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痔の手術をいかに低侵襲に行うか!

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3大痔疾患といえば、痔核(イボ痔)、裂肛(キレ痔)、痔瘻(アナ痔)の3つをさす。いずれも低侵襲の治療が進化して選択肢が増えているが、それぞれ利点・欠点があるため医療機関を選ぶのに苦労する病気だ。結紮切除をはじめとする痔疾患治療の名医、佐原力三郎医師に、痔の治療の特徴についてお聞きした。

― 痔と言えば、よく耳にするのは痔核や裂肛ですが、痔瘻とはどのような状態をいうのでしょうか。

痔瘻は肛門周囲膿瘍で始まり、肛門の中から外に向かって、トンネルができるものです。大半は男性の患者ですが、男性に痔瘻が多いというより、痔瘻の患者さんに男性が多いといったほうが正確でしょう。下痢をしたり、残便感があって何度もトイレでいきんだりすると、肛門管内の内圧が上がりやすくなります。女性に比べると、骨格筋がしっかりしている男性は特に内圧が上がりやすく、肛門陰窩というくぼみに便や菌を押しやる力が強いのではないか、そのため男性が多いのではないかと推測されます。

痔核、いわゆるイボ痔は、長きにわたる生活習慣によるもので、年配の人に多いことで知られます。一方、痔瘻は高齢者に少ないのが特徴で、ピークは40~50歳、意外と若い世代です。その背景には、暴飲暴食や下痢などの生活習慣があると言われています。

―痔瘻はどのように治療するのでしょうか。

外用薬で治ることもある痔核や裂肛と違って、痔瘻を治すには手術が必要です。手術を受けなければつらくて大変だし、かといって手術をしても再発することもあるし、再発しないと思ったらガス・便が漏れる…このように両極端なのが痔瘻です。正直なところ、痔瘻の手術を敬遠する医師もいるくらいです。しかし、患者さんはそうも言ってられません。

術後の再発や合併症を避けるためには、何より診断が大切です。とりあえず治ればいいだろう、ではなく、どのように治っていくのがいいのかに焦点を当てた治療が求められます。医師は侵襲の少ない痔瘻手術を切磋琢磨していて、私もこれがライフワークと思っています。

痔核や裂肛の手術は、肛門括約筋と関わりがない部分なので、手術で括約筋が緩くなって肛門のしまりが悪くなったりすることはありません。しかし、痔瘻の手術は、括約筋に関係します。機能が落ちないよう、括約筋を切らずに瘻管を切り抜くとか、シートン法、切開開放術…実に多くの方法があります。それだけ決められない、決まっていないのです。

―痔のタイプ

痔のタイプ

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