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日焼け

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情報過多の時代、病気に関する噂には、信ぴょう性に欠けるものや、古くなったものなど、さまざまな情報があふれている。このことは皮膚科領域も例外ではなく、我々が日ごろ信じている話の中にも意外な誤解が多々あるようだ。今回は日光に関連する病気を中心に、光皮膚科学の専門家、ひふのクリニック人形町・院長の上出良一医師に正しい知識をお聞きした。

―夏になると「皮膚がんになる」といって日焼けを気にする人が増えます。実際のところ、皮膚がんの原因は本当に紫外線なのでしょうか。

皮膚がんに限ったことではありませんが、高齢社会を迎え、がんは全般的に増えています。皮膚がんの場合は、日に焼けたからといってすぐに発病する訳ではなく、長い年月のタイムラグがあります。若い頃に無防備に日焼けをしたツケが、60歳を超えた頃に遅れて出てくるのが通常です。この状況を回避する目的で、紫外線を防御して過剰な日焼けはしないようにと言われています。

しかし、皮膚がんは、織田信長が生きていたような時代には存在しませんでした。ガンガン日に当たっても、今ほど長寿の人はいないから、がんの問題が生じなかったのでしょう。がんというのは、我々が長生きできるようになったが故の”負の年金”とも言えるもの。最近多くなったと話題の前立腺がんも同様で、寿命が延びたが故に最近増えた病気なのです。

―オゾンホールのせいで紫外線がきつくなり、皮膚がんが増加しているとも言われます。これについてはいかがですか。

オゾンホールはオーストラリア大陸の上空にあるとされますが、皮膚がん増加がオゾンホールだけのせいとは言えないように思います。1980年代から、オーストラリアのがん防止協会が皮膚がん予防キャンペーンを行い、紫外線が増えたせいで皮膚がんが増加するのではないかという試算をしました。オゾンホールの影響で皮膚がんが増えるため日焼けに注意しよう、という意向だったのですが、その影響は現在も根強く残っています。確かに紫外線の量は昔より少し増えてはいますが、高齢社会の影響もあるので、皮膚がんの増加がすべてオゾンホールのせいだとは言い切れません。

しかも、現在オーストラリアに住んでいる人は、元々はヨーロッパからやってきた人達です。その地域の紫外線量に本来マッチしない人が移り住んでいる訳ですから、その影響もあるでしょう。

―そうはいっても、夏に日焼けをしてしまったらやはり気になるものです。どう手当すればいいですか。

一口に日焼けといっても、日光に大量に当たれば誰にでも起こるものと、大した量の日光ではないのに特定の人に起こるものと、大きく2つに分けられます。一般的な日焼けの場合は、とにかく冷やすのが一番です。

日焼けで皮膚科にかかると、ステロイドの塗り薬・飲み薬を処方されることが多いと思いますが、軽症であれば塗り薬だけでもいいでしょう。ただし、少し前に世界中で行われた調査では、日焼け後の手当としてステロイドがあまり効かないという結果が出ています。でも、他に処方する薬がないためでしょうか、習慣的にステロイドを出す医師が多いようです。私自身は、非ステロイドの消炎鎮痛薬も効くと考えています。

なお、薬を塗った後はつい絆創膏で覆いたくなりますが、絆創膏を貼ると剥がすときに表面がペロッと剥けてしまいます。かといって、あまり適切なものがないので、たとえば汚れてもいいようなTシャツを着るなど、自宅でできる工夫をするといいでしょう。

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