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C型肝炎は治る時代に!

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C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)の感染によっておこる肝臓の病気。C型肝炎に感染した人のうち、約70%の方が持続感染者となり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんと進行する場合がある。現在、日本ではC型肝炎にかかっている人は全国で190~230万人といわれている。そのうち、年間で約3万人が肝がんで死亡しており、この肝がんの原因の80%はC型肝炎といわれている。治療法の進歩によってピークは過ぎたといえるが、C型肝炎ウイルスの感染自体を自覚していない人、また感染を自覚していても、無症状であるために通院していない人も多いのが現状である。しかし、そんな中、非常に期待できる新薬が治験を終え、近々認可申請に入るという、明るいニュースもある。

国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター センター長 溝上雅史医師に、進歩を続けているC型肝炎の治療の最新情報について話しを聞いた。

C型肝炎の現状

― 肝がんとC型肝炎、これまでの治療についてお聞かせください。

1970年ごろから、肝がんで亡くなる人が急激に増えましたが、薬が効くようになり、2005年ぐらいをピークに、下がってきました。肝がんの原因の8割はC型肝炎ウイルスによるものです。したがって、これをなくさないことには肝がんは減らない。日本は世界に先駆けて1992年から治療にインターフェロンが使えるようになりました。当時、こんな高い薬を一般の患者さんに使えるということで、世界中が驚きました。けれども、その時点では治る人は1割ぐらい。その後2002年に、アメリカで風邪薬として販売しているリバビリンという薬と併用したところ、理由は不明ですが、治る率が2割に向上しました。

最初は週3回注射しなければなりませんでしたが、数年前まで使用されていた治療法はPEGインターフェロンを週1回注射し、リバビリンという薬を毎日飲むという治療法を48週続けるという方法です。PEGインターフェロンというのは、じわっと溶けていきますので、注射を週1回すれば済むようになり、副作用も減ってはきました。それでも実際は患者さんの4割ぐらいにしかこの治療法は完遂できませんでしたし、完遂できてもC型肝炎ウイルスの駆除率も最大80%しかありませんでした。その大きな理由の一つはインターフェロンの副作用が強かったからです。その副作用は最初の1週間は風邪症状、それから貧血やうつ病等の精神症状や脱毛やその他の副作用があり、しかも高齢者ほどその副作用の程度が強いというのがその理由です。日本では患者さんの多くがお年寄りでありながら、副作用で使えないという大きな問題がありました。

肝炎・免疫研究センター

今は輸血でC型肝炎が感染することは殆ど無くなり、昔、感染した人が次々と発症していますが、副作用が強いから3分の1の方が服用を中断しています。肝炎からの肝がんへの発がん率が急激に増えるのが65歳以降で、患者さんは70代以上の方たちが多い。C型肝炎は高齢になるほど肝がんを発症しやすいのに、副作用が強くて薬が使えないので、高齢者でも使える薬の開発に期待が寄せられました。

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