ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:32歳
いつから頭痛がはじまったか:小児の頭痛について

小学1年生(7歳)の子供のことです。最近、よく頭が痛いと言います。学校に行きたくないので仮病?とも思えるのですが、本当に痛いとしたら小児科に行くべきか頭痛外来などの頭痛専門医に診てもらうべきなのか迷っています。

東京医科大学病院に小児頭痛外来があると聞いたのですが、遠方で、仕事をしながら通うには難しいです。何かを受診すればよろしいのでしょうか?また、小児と大人の頭痛は違うのでしょうか?

A.

小児と大人の頭痛もちとの頭痛の違いポイントは「小児は持続時間が短い」・「消化器症状が多い:腹部片頭痛」・「生あくびが多い」・「乗り物酔いが多い」・「起立性調節性障害ODとの関連」です。小児で認められる代表的な一次性頭痛は片頭痛と緊張型頭痛ですが、片頭痛が最も多いと思って結構です。「片頭痛の家族歴の有無」が重要です。まれではありますが、二次性頭痛もありCT(被爆のリスクと除外することのベネフィット)やMRI(医療経済負担のリスクと病状把握できるベネフィット)は必要性があれば病状把握のために最低限施行するべきと考えられています。例:耳鼻科で治療適応にならない程度の軽度の鼻副鼻腔炎でも片頭痛の悪化因子となるので除外するべきなど。

日本頭痛学会監修の『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』では、小児に慢性連日性頭痛の有病率は、1.5~3.5%とされており、ODが絡んだ頭痛が多いのも特徴です。片頭痛とODの両方の診断基準を満たす場合には、いずれか一方の治療だけでは十分な効果が得られないことがあり注意が必要です。さらに、連日性の頭痛で学校に行けない小児では、「脳脊髄液減少症」・「起立性調節障害:OD」(*ODには4つのサブタイプがあり、診断基準に「頭痛」があるのは「体位性頻脈症候群(POTS)」のみ)なども疑われます。脳脊髄液減少症に対して、長期安静臥床が引き金となりPOTSに睡眠相後退症候群を併発させ、より絡み合って頭痛を悪化させていること報告されてきています。

一方、小児の頭痛には、心理社会的問題も絡んでいることが多いことが分かっています。問診では、患者本人に自分の言葉で回答させることが大切です。

例:時には、親子を分離して診察する工夫も必要。学校に行けないような頭痛には、①「頭痛が強いため、学校に行きたいのに行けないのか?」、②「学校自体に行きたくないのか?」の2タイプがあります。①は、周囲に理解があるか否か(この子はサボっている訳ではなく、頭痛で苦しんでいるんだ)で治療効果に差が出ます。②は、学校の担任・養護教諭および心療内科医と連携をとり、「学校には行くべき、言って当たり前」という固定観念にとらわれ過ぎずに患者の気持ちにいかに寄り添えるかが重要であると報告されています。

頭痛を診療できる小児科医は限られている(かなり少ない)実情から、頭痛専門医が、(第一の)担当医として生活全般にわたり診療し、小児科医師・心療内科医師とも連携のもと、小児期を含めて全年齢層の頭痛患者を診ていくべきと考えてよいものと考えます。


(2017.07.03.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

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