を確定し、進行期を見極めます。早期がんではこの進行期や病理組織像によって術後療法を行うかどうかが決められ、転移が認められた進行がんではさらに腫瘍減量術が行われます」。腫瘍減量術では腹腔内の原発巣(最初にがんが起こった部分)・播腫巣(転移した先のがん)を取り除くことをめざす。「術後化学療法はⅠC期以上の患者さんに行われます。また、卵巣がんには抗がん薬が比較的よく効くため、術前に抗がん薬治療を行い、がんを小さくしてから手術を行う術前化学療法が行われることも多くなってきました」。同科では新しい有効な薬剤(治験薬)も積極的に導入し、効果を上げている。再発子宮頸がんと卵巣がんでは日本で唯一、ペプチド治療ワクチンを受けることができる。

診療を受けるには

杉山医師の診療は水曜の午前。紹介状不要(他院から紹介の場合は必要)。在院時は水曜以外でも予約可能。待ち時間は変動があるが、極力1時間以内になるよう努力している。

年間症例数

【2013年度】
新規、再発、合計350例。
新規症例:196例(子宮頸がん66例、子宮体がん61例、卵巣がん62例、その他7例)

医師のプロフィール

経歴
1978年3月 久留米大学医学部 卒業
1982年3月 久留米大学大学院医学研究科博士課程修了 国立小倉病院、国立久留米病院、唐津赤十字病院、聖マリア病院、宮崎県立日南病院にて勤務
1987年3月 久留米大学医学部助手
1990年4月 久留米大学医学部講師 久留米大学医学部産婦人科学講座医局長
1998年10月 久留米大学医学部助教授
2002年6月 岩手医科大学医学部産婦人科学講座主任教授
所属学会・認定・資格

母体保護法指定医、がん治療認定医、日本産婦人科学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医、日本臨床細胞学会専門医
American Society of Clinical Oncology(ASCO)、 International College of Surgion (Fellow)、International Gynecologic Cancer Society(IGCS)
日本産科婦人科学会(代議員)、日本婦人科腫瘍学会(常務理事)、日本癌治療学会(理事・2008年会長、現在副理事長)、日本癌学会(~2010年評議員)、日本産婦人科手術学会(理事)、日本婦人科がん検診学会(理事)、日本母性衛生学会(評議員)、日本臨床腫瘍学会(評議員)、日本東洋医学会

予防に心がけたいこと

・子宮頸がんは、性交渉開始前に予防ワクチンを受けて(11歳~14歳が目安)検診を定期的にする。
・子宮体がん・卵巣がんは、太らないこと・子供を複数つくること。また、家系に大腸がん、乳がんがある場合は注意すること。
・閉経後の不正出血があれば子宮体がんのチェックを受ける。

費用のめやす

保険診療が原則