ドクターズガイド

岩堀裕介 医師 (いわほりゆうすけ)

岩堀裕介 (いわほりゆうすけ) 医師

愛知医科大学病院(愛知県)
整形外科
特任教授

専門

関節外科(肩・肘・手・膝・足関節)・スポーツ医学・関節リウマチ

医師の紹介

わが国の肩・肘関節外科の次世代を担う医師の一人。投球による肩・肘障害の治療など、スポーツによる上肢障害の治療に実績があり、リハビリテーション科と綿密に連携して徹底した保存療法を行っている。外傷による肩・肘関節の脱臼・靱帯損傷の手術療法、頻度の高い肩こり・凍結肩(五十肩)・腱板断裂・胸郭出口症候群などに対する保存療法・手術療法にも定評がある。その他、関節リウマチの薬物・手術療法・関節手術などにも豊富な経験を持つ。診療・教育・研究とどの領域でも高いレベルを誇る同科では、2016年からスポーツ医科学センターも併設して、一般人からプロスポーツ選手まで幅広く個々のニーズに合った診療を提供している。

診療内容

肩疾患で頻度が高いのは「肩こり」「凍結肩」「腱板の障害」の3つ。「肩関節周囲の神経障害が隠れた肩痛や肩こりの原因になっていることもあり、注意を払う必要がある」と岩堀医師は言う。
 「肩こりは、肩周辺の症状の中で痛み以上に多くみられ、運動不足、過労、長時間の同一姿勢、ストレス、不良姿勢、不適切な枕、眼瞼下垂、歯周病、歯列接触癖、脳動脈瘤、頚椎症、胸郭出口症候群、うつ病など原因は様々です。まず原因を特定し、治療は原因に対する対応を行うとともに、肩こり自体に対して局所の運動療法、温熱療法、薬物療法、トリガーポイント注射などの保存療法を行います」(岩堀医師)
 凍結肩の場合、最も重要なのは適切なリハビリを行うことです。動きが硬いからといって、無理やり痛みを伴う可動域訓練をしてはいけません。肩疾患に精通した理学療法士は、まず過度に緊張した筋肉を緩めてから、疼痛を誘発しないように可動域訓練を進めていきます。痛みが強い時期は疼痛を軽減するために非ステロイド系消炎剤や慢性疼痛治療薬を投与したり、関節内注射を行います。なかなか可動域の回復が進まないときは縮小した関節包を拡大したり破裂させる関節腔拡張術や、エコーガイド神経根ブロック下の徒手関節授動術を行います。手術1保存療法により十分な効果が得られず可動域制限が持続する場合、安静時痛・夜間痛が持続する場合、治療期間の短縮を希望される場合には関節鏡を用いた鏡視下関節授動術を行います」
腱板断裂は加齢によって腱板自体が変性・脆弱化することと、腱板が動く時の天井にあたる肩峰や烏口肩峰靭帯の下のスペースが狭くなることにより、60歳以降で生じやすくなるという。「年齢が上がるにつれて頻度が高まり、60代で20%、70代で25%、80代で30%に完全断裂を生じます。50肩と診断されている約20%に腱板断裂を生じているとの報告もあります。しかし、腱板断裂例のうち、60%程度が無症状であるため、医療機関を訪れる患者さんは一部ということになります。
心臓外科チーム腱板断裂の疼痛や運動障害は、薬物療法、注射療法、理学療法などの保存療法を適切に行うことにより軽減することがあります。腱板断裂自体を修復するには手術しかありませんが、手術をするには全身麻酔が必要で、日常生活への復帰も4~6ヶ月を要しますので、肉体的、社会的、経済的な負担がかかります。よって、手術療法は比較的若い患者さんや、保存療法により十分な効果が得られない場合に適応し、その他は保存療法で対処しています。手術療法は低侵襲な鏡視下手術が主流になりつつありますが、当院では断裂の状況に応じてミニオープンと呼ばれる直視下手術と使い分けていて鏡視下手術の割合は70%程度です.腱板修復自体が困難な時にはリバース型人工肩関節置換術を適応することもあります」

診療を受けるには

岩堀医師の診察日は、月曜と金曜。予約制。紹介状がある方が望ましい。
愛知県春日井市のあさひ病院・春日井整形外科(毎週水曜日)や名古屋市天白区の伊藤整形外科(第1・2・3・5土曜日)でも診療を行っている。

年間症例数

外来患者数:150~200名/週、約750名/月、約9000名/年。手術例数:15~20件/月、約200件/年

医師のプロフィール

経歴
1986年 名古屋大学医学部卒業
1987年 同大学整形外科入局
1986年 安城厚更生病院
1990年 県西部浜松医療センター
1993年 名古屋大学整形外科医員
1997年 米国臨床留学
1997年 静岡済生会総合病院
1998年 愛知医科大学整形外科講師
2000年 同助教授
2007年 同准教授
2012年 同特任教授
所属学会・認定・資格

日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会専門医 日本リウマチ財団リウマチ登録医、日本リハビリテーション医学会認定臨床医、日本体育協会公認スポーツドクター
日本肩関節学会評議員・代議員、日本肘関節学会評議員、JOSKAS評議員、日本リウマチ学会評議員、日本整形外科スポーツ医学会代議員、日本運動器疼痛学会評議員

主な著書(編集・共著含む)

『上肢臨床症候の診かた・考え方』(2016年 南山堂)amazonでみる⇒
投球によるSLAP損傷の病態と治療. 岩堀裕介
Orthopaedics29 (5)増大号 復帰を早めるスポーツ損傷 低侵襲手術テクニック,125-140,2016.
『肘実践講座 よくわかる野球肘 肘の内側部障害―病態と対応―』(2016年 全日本病院出版会)amazonでみる⇒
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難治性凍結肩に対する鏡視下関節授動術.岩堀裕介
関節外科35 肩の手術-私のコツ-:94-99,2016.
『スポーツ外傷・障害の理学診断・理学療法ガイド』(2015年 文光堂; 第2版)amazonでみる⇒
上肢の神経障害 岩堀裕介
臨床スポーツ医学臨時増刊号32 野球の医学,173-189,2015.
『今日の小児治療指針 第16版』(2015年 医学書院)amazonでみる⇒
離断性骨軟骨炎への病態に即した対応保存的対応か手術かの選択 岩堀裕介
臨床スポーツ医学32,614-625,2015.
『上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する最小侵襲手術の試み (整形外科最小侵襲手術ジャーナル)』(2015年 全日本病院出版会)amazonでみる ⇒
『こどものスポーツ外来‐親もナットク! このケア・この説明‐』(2015年 全日本病院出版会)amazonでみる ⇒
『Orthopaedics (オルソペディクス) 2014年 09月号 [雑誌]』(2014年 全日本病院出版会; 月刊版)amazonでみる ⇒
『肩関節傷害 診療の真髄 (MB Medical Rehabilitation(メディカルリハビリテーション))』(2013年 全日本病院出版会)amazonでみる ⇒

予防に心がけたいこと

肩こりの場合は「コアを効かせてよい姿勢を保つ」「長時間同じ姿勢をとり続けない」ことが大切だ。運動療法では「まず過度に緊張した筋肉をリラックスさせ、その後に適度なストレッチングと筋力強化を行う。筋力と柔軟性のバランスを保つ」ことが重要。

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春日井市あさひ病院HP: