ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:18歳
いつから頭痛がはじまったか:中学生の頃から

目の前にキラキラしたものが見えた後、頭痛が始まります。頭痛が始まるとめまいや吐き気もしてきます。こめかみが脈打つようなズキズキと痛む頭痛で、左右どちらかのこともあれば両方のこともあります。月に数回おこり、3~4時間くらいで治まりますが、ひどい時は2~3日続く時もあります。 母曰く私も頭痛もちだから遺伝ね。薬飲みなさいと軽く流されます。頭痛もちは一生頭痛と付き合わなくてはならないのでしょうか?治る方法がないのでしょうか?

A.

お困りになられていますね?あなたは『前兆のある片頭痛』の典型的な病状の可能性が高いと診断いたします。さて、目の前(視野)にキラキラしたものが見える前兆(視覚前兆)のもう少し前に、生あくび・空腹・後頸部の筋肉の張りなどの頭痛の予告である’予兆’は、伴いませんでしょうか?もし、予兆があるとすると、前兆に気を取られるあまり、予兆のみで前兆のない場合には、早期の治療(治療効果が高い)が難しくなる場合があります。

さて、片頭痛発作が、月に数回で高度のときに2~3日続くのであれば、日常生活に支障が高いと考えられます。

ご記載の通り片頭痛は、遺伝性が高いことが分かっております。しかし、だからといって”どうせ治らない・痛み止めを飲んで我慢するしかない”と諦めるのは早いと思います。日本頭痛学会・日本神経学会監修の「慢性頭痛診療ガイドライン2013」では、月2回以上または月6日間以上の頭痛があれば、予防療法が推奨されております。現在の支障度(月に数回の高頻度?回数が減る・軽度にできる、2~3日も持続する?短くなる・めまいや吐き気といった随伴症状がある?軽減する、急性期治療が効かない?効果が高まる)を最小にすることができる可能性があります。それは、予防薬(抗てんかん薬・抗うつ薬、高血圧薬、ビタミン・マグネシウムなどのサプリメント、漢方薬など)を使い(または組み合わせ)、片頭痛支障度を避けることが期待できます。また、誘因(寝すぎや空腹など、なお、痛み止め自体も誘因となることに注意しましょう)を避けることが重要です。さらに、非薬物療法(頭痛体操、鍼灸、ツボ、認知行動療法、自律訓練法、漸進的筋弛緩法、ストレスマネージメントなど)もあります。ところで、片頭痛の予後は、A.不変、B.部分寛解(症状改善)、C.寛解、D.増悪があり、1年後に部分寛解と完全寛解を合わせて約6%とされ、12年後には42%と報告されている。もし不変だとしても増悪させず、諦めないことが何より大切です。また最近、我が国では片頭痛の根本的に近い予防療法(CGRP受容体関連)の治験が進行しており、効果が実証され臨床で効果を発揮することが期待されております。


(2017.11.14.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

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