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中川和彦 医師 (なかがわかずひこ)

中川和彦 (なかがわかずひこ) 医師

近畿大学医学部附属病院(大阪府)9病院のクチコミ
腫瘍内科
診療部長 近畿大学医学部腫瘍内科教授

専門

肺がんの早期診断、肺がんの治療、固形がんの薬物療法、新規抗がん剤の臨床試験、がんの分子標的治療、縦隔腫瘍の診断と治療

医師の紹介

中川和彦医師は、肺がん、大腸がん、胃がん、食道がん、乳がん、胆管胆嚢がん、膵臓がん、頭頚部がん、原発不明がんなど様々な進行固形がんを対象に、EBM (根拠に基づく医療)を掲げ、個々の症例において、薬物療法を主体とする、最良の治療法を実施している。また、新薬開発においても非常に早い段階から取り組み、肺がんだけでなく様々ながん腫において合理的な薬物療法を実践しており、新しい抗がん剤を取り入れる治療にも定評がある。
「がんの種類によっては非常に有効な特効薬と呼ばれる薬がでてきています」(中川医師)。今、特効薬として出ているほとんどは分子標的薬とよばれるもの。中川医師はこれらに精通した治療を行っている。
「日本人の約半数が一生のうち1回はがんになり、その1/3は死に至る。そう考えるとがんは怖い病気かもしれません。しかし半数以上は治ります。半数以上が治るのだから、がんはもう治しうる病気だともいえます」(中川医師)
かつては死に直結するイメージが強かったがん、時代はずいぶんと変わり「がんというのは長寿の別な表現形でもあります。がんの診療は日本社会のひずみでもあります。古い医療体系から脱皮して、更に患者さんの為になる新しい医療体系に変えなければいけない。日本社会の成熟を目指すためには、がん治療において失敗することはできません」中川医師は熱く語る。

診療内容

近畿大学医学部附属病院 腫瘍内科は、分子標的薬をはじめ、肺がんの化学療法に関する臨床研究を積極的に実施している。「多くの患者さんに分子標的薬を用いてきており、これまでの抗がん薬よりも潜在能力が高いと実感しています」と言う中川医師率いる同科の特徴は、がんを臓器別ではなく、横断的に診療することだ。「従来日本のがん診療では外科医が主体となって、臓器ごとに診るのが主流でした。その為、化学療法も臓器ごとに行われていました。しかし、がんは全身の臓器にあらわれます。がんを臓器別に診ていたのではがん薬物療法の専門家は誕生することはなく、がん診療全体のレベルはあがらないのです」(中川医師)
同科の開設は2002年。
「第四内科の中にあり呼吸器内科医であった肺がん専門医が、新薬の第1相試験を依頼されてがん全体を対象とした新薬開発に携わるようになったことなどをきっかけに、幅広いがんの薬物療法を専門とする、本格的な腫瘍内科が発足しました」(中川医師)
腫瘍専門の薬物療法スペシャリスト、腫瘍内科の重要性を中川医師は熱く語る「腫瘍内科の役割は大きい!!がん治療の指令塔として、他のがん関連診療科との集学的治療の推進はもちろんのこと、緩和ケア医、メンタルヘルス科医、がん看護専門看護師、理学療法士など他職種と連携してチーム医療を実践し、個々のがん患者に対して最善の治療方法を提案していく責務があるのです。腫瘍内科医は、がん治療の発展に貢献する臨床研究をすすめながら、がんに関する広い知識を持ち、チームリーダーとして、適切な治療と医療を施せる次の世代腫瘍内科医を育てることも大きな使命なのです」

最近の肺がん患者の組織型別発生頻度は腺(せん)がん、扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん、小細胞がん、大細胞がんの順に、55%、30%、10%、5%と腺がんが増加傾向にある。原因は、喫煙率の減少やフィルターによる吸入粒子サイズの縮小などが推察される。肺がんは、細胞や組織の並び方や大きさ、形態などによっていくつかのタイプに分けられ全体では、小細胞肺がんが10~15%、非小細胞肺がんが85~90%となる。また、非小細胞肺がんは、腺がん・扁平上皮がん・大細胞がん・その他の4タイプとなり、効果的な分子標的薬の登場により、がんがもっている性格を調べることで、有効な薬が選択できるようになった。
分子標的薬とは、がんの発生や増殖などにかかわる特定の分子(たんぱく質)をみつけ出し、その分子の働きを標的としてとらえ、抑えることでがんを治療する薬のこと。がんの発生のメカニズムを明らかにし、攻撃する目標をあらかじめ定めたうえで開発された薬なので、効率のよい治療が行える。条件が合う患者にとっては劇的に効くが、残念ながら条件が合わなければ効果はないに等しい。現在、肺がん全体の35~40%で、分子標的薬が中心的な治療薬として用いられている。

診療を受けるには

かかりつけ医師よりの紹介状が必要。初診時に紹介状がない場合、保険外併用治療費として5,400円(消費税込)を自己負担する。

年間症例数

外来患者数 :60.2人/日(2013年8月度)入院患者数 :42.8人/日(2013年8月度)新入院患者数:79人/月(2013年8月度)
※年間計735症例(肺がん以外も含む)
食道53、胃62、結腸・直腸100、乳腺70、肺(NSCLC)220、肺(SCLC)27、胸腺2、胸膜中皮種9、皮膚5、胆管・胆嚢がん16、膵36 、骨・軟部組織13、頭頚部57、子宮・卵巣6、腎・膀胱・前立腺13、原発不明がん27、その他19

医師のプロフィール

経歴
1983年 熊本大学医学部 卒業
1986年 国立がんセンター研究所 薬効試験部(リサーチデント)
1987年 国立がんセンター中央病院 内科(シニアレジデント)
1990年 大阪府立羽曳野病院 第二内科
1994年 Medicine Branch, NCI, NIH (Visiting fellow)
1997年 近畿大学医学部 第四内科(病院講師)
2002年 近畿大学医学部 腫瘍内科(病院講師)
2003年 近畿大学医学部 腫瘍内科(医学部講師)
2003年 近畿大学医学部 腫瘍内科(助教授)
2007年 近畿大学医学部 腫瘍内科(教授)
所属学会・認定・資格

日本臨床腫瘍学会(理事、評議員、専門医制度委員会委員長、財務委員、教育セミナー運営委員会、教育委員会、暫定指導医)、日本肺癌学会(常任理事、評議員、学術委員会委員長、ガイドライン検討委員会委員、バイオマーカー委員会委員)、日本癌治療学会(評議員、がん診療ガイドライン委員会制吐剤適正使用ガイドライン作成ワーキンググループ委員)、日本癌学会(評議員、Cancer Science Associate Editor)、日本呼吸器学会(代議員)、日本内科学会(近畿支部 評議員)、日本臨床薬理学会(認定指導医)、がん分子標的治療学会(評議員)、西日本がん臨床研究機構(常任理事、呼吸器委員会委員長、International Symposium委員会委員長、TR委員会委員)、ASCO (Member)、AACR (Active Member)、ESMO (Full Member)、IASLC (Director, Member of the Communications Committee)

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近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門: