ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:52歳
いつから頭痛がはじまったか:50歳を過ぎた頃から

うつ病と頭痛との関係を教えて下さい。

50歳を過ぎた頃から更年期で軽いうつの症状が出ております。そのせいで頭痛も始まりました。歳なので仕方がないとは思っているのですが、寝起きから頭痛が始まると辛いです。1日何もしたくなくなります。以前は、婦人科で処方された薬を飲んでいたのですが、最近は、病院に行く気になれず市販薬の「ルビーナ」を飲んでいます。頭痛にも効くと書いてあるのですが、あまり効果がありません。一緒にロキソニンなどの頭痛薬を飲んでも大丈夫でしょうか?

A.

うつ病と頭痛との関係ですが、『慢性頭痛診療ガイドライン』には、「一次性頭痛は、不安/抑うつを随伴するか?」というクリニカルクエスチョンがあり、片頭痛や緊張型頭痛では、症状レベルに応じて不安/抑うつなど心理状態に陥り、この心理状態は、頭痛の慢性化の要因となる…(グレードB)と記載があります。

特に片頭痛とは関係があることが分かってきています。うつ病の存在は新たな片頭痛の発症のリスク要因となる一方、片頭痛そのものが、気分障害(大うつ病)の生涯有病率は18~40%(多くの疫学研究では3~4倍の増加)と報告され、片頭痛は、うつ病発症のリスク因子と考えられています。また、片頭痛と不安障害(全般性不安障害・恐怖症・強迫性障害・パニック障害など)との関連性も指摘されてきています。

片頭痛と不安障害(パニック障害など)、今回ご質問の”うつ病”との関連については、いずれもセロトニン代謝障害が発症に関与する点が、お互いの共通の素因(病因)であることが注目されます。

うつ病や不安は、精神症状だけではなく、”身体症状”として頭痛と伴うことも多い。うつ病に伴う頭痛の場合は、全身倦怠・睡眠障害(不眠or過眠)・食欲不振や亢進を伴いやすいです。一方、不安に伴う頭痛の場合は、動悸・呼吸苦やめまいの身体症状を随伴することが多いです。

ところで、うつ病や不安の身体症状と診断する場合には、甲状腺機能異常・糖尿病などの内分泌系障害やてんかん性疾患の除外した後に、患者さんの性格特性プロフィール(心理社会的ストレス・ストレスへの対処法・疼痛行動・人格性格傾向)を質問票などで慎重に評価し、診断がなされるべきです。その上で、頭痛(慢性で連日性になっていることが多い)に対して、心身医学による行動療法的アプローチ(認知行動療法・自律訓練法など)や薬物治療として片頭痛にもうつ病にも効果が期待できるアミトリプチリンやセロトニン作動薬であるSSRI/SNRIなどの服用が、一般的な治療と考えられます。また特に、あなたのように更年期の場合には、ご本人の「気・血・水」および「陰・陽・虚・実」から適切に選んだ漢方であれば、漢方療法もお勧めであると考えます。


(2017.03.17.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

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