ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:44歳
いつから頭痛がはじまったか:10年前から

私は肩こりからくる頭痛に悩まされています。以前、テレビで痛みと音楽の関係を研究する音楽治療評論家の藤本幸弘氏が、頭痛を抑えたかったらクラシック音楽の組曲「動物の謝肉祭」の「白鳥」を聴くとよいと言っていたと友人から聞きました。たくさんある曲の中からなぜこの曲なのだろうか?普段あまり音楽を聞くことはないので、信じがたいのですが、治るものならと、何回か聞いていると落ち着くような感覚になり痛みが少しなくなってくるような感じがありました。完全に痛みが消えたわけではありません。気のせいなのでしょうか?音楽で頭痛って治るのでしょうか?

A.

音楽と頭痛は、「音楽」と「脳の機能」を考えると、関係が深いと考えられます。例えば、歩行障害や運動障害の方にリズミカルな音楽と一緒に動作をすると改善することや、一般の方でもBGMを聞きながら単純作業を行うと飽きずに長く続けられることを経験するかと思います。ところで、脳には、他の臓器にはないプラセボ効果という特徴があるのも無視できません。例えば、片頭痛患者に偽薬(プラセボ(効果のない薬:ただの粉))と真薬(効果のある薬)対照でダブルブラインド試験を行うと、偽薬(プラセボ)と真薬(現在承認されているトリプタンなど)とで、どちらを服用しているか本人も治療者も分からないで治療した場合、真薬ほどではないものの、偽薬(プラセボ)でも、改善効果が示されることが、よくあるとのことです。さらに驚くことに、薬理作用のない偽薬(プラセボ)でも脳の機能(神経伝達など)に効果が認められることが分かっています。*これは、真薬(海外の同疾患で効果が実証されている)であっても日本人で効果が実証されなくなってしまいかねない現象です。したがって、あなたのように、普段あまりクラシック音楽を聴かない人が、”もしかしたら頭痛が改善するのでは?と期待を持って”(実は、プラセボには、相手を喜ばせるという意味がある)音楽を聴いたことにより、脳の可塑性(改善しようとする作用)が働いたものと推測されます。かつ、音楽によって、リラックス効果(副交感神経機能を高め、交感神経過緊張が軽減)によって、全身の血液循環の改善につながっている可能性もあると考えられます。また、あなたは何回か聞いているうちにと記載されていることから、一度、何らかの音楽で効果を実感すると、その音楽を聴くと、治らないまでも悪化しないという安心効果(落ち着く)もあるものと推察いたします。


(2018.05.29.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

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