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慢性頭痛とどう向き合いつきあっていくか!

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国内の頭痛の患者数は約4000万人とも言われ、中でも片頭痛は約840万人と推定されている。その74%が生活に支障を来たすような痛みに悩まされているにも関わらず、医療機関に継続的に受診している患者はわずか3%。受けていても正確な診断や適切な治療を受けていないことが多い。慢性頭痛とどう向き合い、つきあっていくか、北川医院 理事 頭痛外来 北川泰久医師に話を聞いた。

「慢性頭痛」とは

― 頭痛はさまざまな原因から起こると思われますが、どのような頭痛のことを指すのでしょうか。

頭痛には検査しても異常が見つからず、機能的な頭痛である「一次性頭痛」と脳の器質的な病気が原因で起こる「二次性頭痛」があります。頭痛を持っている人の大半は一次性頭痛で、これを「慢性頭痛」と呼んでいます。慢性頭痛には、「緊張型頭痛」、「片頭痛」、「群発性頭痛」、「その他の頭痛」に分けられます。そのなかでも最も多いのが緊張型頭痛です。

― 緊張型頭痛はどのような頭痛でしょうか。

症状としては頭全体が締め付けられるような痛みが、日常的に数十分~数日間ダラダラと続きます。首こりや肩こりを伴うこともあります。前兆や悪心・嘔吐などの症状はなく、動いてもひどくなることはありません。生活に支障を来たすほどの痛みではないため、ほとんどの人は市販の鎮痛剤を飲みながら、痛みをしのいでいます。慢性化すると生活に支障が出るほど重症化することもあります。発症についてのメカニズムはあまりよくわかっていませんが、ストレスに関係していると言われていて、温泉で体を温めたり、マッサージやストレッチなどの運動をしたりして、リラックスすることで解消する場合もあります。

― 片頭痛は緊張型頭痛とまったく違う症状なのでしょうか。

片頭痛には、両側が痛くなる場合もありますが、70%の人が左右どちらか片側に脈を打つようなズキンズキンとした痛みを感じ、多くの場合、吐き気やおう吐を伴います。頭痛の発作が始まると、会社や学校にも行けず、寝込んでしまうほどの痛みです。痛いときは体を動かすと悪化するので安静にしています。発作中は光や音、匂いに過敏になります。また、20%ぐらいはキラキラした光やギザギザの光が見えたり、脱力感やしびれなど、前兆がみられるのも特徴です。このように片頭痛は緊張型頭痛と症状は異なります。

― 片頭痛の原因は何でしょうか。

痛みの原因としては、頭の中で血管が収縮したり、拡張したりして、周囲の神経(三叉神経)に刺激が伝わることにより起こります。血管の収縮や拡張、炎症には神経ペプチド(セロトニン、CGRPなど)の異常放出が関わっているということもわかってきました。高齢になり血管があまり収縮・拡張しなくなると、痛みが起こらなくなることもあります。また、20~40代の若い女性に多いことから女性ホルモンであるエストロゲンが関係しているとも言われています。生理の時にエストロゲンが下がって頭痛がひどくなり、閉経によって頭痛が改善することもあります。

― 片頭痛の治療は薬による治療が中心かと思われますが、頭痛専門医の先生はどのような治療を行っていますか。

近年、片頭痛の痛みのメカニズムがわかり、トリプタン製剤という特効薬が登場したことで、片頭痛の治療は劇的に変わりました。トリプタン製剤は痛みを抑えるだけの鎮痛剤とは違い、痛みの物質を抑える、血管の収縮を抑えるなど、痛みの原因の根本に作用します。これによって、片頭痛の患者さんの70~80%の人の痛みが改善されました。対処療法ではありますが、メカニズムに対する治療なので鎮痛薬とはまったく違います。

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