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うつ病

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5月の病気といえば「5月病」が頭に浮かぶのでは?4月から新年度が始まり、入社・入学・転勤・引っ越しなどと環境が変わり、最初ははりきって頑張っていたのに徐々にストレスが溜まってきて、5月の連休明け頃から、なんとなくゆううつでふさぎこむ(抑うつ気分)ことが続く状態を指しており、正式な病名ではない。一過性であればよいのだが、うつ病に移行してしまうと再発しやすくなる。適応障害とうつ病との違いや専門の難治性うつ病について。杏林大学医学部精神神経科教授、渡邊衡一郎医師にお聞きした。

――適応障害やうつ病になる人が多い時期はいつ頃ですか?

渡邊 本来、うつ病は基本的にまじめな人がなる病気です。平日は、ストレスが溜まり落ち込んで学業や仕事に行けなくても、週末になると元気でドライブやバーベキュー、サーフィンへ、野球やサッカー観戦などアクティブに行動する人は本来のうつ病とは異なるものと言えます。適応障害やうつ病の患者さんが多い時期は、年度末や4~5月で、木の芽時(気温の寒暖差の激しい春先など)や季節の変わり目(冬の終わり・夏の終わり)など体調が崩しやすい時期は、精神も崩しやすいのです。

――うつ病の診断基準や適応障害との違いについて教えて下さい。

渡邊 悲しい、興味がわかない、喜びがない、極端に体重が減るなど、下記の9つの症状のうち、5つ以上が一日中かつ2週間続く場合、2週間以上ずっと調子が悪い状態をうつ病と診断します。

【うつ病の診断基準(DSM-IV-TR)】

1.抑うつ気分(ほとんど1日中そして毎日、抑うつ気分。)

2.ほとんどすべての活動における興味の減退、喜びの喪失

3.食欲の減退または増加。著しい体重の減少または増加。

4.ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。

5.ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(沈滞)。

6.ほとんど毎日の易疲労感または気力の減退。

7.ほとんど毎日の無価値感または過剰(不適切)な罪責感。妄想的。

8.ほとんど毎日の思考力や集中力の減退または決断困難。

9.死についての反復思考、自殺念慮、自殺企図、自殺計画。

適応障害とは、例えば、新しい環境で気を使い過ぎてキャパオーバーになり、本来以上にエネルギーを消費してうつ状態になる、失恋してうつ状態になる、社内で周囲の人とコミュニケーションがうまくとれず落ち込んだりイライラする、近親者や可愛がっていたペットと死別しうつ状態になる、ストレスが溜まるなど、主な原因は”変化”です。5月病はある意味適応障害と言えます。適応障害からうつ病へと移行する場合も多く、気分が落ち込む、調子が悪い、寝込んでしまうなどの症状が2週間以上、続いたら”うつ病”になります。適応障害は、治りやすいのですが、うつ病では治療が必要です。

――病院を受診するタイミングを教えて下さい。

うつ病

渡邊 なにかいつもと違う、いつも疲れている、いつも7時に起床する人が5時に目が覚める、床に就くとすぐ眠れる人が2時間たっても眠れない、食欲がなく体重が激減した、ゴルフ(趣味)が好きで毎週行っていたのに最近やる気がしない、何をやっても集中できないなど環境や気分の変化に気がついたら、まず、休養を取って負荷を軽くしてみましょう。仕事を休むのではなく残業をしないようにする、週末は予定をキャンセルしてゆっくり休みエネルギーを蓄えるなどをしても2週間以上、うつ病診断基準(DSM-IV-TR)の症状が認められる場合は、受診をお勧めします。

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