ドクターズガイド

木下真幸子 医師 (きのしたまさこ)

木下真幸子 (きのしたまさこ) 医師

国立病院機構 宇多野病院(京都府)
神経内科(発作科)
医長

専門

てんかん学、神経内科学、臨床神経生理学

医師の紹介

木下真幸子医師がてんかんの治療に深く関わるきっかけとなったのは、発作がありながらも自分のできることをやろうと一生懸命努力する患者の姿を見て、少しでもサポートしたいと思ったからだという。以後、十数年にわたり、てんかんや脳波分野の研究を重ね、てんかん治療に貢献してきた。てんかんの患者は、家族とともに受診することが多いが、木下医師の温かな雰囲気によって、緊張することなく細やかに症状を話すことも多いという。
「てんかんを診断する上で最も重要なのは、発作症状を適切に把握することです」(木下医師)
患者は発作症状を疾患だと思っていないことも多いため、訴えを丁寧に聞くことに加え、関連する項目を能動的に確認することが必要になるという。現在では年間に600人以上の患者が診察に訪れる。木下医師は、限られた時間の中でどれだけコミュニケーションを深めることができるのかを工夫し、的確な診断をくだしている。同時に、将来的な見通しを正しく伝え、納得のいく治療方法を選択するという診療を行っている。また、講演等も精力的に行い、てんかんのさらなる周知を目指したいという。「一人ひとりの患者さんの生き方と、きちんと向き合っていきたいと思います」(木下医師)

診療内容

てんかん発作が長時間続いたり、何度も繰り返すと、次第に発作がおさまりにくくなってしまう。発作が強い場合には命の危険にさらされ、発作で意識がなくなると転倒・転落などの事故を引き起こす。このようなことから、てんかんにおいては、発作を起こさないように予防することが大切だといえる。特に高齢者のてんかんでは、基礎疾患の検索も重要である。
治療は薬物療法が中心。副作用で日常生活に支障が出る場合は、服薬時刻や投薬内容の調節を行っている。さらに日常生活上の注意(十分な睡眠やストレスをためない等)の説明も行い、病院と家庭の双方が協力しながらてんかん発作とうまく付き合うための相談も行っている。同センターでは、てんかん発作およびその周辺症状に関する総合的な診断と治療を行う。外来では、詳しい検査(脳波・MRIなどの画像診断・薬物血中濃度測定など)を行い、その結果によって最も良い治療方法を選択。場合によっては長時間ビデオ脳波モニターを中心とする検査入院や、薬物調整目的の入院も行い、作業療法・心理療法も併用している。部分てんかんのうち、薬物治療を十分行っても発作が治まらないケースについては、手術を考える場合があるが、どのくらい改善するか・後遺症が出うるかには、焦点(脳のどこから発作活動が始まっているか)の場所が大きく関係する。また手術をしても、薬と付き合わなくてはならないケースは多い。
「患者さんがより安定した社会生活を送れるように、最善の方策を考えた治療を提供しています」(木下医師)

診療を受けるには

初診予約制。紹介状、検査結果(血液検査、脳波等)を持参。妊娠中・出生時の状況なども参考になるため母子手帳等も持参。初診専用予約枠は火曜の午前。

年間症例数

年間患者数 800例以上

医師のプロフィール

経歴
1996年3月 京都大学医学部 卒業
2005年3月 京都大学大学院医学研究科博士課程卒業
2005年4月 京都大学大学院医学研究科臨床神経学(神経内科)医員
2007年4月 独立行政法人国立病院機構宇多野病院神経内科(発作科)医師
2011年4月 現職
所属学会・認定・資格

【所属学会】…日本神経学会、日本内科学会、日本てんかん学会、日本臨床神経生理学会、日本神経治療学会、日本神経科学学会、日本芸術療法学会、American Epilepsy Society

【学会資格】…日本神経学会専門医・指導医、日本内科学会認定医、日本てんかん学会専門医・指導医、日本臨床神経生理学会専門医・指導医(脳波分野)

主な著書(編集・共著含む)

Geriatric Medicine (老年医学)56/3 薬剤関連てんかん発作:予防と対処法(2018年3月号ライフ・サイエンス)
脳神経外科速報【いまさら聞けない 速解! 脳波判読トレーニング】 全般発作の患者の脳波検査はどのモンタージュを選択するか?(2017年メディカ出版)
Clinical Neuroscience(クリニカルニューロサイエンス) 2017年7月号(2017年07月01日発売)中外医学社
『てんかん学用語事典 改訂第2版』(2017年 診断と治療社)amazonでみる⇒
『神経内科85/4』長時間ビデオ脳波モニタリングの有用性とpitfalls(2016年10月号 科学評論社)
『ここが知りたい!臨床神経生理』(2016年 中外医学社)amazonでみる⇒
『てんかん外来 (神経内科外来シリーズ 4)』(2016年メジカルビュー社)amazonでみる⇒
『最新医学 妊娠可能年齢の女性におけるてんかん診療戦略』(2015年)
『臨床てんかん学』(2015年 医学書院)amazonでみる⇒
『症例から学ぶ戦略的てんかん診断・治療』(2014年 南山堂)amazonでみる⇒
『治療 特集「てんかんの診療と連携」』(2012年)
『てんかんテキスト New Version (アクチュアル 脳・神経疾患の臨床) 』(2012年 中山書店)amazonでみる⇒
『BRAIN and NERVE てんかんに対する電気生理学的アプローチの新知見』(2011年)
『最新医学 パーキンソン病-最近の進歩 - 運動症候の病態生理』(2010年)
『医学のあゆみ 最新・てんかんUpdate』(2010年)
『臨床脳波 治療介入的神経生理学的手法 (interventional neurophysiology) と神経ネットワーク』(2009年)
『Brain Nursing てんかん、けいれん発作発症後のケア』(2009年)
『Pharma Medica てんかんの最新情報 新たな生理学的診断と治療』(2008年)
『てんかん研究 2001年国際てんかん診断大要案と2006年提言の有用性の検討』(2008年)
『CLINICAL NEUROSCIENCE てんかん発作の磁気刺激治療』(2008年)
等多数

予防に心がけたいこと

規則正しい生活を続けることがもっとも大切。睡眠不足や過労は発作を誘発する。また、いくら睡眠時間が十分でも、生活リズムがくるってしまうと睡眠の質が悪くなり、服薬時刻がずれて効果が得られなくなってしまい、発作が起こりやすくなる。起床・就寝時刻を決め、日中適度な運動も大切。日常生活の中で、危険な場所(ホームの端、駅の階段、浴槽など)を考え意識しておくこと。なかでも入浴中の事故は多い。お風呂は誰かと一緒に入る、座ってシャワーを使うなどの配慮が必要である。

費用のめやす

外来:診察+採血+脳波+頭部MRI 等で 約6,000円。短期検査入院(1週間程度):長時間ビデオ脳波+採血+高次脳機能検査 等で 約70,000円。