ドクターズガイド

三潴忠道 医師 (みつまただみち)

三潴忠道 (みつまただみち) 医師

福島県立医科大学 会津医療センター(福島県)
附属病院 副院長 漢方医学センター
漢方医学講座 教授

専門

内科、漢方診療

医師の紹介

学生時代から有名な漢方医の指導を受け「外来受診者だけではなく、入院が必要な重症患者にこそ漢方を使って役に立ちたい」と志向する。大学卒業後は西洋医学の研修を経て、漢方本来の生薬を用いた入院診療を実践。富山医科薬科大学(現・富山大学)和漢診療部や、飯塚病院漢方診療科の開設に尽力した。同院にて鍼灸部門も開設し、医学生から研修医、大学教員、鍼灸師までを受け入れ、一層の漢方の普及に努める。

診療内容

漢方医学とは古代中国に発祥し、日本伝来後1500年を経て日本で育った伝統医学で湯液(漢方薬)と鍼灸がその両輪。病人を全人的に診てそのバランスの乱れを診断し、主に漢方薬あるいは鍼灸を用いて治療する。鍼灸は専任の鍼灸師により治療するが、健康保険がきかないためセンター附属研究所漢方医学研究室鍼灸部で実施している。
診察の際は、問診・望診(視診のこと。舌診含む)・聞診(聴診とほぼ同じ)・切診(触診のこと/脈診と腹診)など生体のアンバランス状況を五感を通して総合的に判断。冷えは温め、滞った血流を改善するなどして人間のバランスを整え、自然治癒能力を十分に発揮させて病人を治療し、健康へと導いてゆく。現代医学的な病気はもちろん、虚弱体質や不健康状態など不健康状態も含めて、疾患の種類にかかわらずに診療できるのが特徴である。漢方薬は、何種類かの生薬(薬として有効な薬草や鉱物など)を混ぜて水で煎じたり、粉や丸薬として用いる。同院の漢方内科では生薬診療を重視しているが、状況に応じてエキス製剤(顆粒やカプセルなどにした漢方薬)も用いている。漢方薬は健康保険が効き、外来だけではなく入院診療も行っている。
患者それぞれの病態や体質に合った漢方薬を処方するためには「証」といわれる漢方医学的な病態診断が重要である。「証」は、体力が病気より劣勢で体の冷えている「陰証」か、体力が病気より優勢で体にのぼせや火照りのある「陽証」のどちらかに属するのが基本。さらに、体力や抵抗力の充実度を示す「虚実」などの基準を用いて、病人の状態を診断してゆく。 証が決まれば、同時に治療法も決まる。
例えば、女性に多く見られる冷え性の場合、現代医学では原因の不明な場合も少なくないが、漢方では「熱の産生が不十分になる陰証」と診断されるのがほとんど。従って、体を温める作用がある漢方薬を用いて全体のバランスを整えるなどの処置をとる。
身体を温める生薬と方剤には「附子(真武湯・四逆湯・麻黄附子細辛湯)」「乾姜(茯苓四逆湯・小青竜湯)」「山椒(大建中湯)」「呉茱萸(当帰四逆加呉茱萸生姜湯)」「当帰(当帰芍薬散・加味逍遥散)」などがある。
実際の冷え症状は、大きく三つに分類できる。まずひとつが「全身型」。全身的に寒が支配する真性の寒で、陰証の冷え。治療では、服用することで生体を温める熱薬(附子や乾姜など)を含む方剤を用いる。
ふたつ目が「上熱下寒型」。生体を廻る「気」が上方に偏在し「足は冷えるが赤ら顔」という冷えのぼせ状態のことを指す。風呂やコタツなどの温熱刺激ではのぼせを悪化させるだけで、足は暖まらない。治療では逆上した気を下方に巡らせる、桂皮を含む方剤が適応。代表的な治療薬は、桂皮のほか血を巡らせる桃仁なども含む桃核承気湯である。
3つ目が「末梢循環不全型」。これは生体を廻る血が隅々まで廻らない「お血」病態で、多くは虚証。治療薬としては、当帰を含み虚証(虚弱なタイプ)に適応となる当帰芍薬散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯などが代表的である。
上記の3型は単独で出現するとは限らず、多くは複数が混在する。真性の冷え(寒)による病態では「温めると症状が楽になり、冷やすと悪化する」ということが要点である。なお同科では漢方治療を第一選択としているが、現代医学的な診断・病態評価・経過観察も十分に行い、必要に応じて現代医学的な検査・治療も活用(総合病院であるため、他科との連携が可能)。また、食事療法(和漢食、菜食)や運動にも配慮するのが特徴である。

診療を受けるには

完全予約制で、火曜と木曜の午前に三潴医師が診察。受付時間は平日8:00~12:00。診療開始時間は9:00。

累積症例数または患者数

累計9,127件(2014/4月~2015/3月、延べ数、漢方内科)

年間症例数

新患受診351件(2014/4月~2015/3月、漢方内科)

医師のプロフィール

経歴
1978年 千葉大学医学部卒業、千葉大学第二内科
1980年 国保旭中央病院内科医員
1982年 富山医科薬科大学(現・富山大学)附属病院和漢診療部
1992年 麻生飯塚病院漢方診療科部長
2002年 麻生飯塚病院東洋医学センター所長
2011年 福島県立会津総合病院院長補佐・福島県立医科大学会津医療センター準備室教授
2013年5月 福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座 教授、附属病院副院長(業務担当)
所属学会・認定・資格

医学博士、日本東洋医学会漢方専門医・指導医

予防に心がけたいこと

日常生活においては、①陰性の食品(冷たい物や生もの、酢など)を避ける ②適度な運動をする ③不自然に体を冷やさない ④過剰に温めない などといったことを心がけると良い。

費用のめやす

漢方内科(湯液診療)は保険診療の範囲内。一般的に、漢方薬は西洋薬よりかなり安価である。