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尿路結石

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女性より男性、冬より夏に多い尿路結石。その最大の特徴は、どんな人でも耐えられないというほどの激痛だ。治療の第一は薬物療法による自然排石だが、開腹手術はすっかり過去のものとなり、今では体外衝撃波結石破砕術と内視鏡手術が主流になっている。医師の腕を選ばない体外衝撃波結石破砕術と違って、内視鏡手術は医師の技術によるところが大きく、病院によって治療実績もかなり異なるのが現状だ。特定医療法人慈啓会大口東総合病院泌尿器科部長 松崎純一医師に、尿路結石治療の今について詳しくお聞きした。

――尿路結石はどんな人にできやすいのでしょうか。

尿路結石

松崎 肥満の人は明らかに尿路結石を起こしやすいと言われていて、小中学生のメタボリック症候群が増加する今、尿路結石も若年化する傾向があります。尿路結石は外気温とも大きく関係するので夏に多く、当然ながら南国に住んでいる人や、汗をかきやすい人に多いことも確かです。遺伝的要素もあり、父親や兄弟に尿路結石の経験があれば、息子もなる確率が高いと言えます。

さらに、運動量が少ないことも尿路結石の原因の一つとされ、寝たきりの高齢者に起こりやすいことがわかっています。我々の骨は体を動かして力が加わることで丈夫になりますが、反対に、運動しないと骨中のカルシウムが尿に溶け出して結石ができやすくなるのです。結石を予防するためには水分をたくさん摂ることも大切で、寝たきりになると水分を自由に摂れないことも影響すると思われます。

なお、よく胆石があるから尿路結石もできやすいだろうと思う人がいますが、胆石と尿路結石はまったく別物です。この2つに関連があるとは限りません。

――尿路結石といえば激痛が有名ですが、ほかにも症状はありますか。

松崎 主な症状は痛みと発熱で、吐き気を伴うこともあります。痛むのは背中の、肋骨と腰骨の間あたりです。頻度は少ないですが、真っ赤な血尿で気づくこともあります。でも、前ぶれとしてわかるほどの自覚症状は少なく、血尿も顕微鏡レベルでしか判明できないことが大半です。そのため、急な激痛で気づくしかない場合が多いと言えます。

高齢者の場合は発熱で見つかることもあります。石が尿管に詰まって尿が溜まり、そこに菌に感染すると腎盂腎炎を起こすのです。腎盂腎炎が治らないと思って調べたら尿路結石だった、ということもあります。

――まずは外科的手術より、薬物療法でしょうか。

松崎 カルシウム結石は薬で溶けませんが、痛風結石やシスチン結石のように薬で溶けるタイプなら薬物療法が効きます。シスチン結石は先天的なアミノ酸代謝異常によるもので、シスチン尿症という、シスチンが尿に多く出るタイプの人にできやすい結石です。頻度は多くありませんが、薬で大事に至らないようにすることが大切です。

薬物療法は、結石ができた時だけでなく、再発予防にも有効です。でも、二度と再発しない訳ではなく、再発率が何割か減る程度ではあります。

――尿路結石の手術のうち、負担の少ないのはどのような方法ですか。

松崎 薬や生活習慣改善でも自然に石が出ない場合に手術を行います。体外衝撃波結石破砕術(ESWL)は、約30年前からある、負担の少ない治療として広く行われています。昔は1週間入院して治療を数回繰り返していましたが、現在で日帰りが可能です。麻酔の方法はメーカーや病院の方針によって違っていて、当院では点滴で痛み止めの薬を使い、寝ている間に終わるようにしています。本人は横になるだけで、1時間以内に終わる治療です。

内視鏡治療ほどの高い効果はないのがデメリットで、石の割れ方によっては再度激痛が起きることもありえます。石が硬すぎて砕けないなど、追加治療が必要になることもゼロではありません。

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