杉原健一医師は、日本の大腸がんの診断・治療の第一人者。会長を務める大腸癌研究会では、「大腸癌治療ガイドライン」の作成を中心となって行い、国内の大腸がん治療のオピニオンリーダー的存在でもある。大学卒業後、消化器外科の一般的なトレーニングを積み、その後、国立がんセンターで8年間、本格的に大腸がん手術の経験を積む。特に直腸がんや大腸がんの肝転移についての治療法や手術法などを研究し、豊富な実績を持つ。25年以上にわたって、大腸がんの研究・治療に携わり、患者の症状に応じた最適な治療法を提供できる体制をとっている。
杉原医師は長を務める、大腸・肛門外科では腹腔鏡手術を含む大腸がん手術を年間約180件以上施行。世界的にもトップレベルの手術技術で治療を行い、その治療成績も高い。※リンパ節郭清(かくせい)する場合、解剖学的剥離層で行うことがたいへん重要。出血もなく、神経を傷つけることもない、解剖学的剥離層を剥離する手術はがんセンター時代から行ってきた。直腸がん手術では、性・排尿・排便機能を温存する手術に高い評価を得ている。また、痛みの少ない腹腔鏡手術も積極的に行っている。抗がん剤治療の専門スタッフも備わり、がんの進行度やそれぞれの患者の病状に応じた過不足のない治療を行う体制をとっている。
「今、力を入れているのはガイドラインを充実させて、大腸がんの患者さんが日本中どこに行っても同じ治療が受けられるようにすることです。そのために、キャンペーンをはっています。あと、現在、抗がん剤治療(化学療法)が非常に進んでいます。どの抗がん剤療法がいいかという臨床試験をやりながら、適切な抗がん剤治療の使い方にも取り組んでいます」(杉原医師)
同科は、肝臓や肺に転移がある進行した患者の紹介が多い。術前診断から内視鏡治療、手術、抗がん剤治療まで、大腸がん診療のすべてを担当。特に、手術と抗がん剤治療をいかに組み合わせるかということに重きをおいて、進行した例にも対応し、治療方針でリーダーシップをとっている。創が小さく痛みも少ない腹腔鏡手術の経験も豊富で、早期大腸がんや良性大腸ポリープの内視鏡治療も数多く行っている。低侵襲センターでは主に大腸がんと胃がんの腹腔鏡手術を多数行っている。その他、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)、家族性大腸腺腫症などのさまざまな大腸疾患の外科治療や救急医療にも積極的に取り組んでいる。
※リンパ節郭清(りんぱせつかくせい)とは、悪性腫瘍のリンパ節転移に対する処置としてリンパ節を切除する外科的治療法。
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杉原医師の診察を希望する場合は、予約時に伝える。
月曜、水曜、木曜、金曜:光仁会 第一病院。 火曜:東京医科歯科大学。
診療科での年間手術症例数約300例(うち大腸がん手術数約180例)
日本外科学会理事、日本消化器外科学会前理事長、大腸癌研究会会長
とにかく定期的に大腸がん検診を受けること。早い段階で見つけて、内視鏡でとってしまえば、それで治るのですから。心がけておくこととしては、生活習慣の見直しです。一般的にいわれる、太りすぎないとか、バランスのよい食事をとるとか、適切な運動するというように、しっかりとした体調を管理しておくことが何よりも大切です。
魅せ技: http://www.drstyle.tv/crc/
がんナビ(大腸がんを生きるガイド監修): http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/cancernavi/daicho/