ドクターズガイド

八重樫伸生 医師 (やえがしのぶお)

八重樫伸生 (やえがしのぶお) 医師

東北大学病院
病院長 産婦人科
教授

専門

子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、婦人科良性腫瘍(卵巣嚢腫、子宮筋腫)など

医師の紹介

婦人科分娩数及び婦人科がん手術症例数国内第1位を誇る東北大学病院産婦人科。同科を牽引する八重樫伸生医師は、まさに日本の婦人科医療分野をリードする存在である。その世界水準の技術と豊富な実績は、婦人科医療の進歩に大きく貢献。早期の子宮頸がんに対して妊娠・出産を視野に入れた円錐切除術や広汎性子宮頸部摘出術を展開するなど、患者のQOLを重視した様々な治療を提供している。漢方薬を用いた治療にも定評があり、最大94.1%にも上る高い抗腫瘍作用が確認されている。

診療内容

八重樫医師がリードする同院婦人科腫瘍グループでは、国内の大学病院では最多となる年間300症例以上の婦人科悪性腫瘍に対して世界標準治療を導入した治療を行っている。その実績に加え、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)に視点をおきながら、機能温存を重視し、十分な制がん効果を有する治療の展開に全力で取り組む。
子宮頸がんの治療の一つである「広汎子宮全摘術」。これは、所属リンパ節を摘出し、子宮を支えている各子宮支帯を含め、広く子宮を摘出する術式。この術式は膀胱の収縮を司る膀胱神経(骨盤神経膀胱枝)が傷つき、術後に排尿障害がでる可能性があるため、膀胱神経を温存する神経温存術式を取り入れている。現時点では膀胱神経が残せたかどうかを評価するシステムがないと言われているが、同院産婦人科では膀胱神経を電気刺激し、膀胱の収縮圧力をみることによって神経温存を判定するシステムを開発した。さらにこのシステムの有用性を検討するために、「神経診断装置による骨盤臓器機能の診断に関する研究」を続けている。また、ごく早期に発見された子宮頸がんにおいては、子宮頸部の病巣のみを切除する「円錐切除術」を適用し、妊娠・出産も可能となるケースがある。
進行期が1a期以上になると子宮を摘出となり、妊娠・出産をあきらめなければならないのが現状であるが、同科では病巣の子宮頸部を広く摘出し、妊娠を可能にするため子宮体部は温存する「広汎性子宮頸部摘出術」に取り組んでいる。さらに、婦人科悪性腫瘍に対する新しい薬や治療法の研究を続け、より高い安全性・有効性の確立を目指している。
一例として、がんのリンパ節転移における「センチネルリンパ節」に着目した取り組みが挙げられる。センチネルリンパ節とはがん細胞がリンパ液に乗って最初に到達するリンパ節のことであるが、センチネルリンパ節生検のみに留めることの安全性と有効性を追求し、あわせて患者の負担軽減を目的とした研究である。

診療を受けるには

原則、他の医療機関からの紹介状が必要。紹介状がない場合は、初診にかかる費用として3,240円を自費で負担。

年間症例数

2011年の手術件数は523件。新規がん症例(子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、外陰がんなど)310例

医師のプロフィール

経歴
1984年 東北大学 卒業
2000年 東北大学婦人科学分野教授
2008年 東北大学医学系研究科医科学専攻長、東北大学先進漢方治療医学講座教授(兼任)
2009年 東北大学周産期医学分野教授(兼任)
2010年 東北大学病院副病院長(兼任)、東北大学大学院医学系研究科環境遺伝医学総合研究(エコチル)センター長(併任)
2012年 東北メディカルメガバンク機構副機構長(兼任)、東北大学病院臨床試験推進センター長(兼任)
2015年 東北大学副学長(病院経営担当)・病院長、東北大学東北メディカル・メガバンク機構 機構長特別補佐(併任)
所属学会・認定・資格

日本産科婦人科学会専門医、日本臨床細胞学会専門医、日本婦人科腫瘍学会専門医

日本がん検診学会(理事)、日本がん治療学会(代議員)、日本産科婦人科内視鏡学会(理事)、日本産婦人科手術学会(理事)、日本産婦人科乳がん学会(理事)、日本性感染症学会(評議員)、日本生殖外科学会(理事)、日本婦人科腫瘍学会(理事)、日本臨床細胞学会(理事)、婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構など