ドクターズガイド

山口俊晴 医師 (やまぐちとしはる)

山口俊晴 (やまぐちとしはる) 医師

公益財団法人 がん研究会有明病院(東京都)
名誉院長 消化器センター

専門

外科学一般(特に消化器外科)、外科治療、抗がん剤治療、胃がん

医師の紹介

山口俊晴医師は、がん研有明病院の病院長を退任後、2018年7月より名誉院長となる。
消化器センターでは進行がんの治療において日本トップレベルの実績を誇り、世界でも有数の成績を持つ、胃がんスペシャリストとして名高い存在である。現在は手術は行っておらずオブザーバー的な役割を補う。
腹腔鏡手術では、傷がほとんどない胃がんの手術「完全鏡視下手術」を数多く手がけ、胃をなるべく残し機能を温存する機能温存手術、特殊な光で観察するNBI内視鏡や超音波内視鏡検査など特殊な検査を行い、治療前の検査をより正確にするとともに、手術中にリンパ節などの転移を確認する術中迅速診断を積極的に行っていた。また、山口医師は胃がんの「治療ガイドライン」初版から3版まで作成委員を務め、NHKの「今日の健康」、「名医にQ」などに胃がんの専門家として出演する。

診療内容

日本では、年間10万人を超える胃がん患者が治療を受けている。近年、診断法も進歩し、早期に発見される確率は高い。消化器系のがんの中で、胃がんは大腸がんと並んで治りやすい病気である。
治療は、原則として日本胃癌学会によって作成された「診療ガイドライン」に沿って行われており、進行度はIからIVのステージで表され、各ステージごとの標準的な治療法が定められている。日本全国どこでも同じような治療が受けられ、病院によってばらつきがないようにするためである。山口医師は胃がん治療ガイドライン作成にも参加してきた。
「ガイドラインに示された治療は、あくまで一般的な治療法です。持病や合併症などがある患者さんは当てはまらないケースもあります。その場合は、ガイドラインでおおよその流れを把握したら、患者さんにあった治療を考えていきます。最終的には患者さんと医師がよく話し合って決めます」と 山口医師は言う。

同院消化器センターでは、患者の体の負担を一番に考え、早くて出血の少ない治療を心がけている。そのひとつが「完全鏡視下手術」である。一般の腹腔鏡手術ではお腹に数カ所、1~2センチの孔を開けるが、胃がん手術の場合、胃がんを取り出したり残った胃をつなぐために、追加して5cm程度の傷を必要とすることも多い。また、なるべく機能を温存するため、残せる部分は極力残す「機能温存手術」を心がけている。内視鏡やCT検査に加え、特殊な光で観察するNBI内視鏡や超音波内視鏡検査などの検査を行い、治療前の検査をより正確にするとともに、手術中にリンパ節などの転移を確認する術中迅速診断を積極的に行い病気の範囲を正確に把握するようにしている。胃の出口(幽門)や神経を残した胃切除術や、内視鏡と手術中に協力してできるだけ少ない範囲の胃を切除する、新しい治療法(LECS法)を開発し実行している。
もし、胃がんと診断されたら、その後の治療内容を把握するためにも自分がどのあたりのステージかを良く理解しておくことが必要だ。
「どの治療を選ぶにしても、自分が胃がんの中で今どのステージにいて、どういう治療が必要か十分に納得しておくことが大切です。そのためには、本人への告知は必要だと考えます。まず本人がきちんと理解していなければ、治療が辛い時、頑張れないからです」(山口医師)

消化器外科では、週2回手術前の全症例カンファレンス(会議)が開かれ、胃・大腸のグループだけでなく、肝臓・胆のう・すい臓のグループも出席し、いろんな選択肢を提示して、患者の体力、年齢、社会的なバックグラウンドを踏まえた上でいちばん最適な治療法を検討している。
例えば「胃がんの手術中でも、すい臓グループに待機してもらいのう胞を超音波で診てもらって、悪性を疑う病変があったら、その場でとってもらいます。また、大腸がんの手術中に胃の病変が見つかった場合は、胃がんのグループが待機しています」(山口医師)
同センターの特徴である「チーム医療」である。「がん研におけるチーム医療は、プロの専門家を一カ所に集め、お腹の"がん"の人はみんな消化器センターに来れば、外科医も内科医も、化学療法医もみんなで協力して診療にあたっています」(山口医師)
山口医師は、現在手術を行なっていないが、消化器センターは優秀な医師団によってほとんどの部門が日本で最大の患者数を誇っている。

診療を受けるには

初診・再診:10:00~16:00。休診日:土曜・日曜・祝祭日・年末年始(12月29日~1月3日)。消化器センターは、原則として予約制、必要時は初診当日に、内科・外科両方の診察を受けることも可能。手術前の主要な検査は、初診日当日から1週間以内に行い、すぐに診断から治療へと進むことができる。
山口医師の外来は、週1回、胃がんを担当。

※予約制。原則として前医の紹介状が必要、紹介状が得にくい場合はご相談ください。
申し込み、ご相談は医療連携室(TEL:03-3570-0541 平日の9:00~17:00)へ

医師のプロフィール

経歴
1973年 京都府立医科大学 卒業
1977年 秋田大学医学部 文部教官助手
1982年 米国テキサス大学ヒューストン校留学(NIH奨励研究員)
1995年 京都府立医科大学 助教授(第一外科)
2001年 財団法人 癌研究会附属病院 消化器外科部長
2005年 財団法人 癌研究会有明病院 消化器外科部長 消化器センター長
2008年 財団法人 癌研究会有明病院 副院長
2011年 公益財団法人 がん研究会有明病院 副院長 消化器センター長
2015年7月 公益財団法人 がん研究会有明病院 病院長
2018年7月 公益財団法人 がん研究会有明病院 名誉院長
所属学会・認定・資格

日本臨床外科学会 評議員・常任幹事・副会長、日本DDS学会  名誉理事、日本がん分子標的治療学会 理事・評議員、日本内視鏡外科学会 特別会員、日本胃癌学会 名誉会員 国際胃癌学会 理事、日本医学会 用語管理委員会委員、日本がん臨床試験推進機構 理事、外科系学会保険委員会連合(外保連)・名誉会長、公益財団法人がん研究会 理事、東京都成人病検診管理指導協議会がん部会 委員、「消化器外科ナーシング」編集委員、厚生労働省 先進医療技術審査部会座長、先進医療会議委員、社会保障審議会委員(医療分科会)、先進医療評価委員会座長など

予防に心がけたいこと

禁煙、減塩、ピロリ菌除菌、そして定期的な健診と運動

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