ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:42歳
いつから頭痛がはじまったか:3ヶ月前くらいから

最近、夫と家族の問題(子供の教育についてや親の介護など)の話を始めると頭痛が起こるようになりました。あまり親身になってくれないので、ついイライラしながら話し始めると、最初は頭全体が重くなって圧迫されるようになり、だんだんグーッと締めつけられるような痛みになって、その後1日中続くこともあります。これって精神的なものだと思うのですが、頭痛薬を飲んでも治るのでしょうか?

A.

ご心中お察しいたします。さて、ご質問の頭痛は痛み止めである“頭痛薬”を飲んでも治ることはないと考えられます。痛み止めによって治る頭痛は、頭痛を起こす原因が脳の外から入ってくる頭痛の痛み(例えば、頭部外傷による頭痛や風邪の炎症による頭痛など)は、その急性炎症によって発生した発痛物質が主役であり、その発痛物質を止める消炎鎮痛薬が有効です。あなたは、頭部打撲・抜歯や風邪をひいたわけではありませんね?
環境(ご家族との人間関係不良による心理社会的ストレス)要因による精神的因子としてのストレスや精神緊張をトリガー(誘因の一つ)として交感神経(心拍が増え血管を収縮させ活動する神経)過緊張(中枢感作)したと考えます。その後、副交感神経亢進(脳血管拡張)によって片頭痛が誘発され、後頸部の圧迫という予兆から頭全体が締め付けられる(頭部外側から内側に入りこむ:implodingタイプの片頭痛)片頭痛発作を起こした可能性が高いと考えます。ここでもし、市販薬を長期に多用してこじらせていくと’落とし穴頭痛’とされる「薬剤使用過多による頭痛」や片頭痛の慢性化につながることも少なくないとされています。

『頭痛大学』という人気頭痛サイトで有名な間中先生は、一次性頭痛(頭痛自体が疾患)・二次性頭痛(頭痛が疾患の症状である頭痛)にも該当しないカテゴリーの頭痛として”心の痛み”が関与した頭痛を「三次性頭痛」(メンタルや薬物依存など)と、個人的な見解であるものの述べており、頭痛患者さんの診察において有用な視点となっています。つまり、元々の脳の疼痛とは別に、メンタルや薬物過剰使用によって、脳の疼痛制御系の機能変調が生じ、痛みが増強してしまうことによって痛み止めの効かない疼痛となりやすいと考えられてきています。あなたのような片頭痛で締め付けタイプ(内側に入りこみタイプimplodingタイプ、1日続く、いらいらもある、頭重や首 肩凝りが目立つ片頭痛)の頭痛には、三環系抗うつ薬で疼痛閾値を上げることが有効であることがあります。また、頭痛専門医の紹介のもと心療内科疾患の併存の診療や認知行動療法・漸進的筋弛緩療法など非薬物療法や心身一如である漢方診察と治療を併用し、効果が期待できるのではないでしょうか?


(2017.12.26.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

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