ドクターズガイド

中村清吾 医師 (なかむらせいご)

中村清吾 (なかむらせいご) 医師

昭和大学病院(東京都)56病院のクチコミ
ブレストセンター
センター長 昭和大学医学部 乳腺外科 教授

専門

乳がん

医師の紹介

中村清吾医師は、前任地である聖路加国際病院で、乳がん治療を消化器外科から独立させ、いち早く体制を構築し日本の乳がん医療を牽引してきた。整容性を重視した乳房温存手術に注力し、手掛ける手術の中で約60%が乳房温存手術だという。全人的に患者を支えるべく、総合的な支援チームを構築。個別化医療を実践している。今、特に力を入れているのは「遺伝性乳がん・卵巣がんの診断と治療」。乳がん発症リスクの高い遺伝子変異を持つ患者に対する最適な予防・検診・診断・治療・保険適応等をめざす研究は、高く評価されている。

診療内容

中村医師は、まだ乳腺外科が一般的ではなかった時代に、当時の勤務先であった聖路加国際病院で乳がん治療を消化器外科から独立させ、高まる専門性のなかで「チーム医療」の必要性を説き、いち早く体制を構築した。
「乳がんの治療は、外科手術だけではなく、抗がん剤やホルモン療法などの薬物療法や放射線療法、形成外科による乳房再建など、さまざまな治療を組み合わせて、一人の患者さんに対して最適な治療を行うことが求められます。専門分野がそれぞれに進歩している現在、一人の医師では、すべてを診るのは困難です。そこで、チーム医療の体制を整え、ブレストセンターを立ち上げました」
その理念は、現在、陣頭指揮を執る昭和大学病院のブレストセンターでも活かされ、さらなる進化を遂げている。
総合医科大学としてのメリットを最大限に活用し、検診で乳がんが疑われた場合の鑑別診断、手術を中心とする初期治療、再発乳がんの治療を、腫瘍センター、緩和ケアセンターなどとの連携により「患者中心の医療」の理念に基づいて提供されている。
「今はマニュアル社会で、乳がんの治療もある意味コンピューター化しているところがあります。たとえばセットオーダーといって、検査や手術などの決まったメニューがボタン一つで出てきます。しかし、実際の治療では、コンンピューター化できない様々な問題がありますから、最初に話しをよく伺って、患者さんひとり一人に合った個別化医療を行わなければなりません。患者さんががんを克服して、元の生活に戻り、がんであったことを忘れるくらいまで回復するには、精神的な事柄から、経済、家族、社会的な事柄等々、全人的なサポートが必要なのです。特に、再発した場合や緩和ケアまで入れれば、型にはまった対応ではどうしようもありません」
中村医師が現在、もっとも力を注いでいるのは「遺伝性乳がん・卵巣がんの診断と治療」。
2012年6月30日には、日本におけるBRCA遺伝子変異陽性患者に関する日本乳癌学会班研究の成果を、研究班長として第20回日本乳癌学会学術総会で報告した。このなかで中村医師は、日本にはほとんどいないと考えられていた遺伝子性乳がんの女性が、実は相当数存在することを明らかにし、韓国では既に認められている乳がんの遺伝子検査の保険適応や遺伝子カウンセリング等を制度として国に認可してほしいと訴えた。乳がん医療を広い視野でとらえ、国レベルでの底上げを図っている。

乳がんについて 詳しくは【⇒ドクターズインタビューを読む⇒】

診療を受けるには

外来担当は、セカンドオピニオンが、水曜・土曜の午前(不定期)、一般外来が木曜の午前。完全予約制。要紹介状。

年間症例数

手術は年間400~500人(約50%が乳房温存手術)

医師のプロフィール

経歴
1982年 千葉大学医学部卒業後、聖路加国際病院外科にて研修
1993年2月 同病院情報システム室長兼任
1997年 M.D.アンダーソンがんセンターほかにて研修
2003年5月 聖路加国際病院外科管理医長
2005年 同病院ブレストセンター長(初代)・乳腺外科部長
2006年 聖路加看護大学 臨床教授兼務、日本赤十字看護大学 非常勤講師
2008年 千葉大学医学部 臨床准教授兼務
2010年 昭和大学医学部外科学講座乳腺外科部門 教授、昭和大学病院ブレストセンター長、臨床遺伝医療センター長兼務
2014年4月 昭和大学薬学部病院薬剤学兼担講師、徳島大学客員教授
2016年2月 天津医科大学客員教授
所属学会・認定・資格

日本乳癌学会理事長、日本外科学会代議員、日本癌治療学会代議員、同がん診療ガイドライン委員会評価委員、NPO法人日本乳腺甲状腺超音波診断医学会(JABTS)監事、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会副理事長、日本医学会評議員、日本外科系連合学会フェロー、ASCO会員
・AMED 中村班「次世代シークエンス解析技術を駆使した家族性乳がんの原因探索」研究代表者、
・AMED 関野班「磁気ナノ粒子によるセンチネルリンパ節の特定とがん転移の迅速診断法の開発」分担研究者、・厚労科研 平田班「全国がん登録と連携した臓器がん登録による大規模コホート研究の推進及び高質診療データベースの為のNCD長期予後入力システムの構築に関する研究」班員、・厚労科研 新井班「わが国における遺伝性乳癌卵巣がんの臨床遺伝学的特徴の解明と遺伝子情報を用いた生命予後の改善に関する研究」班員

予防に心がけたいこと

乳がんは「ぜいたく病」とも言え、少し粗食で適度な運動を心がけるとよい。