ドクターズガイド

病気を調べる(家庭の医学)

睾丸腫瘍(精巣腫瘍)

睾丸が無痛性に腫脹し、さわるとかたく触れます。
表面はゴツゴツしていることもありますが、初期には表面はスムーズで石のようにかたいのが特徴です。
ある日、突然、睾丸のはれに気づくのがふつうで、気づいても羞恥心のために小児頭大になるまで受診しない人もありますが、できるだけ小さいうちに治療するのが原則です。
20~30歳の青年に多くみられ、高齢者では悪性リンパ腫が主体です。
小児の睾丸腫瘍は比較的良性で摘除により完治することがほとんどです。

[診断]
陰嚢(いんのう)皮膚に発赤がなく、かたい腫瘤(しゅりゅう)で押さえても痛みがなければ睾丸腫瘍です。
鑑別しなければいけないのは副睾丸炎、陰嚢水腫、鼠径(そけい)ヘルニアです。
副睾丸炎の場合は痛みや発赤を伴うのが通常ですから、痛みがないときには睾丸腫瘍を疑う必要があります。
ときどき副睾丸炎とまちがわれて抗生物質投与で長期に経過観察している例があるので、注意する必要があります。
陰嚢水腫は中に水がたまっているのでやわらかく、懐中電灯で透けて見えます。
鼠径ヘルニアは鼠径部からつながったやわらかい腫瘤で、押さえると腸内ガスが動くのでプツプツという音が出ます。

[治療]
睾丸腫瘍は早期に遠隔転移しやすいので、発見しだい、はれた睾丸を摘除するのが原則です。
とりあえず睾丸のみを摘除し、その後、転移の検査をして、もし遠隔転移(リンパ節転移、肺転移など)があれば、シスプラチンなどの抗がん薬を使用します。

睾丸腫瘍にはセミノーマと非セミノーマ(奇形がん、胎児性がん、絨毛がんなど)の2系統のがんがあり、どちらかといえばセミノーマのほうが性質のよいほうのがんにあたり、セミノーマは放射線療法に感受性が高いので、傍大動脈リンパ節に照射すれば完全に治癒することが可能です。

肺転移を起こしている場合にはシスプラチンを主体とした抗がん薬を使用し、非セミノーマは放射線に感受性がないので、転移の疑われる場合には、手術直後からシスプラチンを投与します。