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岩瀬 敏 医師 (いわせさとし)

岩瀬 敏 (いわせさとし) 医師

愛知医科大学病院(愛知県)23病院のクチコミ
神経内科
生理学講座 教授

専門

神経内科学、神経生理学(掌蹠多汗症)

医師の紹介

岩瀬敏医師は愛知医科大学生理学講座の教授として、人体を対象にした環境生理学、宇宙医学など、幅広い研究に従事している。神経内科医として外来を担当。発汗に関する基礎医学、臨床医学、医工学などの発展を目的とする、日本発汗学会の理事も務めている。岩瀬医師の専門は自律神経疾患であるが、その一環として、掌蹠多汗症の患者に対し、薬物治療、塩化アルミニウム溶液塗布治療を実施。薬物治療や塩化アルミニウム溶液塗布治療の効果が低い時には、ボトックス治療、内視鏡的胸部交感神経節遮断術の紹介も行っている。

診療内容

発汗異常症のひとつである多汗症は、体温調節のために必要異常の発汗を生ずる病態のことである。そのうち、掌蹠多汗症とは,手のひらや足の裏に大量の汗をかくことにより「不快」を訴えるものをいう。岩瀬医師によると、掌蹠多汗症は100人~150人に1人ぐらいに発症し、決して珍しい病気ではない。また、岩瀬医師はその原因について「手足にだけ汗を多くかくのは、緊張やストレスに対して、無意識に神経が反応することにより発汗を促進する可能性があります」と話す。この症状を持つ患者の汗腺に働く交感神経を調べると、同じストレスを持っている場合でも、正常な人よりもかなり大きく作用することがわかっている。同科ではこの疾患の治療として、薬物治療、塩化アルミニウム溶液塗布治療を実施。イオントフォレーシスは、保険治療として認められていないため、実験的に行っている。また、治療効果の乏しい場合には、ボトックス治療の紹介を行っている。ただし、手掌多汗症に対するボトックス治療は、いまだ保険治療として認められていない。また、同様に、薬物治療や塩化アルミニウム溶液塗布治療の効果が低い時には、希望する患者に十分納得してもらったうえで、内視鏡的胸部交感神経節遮断術の実施施設を紹介している。

診療を受けるには

岩瀬医師の診察は、火曜の午前、初診予約必要。紹介状持参が望ましい。初診待ち時間は1~3時間程度。岩瀬医師の指名可能。

累積症例数または患者数

同院赴任後の累積患者数:6,000名程度、多汗症:200名程度

年間症例数

年間症例数:1,000例程度(月間150例)

医師のプロフィール

経歴
【学歴】
1980年3月 名古屋大学医学部 卒業
1983年4月 名古屋大学大学院医学研究科入学
1986年6月 名古屋大学大学院医学研究科中退

【職歴】
1980年4月 名古屋第二赤十字病院にて臨床研修
1982年4月 名古屋第二赤十字病院神経内科医師
1986年5月~1996年3月 名古屋大学環境医学研究所助手
1990年3月~1991年1月 スウェーデン王国イェーテボリ大学医学部
1996年3月 名古屋大学環境医学研究所助教授
2004年5月 愛知医科大学客員教授
2005年4月 愛知医科大学助教授(生理学第2講座)
2007年4月 愛知医科大学准教授(生理学第2講座)
2007年7月 愛知医科大学教授(生理学講座)
所属学会・認定・資格

日本生理学会評議員、日本神経学会、日本自律神経学会理事・国際交流委員会委員長・自律神経機能検査委員会副委員長・機関誌副編集長、日本臨床神経生理学会(旧脳波・筋電図学会)、日本宇宙航空環境医学会理事、日本病態生理学会、日本発汗学会理事、 Academician of International Astronautical Federation、Member of International Society for Autonomic Neuroscience (ISAN)、Executive Committee member of ISAN (Asian section)、Member of International Society for Gravitational Physiology

<主たる研究領域>
生理学、環境生理学、神経生理学、環境神経生理学、自律神経学、発汗学
<現在の研究内容>
宇宙医学:人工重力による宇宙デコンディショニングの予防、マイクロニューログラフィーによるヒトの交感神経機能の解析、体温調節による交感神経活動の役割と時系列解析、発汗異常とその神経性機序の解析
<国際共同研究>
NASAのニューロラブ計画にmicroneurographerとして参加、ロシア連邦・医学生物学研究所との共同研究、ドイツ連邦共和国・DLR・ドイツ宇宙航空医学研究所との共同研究
2009年国際公募 「ライフサイエンスおよび宇宙医学分野の国際宇宙ステーション利用実験テーマ公募」に「ヒトにおける宇宙飛行デコンディショニングに対する対抗措置としての人工重力とエルゴメータ運動」というテーマで採択され、Principal Investigatorとして、日本4名、アメリカ3名、ドイツ2名、オランダ、ベルギー、フランス各2名のCo-investigatorを統率。

主な著書(編集・共著含む)

『形の科学事典 無重力状態での人体の動き』(2004年 朝倉書店)amazonでみる⇒
『医学大事典』(2003年 医学書院)amazonでみる⇒
『生体物理刺激と生体反応 電場の医療応用』(2004年フジ・テクノシステム)amazonでみる⇒
『知っていますか?食事性低血圧-新たな血圧異常の臨床-』(2004年 南山堂)amazonでみる⇒
『臨床神経学 第5版』(南江)
『自律神経の基礎と臨床 改訂3版』(2006年 医薬ジャーナル社)amazonでみる⇒
『最新自律神経学 自律神経検査法概論』(2007年新興医学出版社)amazonでみる⇒
『自律神経機能検査法 第4版』(2007年 文光堂)amazonでみる⇒
『ロバートソン自律神経学』(2007年エルゼビア・ジャパン、編集・分担翻訳)amazonでみる⇒
『コスタンゾ明解生理学』(2007年エルゼビア・ジャパン、プロデュース・分担翻訳)amazonでみる⇒
『ヘインズ神経科学―その臨床応用-』(2008年エルゼビア・ジャパン、編集・分担翻訳)amazonでみる⇒
『睡眠時無呼吸症候群』(2008年メジカルビュー社)amazonでみる⇒
『失神を究める』(2009年メジカルビュー社)amazonでみる⇒
『小児科臨床ピクシス13』(2010年中山書店)amazonでみる⇒
『ストレスと筋疼痛障害 慢性作業関連性筋痛症』(2010年 名古屋大学出版会、編集・翻訳)amazonでみる⇒
『ガイトン生理学』(2010年エルゼビア・ジャパン、プロデュース・分担翻訳)amazonでみる⇒

予防に心がけたいこと

「発汗異常の患者さんの場合、多くの異なる原因があります。それらを鑑別し、原因にあった適切な治療を行うことを旨としています」(岩瀬医師)