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小児疾患

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=接触、飛沫で大人にも=

ヘルパンギーナ、手足口病、咽頭結膜熱(プール熱)などの感染症は毎年夏になると流行する。アウトドアで肌を露出したり、プールに入る機会が増えたりすると、子どもを中心に広がり大人にもうつる。完治しても家族間で感染を繰り返す危険性も。この季節の主な疾患について、感染経路や治療、予防法などのポイントを押さえておこう。

◇ヘルパンギーナ

小児疾患

夏風邪の代表格ヘルパンギーナは例年7月がピーク。病原体はコクサッキーというウイルスで、患者は4歳以下の乳幼児が多いが、看病する大人も接触、飛沫(ひまつ)から感染する。

小児感染症に詳しい東京医科大学病院副院長で小児科の河島尚志医師は「感染すると喉が真っ赤に腫れて痛み、38~39度ぐらいの熱が出る。吐き気やだるさに加え、痛くて食べ物が喉に通らず、食欲もなくなる」と話す。

解熱剤などの対症療法以外はなく、治療法について河島医師は「熱が下がり症状が治まるまで、水分と栄養を補給しながら安静にしていれば、2~4日で回復し、7日以内には完治する」と説明する。

◇手足口病

同じコクサッキー系の感染症として知られるのが、手足口病。今年は6月、西日本を中心に警報レベルで流行した。河島医師によると、症状はヘルパンギーナと同じように高熱と発疹。ただ、発疹は喉だけでなく、手のひらや足、口の中にも水痘ができる。痛みやかゆみを生じる場合もあるが、どちらも1週間ぐらいで症状が治まるという。

「コクサッキーのような腸管ウイルスは、症状が治まった後も腸管で増えるため、2カ月ぐらいはウイルスが便に残る」と河島医師。感染を広げないためにもオムツを交換したりトイレを使用したりした後には、しっかりと手を洗うことが大切だ。

◇咽頭結膜熱

プールで感染することが多く、プール熱と呼ばれる咽頭結膜熱。学童年齢期を中心に、特に5歳以下が感染者の6割を占めるという。6月から増え始め、7~8月がピーク。プール以外での感染もあり、近年は室内プール、温泉の利用者が増えたことで通年、感染が報告されている。

河島医師によると、病原体のアデノウイルスは風邪症候群の原因ウイルスの一つで感染力が強い。咽頭炎、へんとう炎、肺炎などの呼吸器疾患や胃腸炎、出血性ぼうこう炎、肝炎、すい炎、脳炎など、さまざまな症状を引き起こす。

咽頭結膜熱は、発熱、頭痛、下痢、食欲不振、全身倦怠(けんたい)感とともに、喉や眼の痛みや充血が3~5日、長いと1週間程度持続。合併症として肺炎を起こすこともある。同じアデノウイルス系の疾患には、より感染力が高い流行性角結膜炎がある。  予防法について河島医師はまず、せっけんでしっかり手を洗うことを挙げる。また、最も多い感染原因はタオルの共用といい、「症状がなくても家族、友人間で同じタオルやハンカチの使用は避けるべきだ」と話す。

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