ドクターズガイド

首こりは3秒で治る!

首姿勢はちょっとした心がけで変わる

ここまでで首姿勢の大切さはわかってもらえたと思います。

「でも、そんな長い期間かかって、悪くなったクセを直すことなどできるのでしょうか。きついトレーニングが必要なのでは……」

と思うかもしれません。

しかし、首姿勢に関して言えば、意識を変えるだけで劇的によくなります。

ここでは、猫背の患者様のエピソードを見てみましょう。


「猫背」というとどんなイメージを持っているでしょうか。

胃の後ろあたりにある、1本の長い背骨が、曲がっている状態だと感じているのではないでしょうか?

そのために、猫背に悩むほとんどの人は猫背を改善しようとすると、「背筋をピンと伸ばす」感覚で、身体の後ろ側を伸ばして改善しようとします。それでもなかなか治らない人は、矯正ベルトなどを背中側にあてたりします。


首から骨盤までを支える骨(背骨)

しかしそれは誤った思い込みです。

どういうことか、背骨についてもう少し見てみましょう。

背骨は、医学的には「脊椎(せきつい)」と呼ばれていて、「頸椎(けいつい)=首の骨」「胸椎(きょうつい)=胸の骨」「腰椎(ようつい)=腰の骨」の3つのパーツからなっています。

椎というのは骨のブロックのこと。首から腰にかけて、骨のブロックが連続して積まれています。それが大きく「首」「胸」「腰」の3つに区分されています。

そのため、猫背を治し、姿勢をよくしたいなら、重心を意識してリラックスして立ち、「首を起こす」ことが大切なのです。


実は、たった3秒で弱った身体をよみがえらせますのページでみなさんにもやってもらった、あの動作。

あれによって、頸椎を伸ばすことができるのです。

さらに、首と同時に「胸を起こす」動作だけでも効果があります。

パソコンに向かって仕事をしていたら、いつの間にか猫背になってしまった……。そんな人が猫背を治すには、「首と胸を起こす」という動作が必要なのです。


以前、当院に治療で訪れた患者様に「猫背ですね。姿勢を意識するだけで改善しますよ」とアドバイスしたことがあります。

その患者様は「10年以上前から猫背に悩んでるんです。だからさすがに治らないと思いますよ」と開き直るような発言をしました。

そこで、患者様に「ちょっと立ったまま動かないでくださいね」とお願いして、私は患者様の顔の角度を上げ、さらに胸を張ってお腹を引っ込めてもらいました。

そして、


「これがいい姿勢なんです。この感覚を覚えてください」


とお願いしました。患者様は、一度、感覚をつかむと、よい姿勢を再現できるようになります。そして猫背は改善していったのです。


不安定ではあるけれど、自由自在に動かせる首。

だからこそ、最適なポジションを覚え、それを常に再現できることがとても大切なのです。

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山田朱織医師
山田朱織医師(医師情報)

16号整形外科 院長/山田朱織枕研究所 代表取締役社長
睡眠姿勢と枕の研究のエキスパート。親子2代・40年の臨床経験を背景に同院に開かれた、全国でも数少ない枕外来では、睡眠姿勢や自宅でできる簡単な枕の調節法などの指導が受けられる。2003年からは整形外科枕の研究・開発に着手。オーダーメイドの整形外科枕を計測・販売する併設の山田朱織研究所には、これまでに3万人もの人が訪れている。