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木村健二郎 医師 (きむらけんじろう)

木村健二郎 (きむらけんじろう) 医師

独立行政法人地域医療機能推進機構 東京高輪病院(東京都)
院長 内科(腎臓)

専門

腎臓病全般、高血圧

医師の紹介

2001年より聖マリアンナ医科大学教授。在任中、関係科が協力して腎臓病センターを設立。センター長を務めた。腎疾患の発症から末期腎不全に至るまで、それぞれの段階で、個々の患者に最適な治療を選択してきた。末期腎不全の患者には、腎代替療法として血液透析、腹膜透析あるいは腎移植のなかから最適な治療方法を選択して提供。透析施設では、血液透析をはじめとするあらゆる血液浄化療法に対応している。腹膜透析を行っている患者のための腹膜透析外来も設置。最近では家庭血液透析にも力を入れてきた。2014年9月より独立行政法人 地域医療機能推進機構東京高輪病院院長に就任。

診療内容

腎機能が慢性的に低下したり、腎臓が慢性的に障害されたりする慢性腎臓病は、近年増加しているという。日本には慢性腎臓病の患者が1,300万人いると推定されている。この疾患は、慢性腎炎などの腎臓疾患や生活習慣病が原因となり、放置すると腎不全に至るだけでなく、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患を発症する危険が大きい。そのため、早期発見、早期治療がカギとなる。木村医師は「慢性腎臓病は重症になるまで自覚症状がないため、早期発見には尿たんぱく検査と血清クレアチニン検査を定期的に受けることが大切です」と話す。この2検査のどちらか、または両方の異常が3ヵ月以上続くと、慢性腎臓病と診断される。またこの疾患は、高血圧・糖尿病・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病や肥満、喫煙習慣のある人、同疾患の既往歴を持つ家族がいる人に起こりやすい。「慢性腎臓病で腎機能が低下すると、元の状態に戻すことは困難。従って、早い段階で治療を開始し、腎機能の低下を抑えることが必要になります」(木村医師)
慢性腎臓病の基本治療は、糖尿病患者の場合、血糖値を適正にコントロールするために、食事療法や運動療法とともに必要であれば薬物療法を行う。高血圧の場合、適正な値にまで血圧を下げる治療を実施。降圧薬には、腎臓を保護する作用もあるARB、ACE阻害薬あるいはカルシウム拮抗薬を使用し、効果が十分でない場合は他の降圧薬を併用する。木村医師は「これらの治療と並行して、生活習慣の改善も行います。特に食塩やたんぱく質の制限を行う食事療法が重要となり、適度な運動や禁煙も行うことが必要です」と説明する。また、慢性腎臓病が進行すると腎不全に至り、腎代替治療である透析治療や腎臓移植が必要になるという。東京高輪病院には腎臓内科があり、あらゆる腎疾患の診断と治療に対応している。腎代替療法では血液透析と腹膜透析に対応している。

診療を受けるには

木村医師の診察:水曜の午前。原則として紹介状必要。

累積症例数または患者数

外来患者約10万人(東京大学病院、聖マリアンナ医科大学病院)

年間症例数

外来患者2,000人~2,500人(聖マリアンナ医科大学病院)

医師のプロフィール

経歴
1974年3月 東京大学医学部卒業、東京大学医学部附属病院研修医
1977年4月 独協医科大学循環器内科助手
1978年2月 東京大学医学部第二内科医員(腎・高血圧研究班所属)
1981年8月 デンマーク・コペンハーゲン大学医学部病理学研究所留学
1985年4月 東京大学医学部附属病院第二内科助手
1994年8月 東京大学医学部附属病院第二内科講師
1997年4月 東京大学大学院医学系研究科・腎臓内科学講師
1998年8月 東京大学医学部附属病院治験管理センター副センター長
2001年4月 聖マリアンナ医科大学教授、腎臓・高血圧内科部長
2003年8月 聖マリアンナ医科大学病院腎臓病センター長(併任)
2014年9月 独立行政法人 地域医療機能推進機構東京高輪病院 院長に就任
所属学会・認定・資格

日本内科学会認定医・指導医・総合内科専門医・功労会員、日本腎臓学会専門医・指導医・功労会員、日本高血圧学会認定指導医・高血圧専門医・功労会員、日本臨床薬理学会指導医、アメリカ腎臓学会、国際腎臓学会

主な著書(編集・共著含む)

『献立らくらく 無理なく続ける 腎臓病の食事』(2016年NHK出版)amazonでみる⇒
『専門医が教える 慢性腎臓病でも長生きする方法 (幻冬舎単行本)』(2016年 幻冬舎)amazonでみる⇒
『病理からアプローチする 腎移植マネジメント』(2015年メジカルビュー社/監修)amazonでみる⇒
『臨床医のための腎移植ポケットマニュアル』(2014年 東京医学社/監修)amazonでみる⇒
『NHKここが聞きたい! 名医にQ 腎臓病のベストアンサー: 病気丸わかりQ&Aシリーズ(9) (主婦と生活生活シリーズ 病気まるわかりQ&Aシリーズ 9)』(2013年 主婦と生活社/分担)amazonでみる⇒
『血液浄化療法に強くなる?やさしくわかる急性期の腎代替療法・アフェレシスの基本から、ケースで学ぶ状況・疾患別の実践的対応まで』(2013年 羊土社/監修)amazonでみる⇒
『PDハンドブック』(2012年 東京医学社/翻訳)amazonでみる⇒
『ガイドライン/ガイダンスCKD』(2011年 日本医事新報社/編集)amazonでみる⇒
『薬剤性腎障害ケーススタディ』(2010年 南江堂/編集)amazonでみる⇒
『WM腎臓内科コンサルタント』(2006年メディカル・サイエンス・インターナショナル/翻訳)amazonでみる⇒ 
『講義録 腎臓学』(2004年メジカルビュー社/編集)amazonでみる⇒
『腎生検から学ぶ腎臓病学』(診断と治療社/編著)
『腎疾患の早期発見とその対策』(2004年メジカルビュー社/編集)amazonでみる⇒
『腎生検から学ぶ腎臓病学学』(2002年 診断と治療社; 増補版)amazonでみる⇒
ほか

予防に心がけたいこと

慢性腎臓病の予防では、生活習慣の改善が最も大切になる。肥満の人は、適正な体重を維持するために、適正なエネルギー摂取を心がけ、1日30分以上の有酸素運動(早足で歩くなど)を行うこと。また、高血圧の人は、食塩摂取を1日6g未満にすることが重要。アルコールは1日日本酒にして1合程度にしておくこと。その他、糖尿病、脂質異常症、メタボリックシンドローム、高尿酸血症なども慢性腎臓病の危険因子であるため、これらに対する治療も大切になる。運動や食事療法は重要だが、必要に応じて薬物療法が必要になるので、医師から処方された治療に必要な薬はしっかりと服用するように。

費用のめやす

慢性腎臓病治療の費用は個人個人で大幅に異なるので、目安というものは出せないが、1週間の教育入院(治療は行わない)というプログラムがあり、この費用は3割負担で9~10万円。この教育入院は、決まったスケジュールで検査を行い、情報を提供していくものである(聖マリアンナ医科大学病院の場合)。