ドクターズガイド

山本貴道 医師 (やまもとたかみち)

山本貴道 (やまもとたかみち) 医師

総合病院 聖隷浜松病院(静岡県)
副院長

専門

てんかん外科・小児脳神経外科

医師の紹介

山本貴道医師は、てんかん学(特にてんかん外科)を、米国のニューヨーク大学てんかんセンターにて学んだ。同大学は著名な医師達が集まっており、東海岸では有数のてんかんセンターである。外科症例も年間200~300件と大変多く、南米をはじめ国外からも多くの患者が治療を求めて訪れている。そこで行われていたシステムを聖隷浜松病院に持ち込み、国内の総合病院では先駆けててんかんセンターを設立した。当センターは全国てんかんセンター運営会議のメンバーである。

診療内容

【包括的てんかん診療】当院では2008年4月にてんかんセンターを開設した。今まで小児科・神経内科・脳神経外科・精神科など複数の科で別々に行なっていたてんかん診療を集約化し、医師間の情報交換を迅速に行なうことが可能となった。外来には二つの診察室があり、一方では小児神経科の医師が診察して、もし外科治療が必要だと判断した場合は、隣の診察室のてんかん外科医に相談し、遅滞無い対応がなされる。センターでは「小児から成人・高齢者まで」、「画像診断から入院での長時間脳波モニタリング検査まで」、「抗てんかん薬による薬物治療から難治例に対する外科治療まで」、広範囲にわたるてんかん診療をカバーしている。

【外科治療】2種類以上の複数の抗てんかん薬を服用しても発作が止められない、抗てんかん薬に対する薬疹等のアレルギー反応やその他の強い副作用で服用できない場合、外科治療を考慮している。てんかんの外科治療とは場合によっては、頭蓋内に直接センサーとなる碁盤の目のようなグリッド電極を留置し発作の発生源を正確に判断し、特定した部位を切除する。切除できない場合は、遮断して発作の拡がりを抑える手法もある。また発作で転倒するため頻回に外傷を負ってしまう危険な場合は、脳梁離断術を選択することもある。これらは毎週水曜日に定期的に開催される「てんかんセンター症例検討会」で、スタッフ全員で討議され、方針が決定される。症例検討会には関連各科医師・看護師・脳波専門技師・言語聴覚士・作業療法士・理学療法士・放射線部技師、更には院外の医師も参加している。

【迷走神経刺激療法】焦点切除術等の外科治療も困難である場合は、植込み型の迷走神経刺激療法を行っている。VNS (vagus nerve stimulation) と呼ばれ、2010年以後本邦でも普及して来ている。心臓のペースメーカーに似ており、刺激を送るジェネレーターは左前胸部に植込むが、刺激する部位は左頸部の迷走神経である。そこから信号が脳幹・視床を経て脳全体に送られ、発作の頻度や強さが緩和される。「現在までに当院では150症例以上の植込み術が行われており、国内でもこの分野をリードしています。今までの経験では、全体の50%の患者さんで治療開始前に比較して50%以上の発作が減少しています」(山本医師)

診療を受けるには

てんかんセンターの初診は、紹介状が必要、事前に予約 (紹介予約制)。
「何らかの理由で紹介状が取得できない場合は、ご家族が今までの経過をまとめて (A4用紙1枚程度) 提出していただけると助かります」(山本医師)
予約日が決まった場合、問診票を送付するので記入後、返信用封筒に入れて受診日前に返送する。問診票はホームページからのダウンロードも可能。
受診希望があってもどうしたら良いか分からない状況でお困りの方は、当院の地域医療連絡室 (JUNC: フリーダイヤル0120-107-352) まで連絡。担当者が予約の相談を受け付ける。
診察まで1~2ヵ月程度の待ちとなるが、発作頻度が多く重症の場合には、医師と相談の上早めの診察に変更可能。医師の指名は可能。予約時に希望を伝える。
山本医師の診察は、月曜日のみ(午前・午後)

累積症例数または患者数

外科症例としては、てんかんセンター開設以後、累計で500件を超える。。
年間では焦点切除術等の開頭による外科治療が80件前後、VNSが20~30件程度となっている。

年間症例数

外来患者数では、当院てんかんセンターの年間のべ受診者数は、中学生以下の小児及び高校生以上の成人においても4,500~5,000名となっており、年々増加傾向にある。

医師のプロフィール

経歴
1986年3月 浜松医科大学医学部医学科 卒業
1986年6月 同大学 脳神経外科研修医
1987~1998年 関連教育病院勤務(聖隷三方原病院・東京厚生年金病院・聖隷沼津病院他)
1998年4月 浜松医科大学 脳神経外科医員
1998年6月 ニューヨーク州立大学シラキュース校 脳神経外科
2001年1月 ニューヨーク大学医療センター 脳神経外科・てんかんセンター
2003年1月 ニューヨーク大学公共政策大学院 (医療政策・医療管理学修士課程)
2004年4月 聖隷浜松病院 脳神経外科・てんかん科主任医長
2008年4月 聖隷浜松病院 てんかんセンター長
2011年4月 聖隷浜松病院 院長補佐
2014年10月 聖隷浜松病院 副院長
所属学会・認定・資格

医学博士、米国医師免許、てんかん専門医・指導医、脳神経外科専門医・指導医、小児脳神経外科認定医、脳卒中専門医、医療管理学修士、日米医学医療交流財団フェロー

日本てんかん外科学会・世話人、日本小児神経外科学会・評議員、日本臨床神経生理学会・代議員、関東機能的脳外科カンファレンス・世話人・2013年第35回会長、東海てんかん集談会・世話人・2012年第68回会長、日本てんかん学会東海北陸地方会・運営委員、American Epilepsy Society・正会員、International Society for Pediatric Neurosurgery・正会員

予防に心がけたいこと

てんかんでは寝不足と慢性的な疲労は大敵ですので、疲れた時は十分休むことが大切です。

費用のめやす

検査入院でも手術が予定された入院でも、家計での収入によって若干の違いはありますが、約10万円を超えた部分が国保でも社保でも高額医療の対象となり補助が受けられる。必要な方はお近くの役所の担当窓口か、入院時に当院の担当者に要確認。