ドクターズガイド

原 晃 医師 (はらあきら)

原 晃 (はらあきら) 医師

筑波大学附属病院(茨城県)7病院のクチコミ
耳鼻咽喉科
教授

専門

耳鼻咽喉科・頭頸部外科、突発性難聴

医師の紹介

感音難聴の研究・治療におけるスペシャリストで、難病情報センターの急性高度難聴に関する調査研究班のメンバーも務めた。感音難聴の基礎的研究では、突発性難聴、急性音響障害、薬物性難聴に、フリーラジカルが深く関与していることを解明。それぞれの治療薬の有効性を検証するなど、効果的な治療薬の開発にもつながる貴重な研究成果を残している。病院では耳鼻咽喉科、頭頸部外科の教授として外来診療にあたるとともに、研修医の指導にも力を注ぎ、優秀な後進の育成に貢献している。

診療内容

突然、片側の耳が聞こえなくなる…「突発性難聴」とは、耳の病気を経験したことがない人が、突然、明らかな原因もなく一方の耳が聞こえなくなる状態だ。両方の耳が聞こえなくなった場合は、特発性両側性感音難聴と呼ばれる。(旧)厚生省研究班の2001年の調査によると、突発性難聴で治療を受ける人は、推定で年間3万5千人。50~60歳代の人に多く見られ、男女差はない。現在のところはっきりとした原因はわかっていない。「おたふくかぜ、はしか、みずぼうそう、じんま疹、胃腸炎、感冒などの後に難聴を発症する人が多いことから、ウイルスが関与しているという説もあります」と原医師。内耳の血管のけいれんや血栓、出血などによる循環障害を原因と考える説もあるそうだ。また、現時点では突発性難聴は遺伝しないと考えるのが普通だ。
ステロイド治療が一般的…突発性難聴の急性期には、ウイルス感染によるものか、それとも内耳循環障害によるものなのか原因をできる限り特定して、それぞれに適した治療を行う必要がある。「このため当院では、各種聴力検査、自記オージオメトリー、耳鳴検査、中耳機能検査(液導検査)、内耳機能検査などによって、難聴の原因解明に力を注いでいます。さらに、毎週木曜日には小児難聴外来を開いて、難聴児の早期発見に努めるとともに、難聴のレベルに応じた医療機関や施設への紹介、保護者へのアドバイスなどを行っています」と原医師。
治療には一般的には副腎皮質ステロイドが用いられ、強力な抗炎症作用やラジカルスカベンジャー作用に期待して、内服または点滴によって投与される。ただし、糖尿病、胃潰瘍、結核などの合併症が見られるときは、悪化することもあるので、慎重な投与が求められる。近年では、鼓膜を介して中耳に副腎皮質ステロイドを注入することで、比較的高い確率で内耳に吸収されることがわかり、内服や点滴で改善が見られない患者や合併症が起こっている患者に適用されているそうだ。
再発する場合は他の病気の可能性も…一方、内耳循環障害の可能性が高い場合、血管拡張が必要と判断された患者には血管拡張薬、血栓が原因で内耳循環障害が生じていると考えられる場合には抗凝固薬を用いるのが一般的だ。ときには、代謝改善薬や向神経ビタミン製剤が併用されることもある。また、二酸化炭素による血管拡張作用を活用した混合ガス吸入や、血液内の酸素濃度を上昇高気圧酸素療法も神経節ブロックが行われることもあるが、原医師によると「ステロイド薬以外は明らかなエビデンスには乏しい」というのが現状のようだ。治療によって難聴の改善が見られる場合には、難聴は急速に改善するケースが多くなっている。「ただし」と原医師は言う。
「中には回復のテンポが遅い例や中にはまったく改善が見られないこともあって、一概にはいえません。また、突発性難聴は再発しない病気とされているので、再発する場合は、外リンパ瘻、メニエール病、聴神経腫瘍など他の疾患を疑う必要があります」

診療を受けるには

初診の一般外来診察日は月曜・火曜・木曜の午前。紹介状持参が望ましいが、直接受診する患者も多い。完全予約制なので、事前に予約センターへ連絡して予約申込する必要がある。

医師のプロフィール

経歴
1979年3月 東北大学医学部医学科 卒業
1982年4月 東北大学医学部助手医学部
1985年6月 米国ワシントン大学医学部 耳鼻咽喉科リサーチフェロー
1988年5月 筑波大学講師 臨床医学系
2002年5月 筑波大学教授 臨床医学系
2012年4月 筑波大学医学群長
2015年~医学医療系長(大学執行役員)
所属学会・認定・資格

日本耳鼻咽喉科学会理事、日本聴覚医学会理事長、日本耳科学会代議員、日本鼻科学会評議員、日本頭頸部外科学会評議員、日本口腔咽頭科学会評議員、日本聴神経腫瘍研究会世話人

予防に心がけたいこと

食生活と病気にあまり関連性は見られないものの、患者には野菜の摂取が少ない傾向が見られる。また、発症前に疲労感を感じているケースが多いので、疲れをためこまないように気をつけたい。さらに糖尿病、高脂血症など慢性的な生活習慣病のある方は、十分なコントロールに心がけて欲しい。

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