ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:28歳
いつから頭痛がはじまったか:10代から

10代から頭痛もちです。昨年、結婚しそろそろ子どもがほしいな~と思っています。妊娠や授乳中に頭痛がおこったら薬はのめるのでしょうか?

A.

片頭痛は妊娠可能年齢の女性に多く、妊娠および授乳におけるお薬による頭痛治療について患者さんからの問い合わせは多いです。さて、『慢性頭痛診療ガイドライン2013』には、「発作が重度で、治療が必要な場合には発作頓挫薬としてはアセトアミノフェンが勧められる。妊娠期間中のトリプタン使用の安全性は確立されていないが、妊娠初期の使用での胎児奇形発生率の増加は報告されていない。多くの患者は妊娠中には片頭痛発作が減少するため、予防薬が必要となる患者は少ない。また、予防薬は投与しないことが望ましいが、必要な場合にはβ遮断薬が挙げられる。授乳婦がトリプタンを使用した場合には、スマトリプタンは使用後12時間、その他のトリプタンは24時間経過した後に授乳させることが望ましい」グレードBと記載があります。*グレードAではなく、エビデンスが不足していることがうかがわれます。

一般に、妊娠初期から後期に至るにつれて片頭痛は軽減する傾向(妊娠後期で60~80%で軽減)とされていますが、前兆のある片頭痛では、ない片頭痛に比べ軽減率が低いと報告されており注意が必要です。分娩後(授乳を開始する)の1か月以内に過半数が片頭痛を再発します。授乳は母乳栄養のほうが人工栄養より片頭痛悪化は少ないとされています。

妊娠中の薬物の危険度は、’薬剤そのものの危険度’と’薬剤の使用時期’の問題とされています。一般論として、①最終月経初日~27日までは無影響期、②妊娠初期(特に妊娠4週~11週末)は胎児の器官形成期のため、薬剤の使用は可能な限り避ける時期、③妊娠12週目以降は催奇形性の問題は起きないが、胎児機能障害・胎児毒が問題とされています。わが国では、厚生労働省の事業の一環である国立成育医療研究センターの「妊娠と薬情報センター」によるサイトhttps://www.ncchd.go.jp/kusuri/が利用でき、実際のリスクの高低が解ります。なお、あまりにも薬剤はどれもダメだと我慢しすぎていると妊婦の健康や体力が落ち良くない場合もあります。経験的に、頭痛治療(頭痛外来・婦人科)ではアセトアミノフェンが汎用されていますが、効果不良なことがあり、トリプタンの慎重な使用も必要な場合もあります。この場合には、症例ごとにリスク&ベネフィットを考慮した個別対応が求められます。


(2018.01.24.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

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