ドクターズガイド

からだ相談Q&A

Q.

性別:女性、年齢:53歳
いつから頭痛がはじまったか:10月はじめから

最初は、頭に輪をつけられ、その輪がキューと締めつけられるような痛みでしたが、最近は、トイレに行って大小関係なく用を足した後や急に動いた時に激しい頭痛や立ちくらみや吐き気がします。何かの病気でしょうか?

A.

あなたは、緊張型頭痛と考えられます。片頭痛とならんで一次性(機能性)頭痛(頭の痛さ自体が症状である頭痛性疾患)の代表です。孫悟空の輪っかのような輪がぎゅーっと頭を締め付けるような痛みや、圧迫感・被帽感を伴う鉢巻様の頭痛に肩凝りがある場合に「筋収縮性頭痛」と昔から呼ばれていた有名な頭痛のことです。しかし、近年は”筋”も’収縮’も取れてしまい「緊張型頭痛」と呼ばれるようになりました。なぜかというと緊張型頭痛は”筋収縮性”に由来する末梢性の要因(筋硬度の上昇・筋疼痛)のみでなく、中枢性(すなわち脳)の感作が頭痛のメカニズムに関与していることが分かってきているからです。この中枢性(脳)のメカニズムが関与する割合は、疼痛閾値(痛いと感じる)の低下、下降性疼痛抑制系(痛みをブロックして弱める機能)のコントロールの障害が認められることが分かっています。この中枢性機序は「稀発性片頭痛」(月1日未満(年間12日未満))<「頻発性片頭痛」(月1~15日(年間12~180日)<<「慢性片頭痛」月15日以上(年間180日以上)と高くなっていくとされています。特に慢性緊張型頭痛は、単なる頭重(頭痛)や首・肩の凝りにとどまらず、倦怠感、めまいに悪心も伴い日常生活に支障が多いとされています。

ところで、緊張型頭痛の診断は、一次性頭痛(頭痛自体が疾患)のなかで’片頭痛でないもの’が緊張型頭痛と診断されますが、実際は、両者の境界は極めてあいまいです。例えば、片頭痛には生あくびに後頸部の張りを認め、緊張型頭痛そのものといえる予兆があります。また、片頭痛の素因のない人は生涯にわたり緊張型頭痛のみを経験することになりますが、あなたのようなトイレ(排尿や排便で副交感神経亢進)で脳血管拡張や急な動作(心拍亢進による脳血流増加)による脳血管拡張などで中枢(脳)が感作されると片頭痛の特徴である脳の症状(拍動性頭痛や立ちくらみや悪心)を随伴しているのではないかと考えられます。さらに、最近は、軽度(英語でsmall migraine)片頭痛には、緊張型頭痛を生じ、片頭痛治療薬であるトリプタンが有効であるとする報告もあり、緊張型頭痛と片頭痛は一元的共通病態とも考えられています。ご年齢が50歳以上であり「頭痛外来」で一度は脳画像検査お受けになることと、頭痛もち頭痛の診察を受けることもお勧めいたします。


(2017.12.26.)

回答:磯部千明医師(医師情報 ⇒)

からだ相談Q&A:これまでの質問一覧 ⇒

 


質問はこちらから ⇒

慢性頭痛の関連情報一覧 ⇒