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鼻づまり 慢性アレルギー性鼻炎はこうして治す

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※この記事は2015年9月にインタビューし掲載いたしました。その後、お役職などに変更があります。最新の情報はこちら⇒(医師情報)

鼻がすっきりしないと気分がすぐれず、勉強や仕事にも集中できない。「鼻づまり」は呼吸がしづらいだけではなく、集中力や運動能力の低下、睡眠障害による慢性疲労、口呼吸による喘息や気管支炎の発症など、さまざまな問題の引き金となっている。また、幼少児においては情緒や身体の発達にも影響を及ぼしていることも明らかになってきた。世界的にも患者が増加している「鼻づまり」の原因、その弊害、また治療法について、長い間鼻科治療に携わってきた黄川田徹医師に聞いた。

― そもそもなぜ鼻は「つまる」のでしょうか。

一言でいうと、鼻の粘膜が腫れるからです。鼻の粘膜には血液を十分に溜め込める血管がはりめぐらされて、常に膨らんだり縮んだりして粘膜の厚みを調整しています。鼻炎で鼻がつまった状態というのは、炎症によって粘膜が腫れて血液がうっ血しやすくなることで引き起こされる症状です。もともと絶えず、腫れたりひいたりしている粘膜が鼻炎になると、この変動幅が大きくなります。

― 鼻には息を吸ったり、匂いを嗅いだりする以外にもさまざまな機能が備わっているのですね。

鼻は「呼吸器」と「感覚器(嗅覚)」の2つの機能に分別されます。匂いをかぎ分ける感覚器の役割に比べ、呼吸活動をスムーズに行う呼吸器の役割についてはあまり意識されていませんが、重要な役割が3つあります。

一つは細菌などの有害物質を取り除く「ろ過機能」、2つ目は冷たい空気や乾燥した空気を吸っても肺に害のない温度や湿度にする「加湿・加温機能」、3つ目は、効率的に酸素が取り込まれるよう気管や気管支を広げると同時に肺の血流量を増やし、「酸素の取り込みを促進する機能」です。

そして、この機能を発揮するためのすごい仕掛けが鼻腔粘膜にはりめぐらされた毛細血管に備わっています。このセンサーの役割をもつ毛細血管はダイナミックに膨らんだり縮んだりして粘膜の厚みを変化させ、鼻腔を通過する空気の量を巧みに調節しているのです。

― 鼻の中が炎症を起こして鼻づまりが起きると、いろいろ支障がありそうですね。

鼻炎の人は口呼吸の影響で喘息や気管支過敏症を合併することが多いことも知られています。口からも呼吸はできますが、鼻からの呼吸は口呼吸に比べて呼吸回数や肺が出し入れする空気の量も多いことや鼻呼吸はのどの筋肉を緊張させて広げる機能も確認されています。その他、日中は鼻が通っていても、寝ている間につまっていることも多く、睡眠障害を引き起こし、日中の集中力の低下や慢性的な疲労につながっていると言われています。

― 鼻づまりの治療はどのように始めたらよいでしょうか。

まずは鼻づまりの原因を突き止めるために、問診や内視鏡で検査を行い、鼻の中の状態を確認します。アレルギー性の慢性鼻炎の場合、私のクリニックでは最初の1か月間は、毎日の鼻洗浄とステロイドの点鼻薬の併用で、様子をみるようにしています。

― 鼻洗浄ですか。鼻の中を洗うときに鼻がツンとしませんか。

生理食塩水による「鼻洗浄」はアレルギー性鼻炎の患者さんは試してみる価値は十分あると思います。ハウスダスト、ダニ、花粉などの大きな粒子は鼻腔の前方で捉えられていますので、鼻腔の前半分を洗浄するだけでよいと思います。私の場合は下を向いたまま鼻腔に送り、同じ側の鼻から出す方法を勧めています。洗浄液は体液と同じ浸透圧の生理食塩水を使用するのですが、37℃から38℃のぬるま湯200mlに小さじ1/2の食塩を入れてよくかきまぜます。食塩水が体液より濃かったり薄かったりすると、鼻の粘膜がツーンとしたり、痛みを感じたりします。

花粉症などの季節性のものはシーズンを通して、ハウスダストやダニなど、慢性鼻炎の場合は一年を通して、毎日行うことで、花粉のシーズンでも内服薬を飲まずに過ごせるという報告もあり、かなり症状が軽減されるようです。

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