ドクターズガイド

古田隆久 医師 (ふるたたかひさ)

古田隆久 (ふるたたかひさ) 医師

浜松医科大学医学部附属病院(静岡県)1病院のクチコミ
消化器内科
病院教授

専門

ヘリコバクター・ピロリ菌による胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃がんなどの消化器系疾患

医師の紹介

古田隆久医師は、予め患者の薬物代謝酵素の遺伝子検査を行い、検査結果を踏まえてその患者に合った量や方法で薬物を適切に投与することにより除菌率を高める方法を開発した。この画期的な治療法は先進医療としても認可されるに到った。同院ではこれにより100%に近い除菌率を達成した。これらの実績を重ね、同院の消化器内科及び古田医師は、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療において国内をリードする存在となっている。2010年8月には「ヘリコバクター・ピロリ菌専門外来」を開設した。

診療内容

胃がん大国と言われる日本において、その主な原因とされるヘリコバクター・ピロリ菌の除菌は重要な課題である。現在の標準的な除菌方法として、抗生物質2種類と胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)の3剤を同時に使用し、一週間飲み続けるという治療法が行われている。2015年からはカリウム競合型アシッドブロッカー(P-CAB)も用いられている。PPIやP-CABを使うのは、胃酸によって抗生物質が分解されるのを防止したり、ピロリ菌の抗菌薬に対する感受性を高めるためである。古田医師はピロリ菌の抗菌薬への感受性に加えて,除菌治療中の胃酸分泌抑制の重用性,さらに内服薬の投与設計にも配慮した除菌を行っている。先進医療としても認可された「CYP2C19遺伝子多型に基づくテーラーメード(オーダーメイド)のヘリコバクター・ピロリ除菌療法」はそのひとつである。現在では, P-CABを用いることにより,CYP2C19遺伝子多型の問題は大夫解消され、現在は特に抗菌薬感受性と投与設計により重視した除菌を行っている。同院ではこれまでに、こうした治療方法により100%に近い除菌率を達成した。これらの実績を重ね、同院の消化器内科及び古田医師は、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療において国内をリードする存在となっている。2010年8月には「ヘリコバクター・ピロリ菌専門外来」を開設。そこでは、個別化療法に加えて、血清ペプシノゲンと抗H. pylori抗体測定による胃がんのリスク評価(いわゆる胃がんのABC検診)を併用し、単に除菌を行うのではなくて、胃がんリスクも評価して胃がん検診への啓発も行っている。古田医師は「除菌に失敗した人は漫然と除菌治療をくり返すのではなく、自身の体質やピロリ菌のタイプを知り、薬の特性を活かした治療を受けてほしい」と語っている。除菌が成功するまで、患者とつきあうことを心がけている。

診療を受けるには

受付時間:一般外来8:30~11:00、専門外来(予約のみ)13:00~14:00。診療時間:平日 8:30~17:00。古田医師の診療は、通常の外来:火曜のみ。専門外来:月曜のみ。一般外来では、紹介状があれば初診の患者が負担する「特定療養費(3,240円)」が不要となる。月曜日の外来は完全予約制であるが紹介状は特に必要無し。電話での予約可能。保険外の除菌レジメンでは自費診療で行っている。

累積症例数または患者数

先進医療を受けた症例は700例以上で、除菌成功に至らなかった症例は数例のみ。他院で3回以上の除菌に失敗した症例も多くの除菌に成功している。但し、全例で浜松医大での初回治療で成功したわけではない。初回での除菌率は、一次、二次除菌では95%程度、三次除菌以上では90%程度である。しかし、最終的には殆どの症例で除菌に成功している。はじめの除菌療法で失敗しても根気よく治療を続けて欲しいと古田医師は述べている。

年間症例数

ABC検診を併用しての先進医療での除菌を希望される方は年間120例程度。

医師のプロフィール

経歴
1987年6月 浜松医科大学医学部附属病院医員(研修医)
1988年6月 浜松労災病院内科(消化器内科)
1991年6月 浜松医科大学医学部附属病院医員
1996年4月 浜松医科大学医学部附属病院医員
1998年4月 浜松医科大学医学部助手
2001年2月 National Cancer Institute, NIH(米国)客員研究員
2003年2月 浜松医科大学第一内科・助手
2003年8月 浜松医科大学医学部附属病院(救急部)助手
2004年8月 浜松医科大学第一内科・助手
2005年8月 浜松医科大学臨床研究管理センター助教授
2012年11月 同、病院教授
所属学会・認定・資格

日本内科学会(認定医、専門医、研修医指導医)、 日本消化器病学会(専門医 、指導医、財団評議員)、Journal of Gastroenterology誌 Associate editor 、東海支部評議員、学会評議員、日本消化器内視鏡学会(専門医、指導医、財団評議員、東海支部評議員、学会評議員)、日本ヘリコバクター学会(評議員、理事)、ヘリコバクター感染症認定医、定款委員、耐性菌サーベイランス委員、日本消化器がん検診学会、上部消化管がん検診認定医、日本臨床薬理学会(認定医、指導医、評議員、海外研修員)、臨床薬理学会誌編集委員、日本臨床薬理学会ゲノム委員、ファーマコゲノミクスガイドライン作成委員、日本消化管学会(胃腸科認定医、胃腸科専門医、評議員)、日本臨床腫瘍学会暫定指導医、日本がん治療学会、日本胃がん予知・診断・治療研究機構 社員
日本臨床薬理学会雑誌、編集委員、米国がん学会 (American Association for Cancer Research)、米国消化器病学会 (American Gastroenterological Association)、米国臨床薬理学会 (American Society for Clinical Pharmacology & Therapeutics)。

予防に心がけたいこと

H. pyloriの除菌が成功すると胃がんのリスクは低下しますがゼロになるわけではありません。H. pyloriの感染の既往がある方の胃がんのリスクは生涯残ることとなります。特にABC検診でC群以上の方は注意が必要です。しかし、一度内視鏡検査をうけていただいて、胃がんがないと判断された場合は、逐年の胃カメラ検診さえうけていただければ、万一胃がんが後日発生してしまったとしても内視鏡的に切除できるようなきわめて早期の段階で発見できます。ですのであまり不安を抱かずにまず逐年の胃カメラ検診をうけて続けて頂きたいです。

費用のめやす

遺伝子多型検査の結果、標準療法が適応とならない場合には、先進医療費も含めてすべて自費診療となる。保険適当となるのは、除菌の適応疾患でかつ遺伝子多型検査、標準レジメンで除菌成功が相当な確立で期待できる場合のみ。保健適応の場合でも先進医療費の12,000円は別途必要。除菌のレジメンは個々で異なるため、費用も個々で異なるが、自費の場合、概ね、初診から除菌判定まで総額で7~8万円程度の費用がかかる。