ドクターズガイド

コラム

第6回 運動療法について

日常生活に於いて、65歳以上の人で一日に1万歩歩いた人と歩いてない人を比較すると歩いた人は長寿であり認知症の発症率は低いとの報告が以前になされています。
心疾患のある人は、各患者に病院より運動メニューが指示されます。今回は、一般の人が日常にする運動の量と効果についてお話したいと思います。

運動には有酸素運動と無酸素運動があります。

有酸素運動とは何か。

有酸素運動とは、酸素を普段より多く摂取しながらする運動です。この酸素を使って身体の糖質や脂肪をエネルギー源として燃焼することによりゆっくりエネルギーを生み出します。運動のはじめは糖質を、途中から脂肪をエネルギー源として使用します。

有酸素運動の時は、呼吸数が増加(ここがポイント)し、普段よりも多くの酸素を取り入れています。やや汗ばみ30分でも1時間でもやろうと思えばできる強度です。代表的なものとしては、ウォーキング ジョギング 水中ウォーキング サイクリングなどです。最低10分以上反復することで効果的な有酸素運動となります。その効果は、18歳から64歳の成人が中等度以上の有酸素運動を1週間に150分以上行えば乳がん 糖尿病 心疾患を含む非感染性の慢性疾患のリスクが低下します。また5歳から17歳の児童では、同様の運動を毎日60分以上行えば健康が維持でき、非感染性の慢性疾患を低下させます。

この年齢層の運動とは、通学の移動 遊び スポーツ 体育の授業等が含まれます。65歳以上の人は同等の運動が勧められますが、健康状態により行える範囲の運動を勧めると報告されています。

無酸素運動とは何か

無酸素運動とは、一言で言うと、激しい運動で運動中に息を止めたり息を強く吐いたりするため、楽に呼吸ができず、酸素の取り込みが少ない運動です。例えば、筋肉トレーニング 短距離ダッシュ などです。この効果は、筋肉を鍛え筋肉がつくと基礎代謝が亢進し、また内臓脂肪が減少 血糖値が低下しやすいと言われています。

以上述べたように、運動はすべての人に効用があり、自分の体力に見合った運動を、毎週決めた時間(あまり堅苦しく考えないでください。)行うことをおすすめします。

コラムを終わるにあたって、東日本大震災において被災された皆さまには大変な2011年だったと思います。今後、復興には年月がかかりますが、健康にも心がけて適度の運動(できる範囲で結構)もなさっていただけたらと思っております。
健康第一!!!!!




第1回 胸が痛いと感じたら・・・
第2回 胸が痛む動脈硬化による心臓疾患の検査法
第3回 治療法
第4回 腹部大動脈瘤と閉塞性動脈硬化症
第5回 食事療法について
第6回 運動療法について


<大西健二氏 プロフィール>

大阪大学医学部卒業。医学博士。1974年、ケニア共和国 国立ケニアッタ病院心臓外科開設のため、日本チーム隊長として勤務。1977年、紀南総合病院心臓血管外科開設部長として勤務。大阪大学医学部付属病院第一外科講師、大阪府立病院心臓外科部長、桜橋渡辺病院副院長などを経て厚生年金病院医療顧問として現在に至る。